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おばあちゃんとお花

私は小さい頃からお花が大好きです。

でも、社会人になってから家を建てるまで
お花や自然と触れる時間がほぼなかった。
お花をもらっても枯らしてしまうし、虫も大嫌い。
家を建てる時も虫だけは回避したくて
ガーデニングとか家庭菜園とかしたくなったら
後からやればいいわと思って砂利一面の庭にした。

本当はお花が好きなのに、
好きなら枯らしてはいけない。
うまく育てれないかもしれない、育てる自信がないなら
好きって言ったらダメなんじゃないか。って
変なプライドの高さや見栄、周りからの目が気になっていた。

自分で色々な制限をかけてた。


でもね。私やっぱり好きだった。

感情がダダ漏れになるくらいお花も畑も植物も大好き。
お花を見るだけで笑顔になれるし話しかけてしまう。


自然が好き。


2年前から生け花のお稽古を始めたのをきっかけに、
砂利を掘り起こして花壇をつくったり、
寄せ植えしたり色んな鉢植えを並べたり、
家の中でも花を飾って観葉植物も置いて
毎日水やりをしながら元気をもらって癒されてます。

今年からおばあちゃん家の庭で畑も始めました。

なるべく行ける時はおばあちゃんの家に行って、
畑の草むしりをしたり縁側の前で日向ぼっこをしています。
草むしりをしながら、
おばあちゃんと過ごした日のことや
おばあちゃんから言われた言葉や教えてもらったことを思い出します。


私のおばあちゃんは3年前に他界した。



おばあちゃんもお花が大好きで、
おばあちゃんの家の前の庭や畑にはたくさんのお花が咲く。

少し離れたところにも畑があって、
お墓や氏神さんまでいく道にも色んなお花がたくさん咲く。
おばあちゃんが運転する自転車の後ろに乗りながら
たくさんの花を目で追う。
(当時は自転車の二人乗りができました。軽トラの荷台にも乗れた時代…)

春はたくさんの花が咲く。

シロツメグサで冠をつくったり、指輪をつくった。

四葉のクローバーをひたすら探す。
見つかったら摘んでおばあちゃんにあげるんだ。

蓮華畑の真ん中でぐるっと一周してキレイだね。
可愛いね。って笑う。

ナズナを見つけたら花軸を少し下に引き割き、
手のひらで回転させながら耳元でシャラシャラと
音を楽しむ。

たんぽぽの綿毛があれば摘んで
息を思いっきり吹いて遠くに飛ばす。

白い花(ノースポールかな?クリサンセマムかな?)が咲けば恋占い。
好き?嫌い?好き?嫌い?っと言いながら
一枚一枚花びらを引っこ抜く。
嫌いで終われば、好きが出るまでやり直すことも。


チューリップが咲いたら、チューリップの歌をうたう。

背の高い菜の花をかき分けて裏道を抜けて、
壁のように一面にツツジが咲く。
コンクリートの上に寝転がって日向ぼっこしたり
蜜を吸うちょうちょをみたり、追っかけたり。
てんとう虫やアリやダンゴムシと遊んだ。

ちょっと遠くの堤防に行ってつくしを採って、
つくしの下処理のお手伝いをする。
その日の晩ご飯はつくしの卵とじ。

桜が咲いた時は堤防の下でお花見をする。


梅雨の時期はいろんな色や形の紫陽花がたくさん咲く。

梅雨のジメッとした時期も紫陽花の優しい色と
コロンっとした可愛いらしさで自然と笑顔になれる。

優しい雨の音の中、蛙がたまに鳴く。
カタツムリも大きな石の上でひと休み。

明日は雨が上がるかな?って縁側で寝転びながら
庭に咲く紫陽花をみながらカエルの合唱をうたう。


夏はひまわりと朝顔

たくさんのひまわりがみんな一斉に
太陽の方を向いて咲いてる。

こんなに外は暑くて雨も降らないのに、
枯れることなく逆にギラギラした太陽の方を
向いてたくましく咲いてる。
力強くてかっこいい。でも可愛さもある。

夏休みの宿題で持って帰ってきた朝顔の鉢を
庭に咲いている朝顔の横に置いて仲間入り。

と同時に水やり当番は私になる。

ラジオ体操に行く前に朝顔が咲いてるかチェック!
本当に規則正しく朝咲いて
夕方にはシュンとしぼむのね!
小学生ながらに感心しながらラジオ体操へ行く。

畑にはきゅうりやナスの花が咲いて、
大きくなったきゅうりとナスを採る。
真っ赤なトマトも一緒に、キンキンに冷えた井戸水を
溜めたシンクの中に入れて水やりをする。

秋はコスモス

どこもかしこも一面のコスモス畑が広がる。

夕暮れ時のコスモス畑
やさしい秋風に揺れるたくさんのコスモス
たくさんのトンボがとぶ。
思わず手カメラをしてしまうくらい、
目に焼き付けておきたくなる。


学校の帰り道で、可愛いお花やおばあちゃんにあげたら喜ぶかな?って思った花はよく摘んであげてた。
摘んでから家に持って帰るまで、
私の手の体温に負けて元気がなくなっていくお花もいた。
待って!もうすぐで家に着くから!って走って帰る。
やっぱりしおれてる。
咲いてた時はキレイだったんだよ!
って涙目でお花を渡す。
しおれてしまっても、
おばあちゃんはキレイだね。可愛いね。ありがとう。
ってどんな時も言ってくれた。


でも彼岸花を持って帰った時は違った。

「なんで彼岸花を持って帰ってきたの!!!
今すぐ捨てなさい!!!もう絶対に摘んできちゃダメ!
持って帰ってきたらダメ!
えか?!
家に持って帰ってきたら
その家は火事になるって言われてるんやよ。
火事になったらややろ?
みんな住む場所なくなってまう。
だから二度としたらあかん!
えか!!!!!!」

あんなに血相変えて叱ったおばあちゃんを見たのは初めてだったかもしれない。
叱られることはもちろんあったけど、
いつも温かくて優しかったから。
お花を摘んできて嫌な顔をしたことは
一度もなかったからビックリした。


ごめんなさい…家が火事になるなんて知らなかったの。
キレイな花だなって。
いつもみたいにおばあちゃんに見せたくて
摘んできたの。
家が火事になるっていわれてるなら、
もう持って帰らないから。
本当にごめんなさい。

って泣いて謝った。

(えか?はわかった?の意味。方言。
えか!!えか?!と言われると、これ言うこと聞かんとやばいやつや。ってなるw
えか?!って言ってるおばあちゃんの目も本気。)

今も忘れられない彼岸花事件。


冬は雪だるまとこたつにみかん

縁側からみる庭は雪で真っ白。
やったー!!!雪だーーー!!!
ばーちゃん!雪降ってきたよーー!!って
飛び跳ねながら、おばあちゃんがいる台所に行く。

「ayaちゃんは雪が好きやねえ。
でもお父さんは帰りが遅くなるかもしれんよ。
お父さんの会社はここよりも雪が降るから。
雪が降って喜ぶんは子供だけやな。
こたつ入りや。みかん食べよ。」

冬はこたつの中に入ってみかんを食べるのが大好き。
マッチの火をつけてストーブの火をつけて
干し芋も焼く。
干し芋がいい感じに焼けるまで氷柱をボーと眺める。
氷柱の先端から落ちる雫を見てたら眠くなる。
雪がどさっと屋根から落ちる音で眠気から覚める。
干し芋もみかんもしっかり食べて
積もった雪と屋根から落ちた雪で
雪だるまを何個も作った。

だんだん寒さに耐えきれなくなってきて、
バタバタと走ってこたつに入って
首までこたつ布団でくるまって
手はストーブまで伸ばして温める。
あったかいなあ〜。って目を瞑って
そのままこたつの中で寝る。

最高に幸せな瞬間。

今はこたつもマッチでつけるストーブもない。

こたつだけじゃなくて松の木も切ってしまったし、
お花もだいぶ少なくなった。
私が幼少期に過ごした景色とは、
全然変わっているところもあって。

寂しさも切なさもあるけど、
私は覚えてる。忘れない。

なによりも

おばあちゃんの家があるだけで幸せ。

私が過ごした大切な場所。


今年から息を吹き返すように始めた
おばあちゃんの家の前の畑。

メインの畑


通路挟んで反対側も


たくさんの夏野菜が元気に育ってくれてます。

あっという間に草がめちゃくちゃ生えてる…
草むしりしなきゃね。

お花もたくさん植えよう。
お花が咲いたら、摘んでおばあちゃんにあげるね。


秋に球根から植えた子♡3日前に咲きました♡


おばあちゃん大好きだよ。

いつも見守ってくれて ありがとう。


#デジ近note部

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