私が乳がんになるまで(その2)

さて、前回の続きです。

何の心配もなく一週間を過ごした私でしたが、さすがに検査結果を聞きに行く当日は緊張していました。万が一ってこともあるしなーと。

そんな中、結果が告げられました。

「えっと、結果は悪性です。つまりガンってことです。」

この時の感覚は今でも鮮明に覚えています。お腹のあたりがヒュッと冷たくなるような……

ジェットコースターで一番初めの坂を登り切って、落下する瞬間、体がフッと浮くような感覚?現実が受け止めきれずに、地に足が着いてない感じとでも言いましょうか……。

流石の私も、頭真っ白でした。

一週間前、先生が言った「多分良性だと思うけど」って言葉がグルグル頭の中を巡って、「え、あんなこと言ってたのに違うやん。何であんな無責任なこと言ったん?!」って御門違いな怒りが湧いてきたりして。

まあ、正常な思考ができる状態ではない。


しかし……先生にとっては、たくさんいる患者の一人。告知だって、1日に何件もこなすんだと思います。思いますけど……

頭グルグルしてる私をよそに、畳み掛けるように続ける先生。

「あのね、こないだの検査は簡易的なものだから、精密検査をしないといけないんだよね?で、精密検査は手術する病院で受けた方がいいんだよね。どうする?うちで手術するなら、うちで精密検査するし、他の病院でするなら紹介状書くけど?」

いやー、ちょっと何言ってるかわかんない。

いや、わかるけど、今考えらんないよ……と思うけど、それを言葉にすることもできない。そんな様子を見て、やっと先生も察してくれたのか、「一旦家に帰って考える?」と言ってくれました。

いや、ほんとね、この先生、悪い先生じゃないんです。見た目怖いけど、笑ったら可愛らしいし、質問すればちゃんと答えてくれるし。だけど、とにかくせっかちな方だったんですよね……泣

「家に帰って考えます」とやっとの事で言ったんですが、またまた畳み掛けるように「じゃ、二日後に電話してね」と……

いやいやいや、二日?!短くね?!っと思ったけれど、当然ながら、これも言葉にならず、そのまま待合室へ。


実は、一週間前に検査を受けた時、そのことをFacebookに投稿していました。何しろ、自分は絶対大丈夫と信じて1ミリも疑っていなかったので……

実際に乳がんと診断されてしまってから、投稿したことを少し後悔しましたが、投稿したからには、ちゃんと結果を知らせないとなあと思い、迷ったけど、事実を書きました。

もしかしたら、みんなにシェアすることで、自分一人では抱えきれそうにない現実が少し軽くなるような気がしたのかもしれません。


ガンであるということを公表するかどうかって、賛否両論あると思います。

聞かされた方も、心に負担を感じることですから。だけど、さっきも書いた通り、私は一人で抱える自信がなかった!(ゴメン!!)

それに、誰に言って誰に言わないのかっていう線引きを、どこでしたらいいのかわからないし、もし、そんな風に限定的に伝えると、伝えられた人の負担が結構大きいだろうな〜とも思いました。

それなら、みんなに言うか、誰にも言わないかだけど、検査受けたことを、すでに公表しちゃってたし、私は、みんなに言うという選択をしました。

そのせいで、初めは戸惑うことも若干ありましたが、結果的に言ってよかったと私は思っています。


ガンになった以上、もし完治したとしても、再発の可能性は一生ついてまわります。

ある意味これからの人生、ずっとガンと向き合って行く必要があるわけです。こればっかりは誰にもどうしようもできない。自分でやるしかありません。

そこを踏まえて、言うにしろ、言わないにしろ自分が納得できる方を選べばいいじゃないでしょうか?周りに気を遣う必要はないと思います。

言うことで、その重さに耐えられずに離れて行く人もいると思います。それは悲しいことだけど。

母が自殺した時、今回ほど大々的に伝えてはないにしろ、特に隠したりしなかったんです。

それが原因なのかは今となっては、わからないけど、その時も連絡取れなくなった人、いました。

誰も悪くないんですよね。もう、しょうがない。もしも縁があるなら、また会えるだろうしね。

だから、わがままに、自分のしたい選択をして欲しいなと思います。


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