見出し画像

MINIとテスラのエクスペリエンス・デザインから学ぶ

*別アカウントで運営していた過去の記事を移行したものです(2019年)

** Photo credit - MINI USA Website

前回に続いて車に関係するお話を、。アメリカ西海岸に住んでいると、車は日常生活のパートナーと言えるほど身近な存在です。選ぶ車でその人の好みもわかる気がする。

私は、サンノゼへの引っ越しを機に憧れだったMINI COOPERをリースしました。特徴的な見た目の外見+インテリアのデザイン性に毎日ワクワクしています。同じくらいの時期に入社した同僚の1人もMINIオーナーで、MINI繋がりで仲良くなりました。笑

ディーラーの方も言っていたけれど、MINI好きでない人がショールームに車を見に来る事はほぼ無いと。確かに、多分スペックや価格で比較検討する人はまず視野に入れませんよね。

MINIはもちろんBMWグループのブランドなので、きっと共通するパーツも多く使っているのだろうけれど、MINIに乗ってる人はあくまでMINIブランドの車に乗っている感覚なので、BMWに乗ってるって感覚はほぼ無い。MINIブランドを親ブランドから切り離し、独自のイメージを作っていっているのは、ブランド的にもビジネスデザイン的にもとても上手いと思います。やっぱり何か一つが特徴的で抜きん出ているブランドは強い。

先日、MINIのカスタマーサービスに電話をする機会があったのですが、待っている間にかかるのが車をスタートさせる時に鳴る音で、ファン心をくすぐります。なかなか、ディーラーを含めたエクスペリエンスデザインはコントロールするのが難しいと思いますが、他の車メーカーとは少し異なったデザイン哲学を貫いているのが凄いです。

・・・

さてさて今度はテスラの話。特にLA/SF/シリコンバレーではよく見かけるようになり、乗ってる友人や同僚も増えてきました。仲の良い友人が転職と共にテスラを購入し、先日運転席に座らせてもらってびっくり。

レバーやボタンの配置は最小限で、ほとんどの操作は真ん中に置かれたタッチパネルで行います。カスタマイズもボタン1個でコントロール。確かにスマホで出来る事を考えたら、車の操作もほぼ画面上で出来ないことは無いですよね。車を運転するという行為自体は同じはずなのに、随分異なる運転体験になっています。

きっと、デザイナーは既存の「よくある車のデザイン」を全部取り払って、運転のエクスペリエンス・デザインを一から考えていったのでしょう。既存の車メーカーの電気自動車も同じ事が出来るはずですが、ここまで運転体験を変えているモデルは無いのでは。パーツや製造工程の共有など、きっと色々と制限があるのでしょう。何事も既存のデザインを取り払ってデザインし直せるのは、どの業界にも共通するスタートアップの強みでないでしょうか。

・・・

MINIのデザインは、アップルのデザイン哲学と似ている気がします。中身のスペックにも妥協しないけれど、とことんデザインにも拘るという所。そしてそれがちゃんと消費者に認識され浸透するレベルまでコミュニケーションされています。そこが刺さる消費者は、迷わずそのブランドを選びしプレミアムも払います。

テスラは既成概念を打ち砕き、今の時代と会社の思想に最適なプロダクトをデザインし、常に運転体験を向上させていっています。会社のバリューや目指す所が消費者に理解されているのは、当たり前なようでとても難しい。テックBIG4もこういったコミュニケーションが上手いですよね。エクスペリエンスデザインと共に学ぶべき所だと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?