一次創作
先日、わたしの絵を知らない人が、ふとわたしが絵を描いているところに出会すシーンがあった 。
その人は語彙を失いながらも「かわいい!」を連呼してくださった。(嬉しかったです。ありがとうございます。)
「Twitterとかでイラスト上げてたりするんですか?」
確かに上げてはいるが、その時描いていたのは、誰でもない、フリフリのお洋服を着た女の子。しかも、わたし自身の絵柄ではなく、イラスト本を参考に他の人の絵を真似て描いた女の子だった。
「普段は似顔絵を描いています。これはこの人の絵を真似て描いているので、わたしの絵とちょっと違います。一次創作、苦手なんですよね〜。笑」
と、答えるわたし。
最後の「笑」は、自分の絵だけど、自分の絵じゃないものを褒められて、嬉しいけれども、素直に喜んでいいのか狼狽えているのを誤魔化す「笑」。
そういえば、小学生の頃はみんな、自分のオリジナルキャラクターをつくって、描きあったりしてたっけ。一次創作の芽生え。
友人のキャラクターを描いて、手紙を送り合うのが好きだった。
その時、わたしが描いた友人のオリジナルキャラクターを見て、その友人から言われたこと。
「わたしの絵、パクった?」
パクったつもりは一切なかった。自分の絵柄なんて、安定していない小学生の頃の話である。オリジナルに似せようとした結果、キャラクターの特徴ではなく、彼女の絵柄の特徴にまで寄せてしまったのだろう。
今こうして、思い出すくらいには傷付いたんだと思う。彼女には弁解したし、それからも人のキャラクターは描いたりしたけども、漫画家さんやイラストレーター さんの絵を模写することはほとんどなかった。
わたしが人の絵を真似して描かない理由は、多分これだ。別に恨んじゃいないけれど、一次創作への苦手意識の根源を見つけてしまったなあ、という気づきでした。
きっと、わたしが頑なに人の絵を真似て描かなかった間、他の子はたくさんいろんな人の、いろんな絵のいいところを見つけて、身につけていたんだろうな。現に、必要だから真似て描くことが時々ある今、真似て描いて初めて得る学びがあるんだもの。
技術面だけではなく、発想の広げ方。真似て描いて、じっくり観察してその道筋が見えたりする。今からそれを、意欲的にやろう!という気にはなれない。
そのことを、悲観はしていない。その分わたしは実際にいる人たちをたくさん描いてきたし、一次創作は苦手でも、ちゃんとわたしにしか描けない絵柄に辿り着いてると思うから。
今 思えば、その当時から「特徴を掴む」ということに関しては、才能があったってことだよね。(ポジティブ)
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