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エンジニアリスペクト話~知識を使うということ

私は昔 VB プログラマーだった。とはいえコンピューターが0と1で動くことを説明することはできず、小人が動かしていると信じている。ここだけの話、パケットを運ぶ小人を見たことがある。 Wi-fi の時代になり 小人を見なくなった。昔は有線ケーブル の中を小人が走り回りパケットを運んでいたものだ。

ところでLAN ケーブルには、ストレートとクロスの2種類がある。クロスケーブルでは、in と out が逆になる。昔取った杵柄で私はそんなことを知っている。

ついこの前、ある人がある機器に IP を設定しなければならなくなった。そこには対象の機器とパソコンしかないという状況。その機器では、無線通信機能が使えないという状況。この状況下で、対象機器に 最小限の資源で IP を設定するために必要な道具はクロスケーブルである。だからクロスケーブルを買いに行こうとしたという、今日の記事はただそれだけの話だ。
自動判別機能(AutoMDI/MDI-X)が一般的になっている昨今、クロスケーブルの役割はほぼなくなり、LANケーブルと言えばストレートというかそもそも有線のLANケーブルを見ることすら、現代ではなくなっている。だがきちんとした知識がありかつ知識を使える人であれば、この解決方法を思いつくことができる。IP層で解決するならね、そんな気の利いたコメントも出すことが出来る。そしてヨドバシカメラでは、やはりクロスケーブルは売っていなかったとのことなので、この策による解決はできなかったわけで、それだけの話なのだが。

ただこの「解決行動が思いつく」ことがエンジニアの能力だと、この話を聞いた時、私は思った。今はそんな試験はないけれど、昔はあった情報処理2種試験に通っただけでは、OSI参照モデルの単語は知っていても、限られた状況の中でIPを設定する知恵が浮かばない。私のことだ。ちなみに情報処理2種すら取っていない。ひたすら小人頼み。そして小人を見たというのは嘘です嘘ついてごめんなさい。

知識とは、OSI参照モデルのように段階で表せる。知らない知ってる使える、そしてその上に作れる、が来る。上の三角を極めるエンジニアたちは、支える下の台形も広い。三角の頂点だけを見て、偉そうに文句だけ言う人間にならないよう、その下にある台形の広さに思いを馳せられるようにありたい。

※OSI参照モデル:コンピュータネットワークで利用されている多数のプロトコルについて、それぞれの役割を分類し、明確化するためのモデルである。国際標準化機構(ISO)によって策定された。OSI基本参照モデル、OSIモデルなどとも呼ばれ、通信機能(通信プロトコル)を7つの階層に分けて定義している。
7. アプリケーション層
6. プレゼンテーション層
5. セッション層
4. トランスポート層
3. ネットワーク層
2. データリンク層
1. 物理層

Wikipedia


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