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想い  東華帝君

私が四海八荒の主だった頃からもう永い時が流れた

統治を今の天君に譲り 天族の尊神と呼ばれている

俗世に関わらず 後宮も持たないでいままで生きてきた

そんな私に子ぎつねが纏わりつく

擦り寄り 啼き 笑い 拗ねる

幾ら邪険にしても私の懐に入り込もうとする

四海八荒の為 どことも繋がることを断ってきた

弱みを作らぬよう三生石から我が名を削り 男女の縁を結べぬようにした

そなたとは縁はない 近づくなと何度言ったことか

それでも子きつねは傍を離れようとはしない

そんな眸でみるでない

心の奥が小さく跳ねる

そなたを嫌う男がいるのだろうか

一途に私を追う眸  何度か助け 其の度に離れようとするのに

いつも陰からみつめる子きつね

いっそ その小さき手をとり、この胸に抱こうか

そう  出来る事なら。。

修練と称し人間界でのひと時の夫婦芝居

そなたの為と言いながら 己の為であった

男には情より大事なものがある

なあ 白鳳九 想いそなたと同じ

同じなのだ

それでもそなたとは添い遂げられぬ

私は東華帝君  この世の主だった男

            永遠の桃花から

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