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雨まつり

きょうはあめまつりだねぇと息子が言った。
あなた素晴らしいよ、と感心してしまう。
車内からビニール傘がひっくり返っている人を3人は見た。
外を歩き、激しい雨風と戦いながら、おさるのジョージに出てくるジョージの友人くんだったら「こんな日は、家でゆっくり本を読むのが一番」と言いそうだなあと考えていた。彼のコメント的を得ている。なのにわたしたちは外に出たい。

息子が納豆巻きを食べたいというので適当な回転寿司に入る。すみませんと定員さんを呼ぶと日本語がまだよくわからないスタッフの人とサポートすべく、日本人の店員が一緒にきてくれる。旅行者でない、日本で働く海外の人をみるとこの方たちはどのくらい母国に帰れていないのだろうかと思う。コロナ禍が続き、都心は避けていた日々が、わざわざ大雨の日に、原宿の真ん中で外食をするまでに緩んだ自分。けれど、車から降りマスクをポケットかカバンかどこに入れたか探す数十秒間、息を止め、マスクをしなければこの世界を歩けないまでに変わった自分。
春のおすすめメニュー、アサリと菜の花のお味噌汁を息子がおかわりオーダーすると、さきほどの日本人リーダーが「お待たせしました、アサリとほうれん草の味噌汁ですー」と持ってきてくれた。


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