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TOKYOに一時帰国して感じたこと

*別アカウントで運営していた過去の記事を移行したものです(2020年)

明けましておめでとうございます!🎍

年末年始2週間半お休みを頂き、日本で新年を迎え数日前にシリコンバレーに戻って来ました。絶賛時差ぼけ中です。。

米国拠点で生活する間に日本へ一時帰国すると、毎年色々と感じるところがあり書いてきているのですが、(去年のものはこれ。お渡し用の袋お付けしますか?…結構です)昨年フルタイムの仕事を始め、データサイエンス分野に関わるようになったので、また違った見方になったかなぁと。

サービスへのコスト意識

昨年の投稿にも重なりますが、日本のサービスにはオリンピック招致を思い出す「おもてなし」文化を感じるものです。私が特に目が行ってしまうのは、贈り物の包装だったり、商品の梱包の仕方です。職場へのお土産に買ってきた個別包装のお菓子には、潰れないように個々に空気が注入されていました。米国ではありえない対応ですね。

ただ、高いサービス水準を維持するにはコスト、かかっていますよね?

例えば、贈り物の包装サービスは、数ある季節の贈り物や冠婚葬祭のマナーを理解した上でこそ可能になります。接客時間にサービス提供に必要になる資材、そして従業員の教育。もちろん商品やサービスの価格にそういったコストが反映されているのだろうけれど、全体の水準が高すぎるのでは?と思ってしまいます。絶対に必要な部分とカットできる部分を見極め、もう少しメリハリを付けても良いんじゃないかなぁ。サービスを落とし価格で競争するか、今のレベルサービスを提供する所は、その分もっとお値段を上げて良いんじゃないかと思います。

特に今は、地球の住民が皆環境への負荷を考えなければならない時代です。米国で生活していると、エコバックを持ち歩くのが習慣になっています。スーパーマーケットだけでなく、デパートや小売店でも袋が有料になっている所が多い反面、お渡し用の袋は無いでしょ、と思ってしまいます。空港で、マイボトルにお水を入れているのは、ほぼ全員日本人では無さそうな方々でした。贈り物の丁寧な包装は、長年続くマナーかもしれませんが、(何度も書くけれど)デザインの力でクリエイティブに解決できる点だと思っています。風呂敷への回帰とか、いかがでしょう?

同時に、悲しくなるのがこういったおもてなし行為を当然のものとして受け取り、サービス提供者に対しての態度があまり良くない場合を良く見かける事です。2週間ほどの滞在でも、銀行やお店で怒鳴っている人、偉そうに命令している人などを見かけました。おもてなしの心に感謝と敬意を持って、サービスを享受しませんか?

イノベーションはどこに?

外国人の同僚などのイメージする日本は、テクノロジーが進んでいて、洗練されている国のようです。ロボットが活躍しているようなイメージは、アニメや映画からかな。

残念ながら、今回日本へ戻っても、このテクノロジー凄い!と感じる場面はありませんでした。空港で無人バックドロップカウンターが登場していたくらい。通常はバゲージタグ発行済みでも、ID確認と荷物を動かすのに人が必要ですよね。今、日本でしか経験できないテック体験ってありますか?私が見ていないだけですかね?

とある自動車メーカーのショールームに行った時に丁度コンセプトカーの説明をしていたのですが、ほぼテスラオーナーの友人の車で体験済みの機能についての説明でした...。

以前、スマートスピーカーの普及率についての記事を読んだ時に驚いたのが、欧米で20-30%?くらい普及しているのに対し日本では一桁だとか。確かに周りでスピーカー・スマートロック・セキュリティカメラ・アイロボットあたり何も使っていない家の方が珍しいように感じています。プライバシーへの意識?安全だから必要に迫られていないから?なんでしょうか。

休暇中に数日台湾に旅行したのですが、田舎の観光地の駐車場で駐車券無しの駐車場システムを体験しました。ライセンスプレートの番号で、駐車時間と駐車料金を管理するものです。一見地味だけれど、画像認識を瞬時にしデータ照合が必要ですよね。米国では橋の通行料金課金に似た方式が使われています。このケースはプライバシーの関係でなかなか一般向けに使えない事情がありそうだなぁとは思うのですが、新しい技術は、サービスとして出してはじめて見つかる課題などもあるだろうし。

世の中に出してみて改善していく流れだったり、一般の人が新しい技術に触れる機会が増えていくと良いと思います。その点CESでトヨタ社が発表されていた実験都市に、大いに期待しています!

キャリアシフト

私の友人は、留学や海外生活を経験している人が多いので、かなりダイナミックなキャリアシフトを経験し活躍している人が多いです。私も、メディア学専攻からデザインMBAを経てUXデザイナーの経歴ですし。。ですが、日本全体を見ると、まだこのような劇的に違う業界を行き来するキャリアパスは稀なんじゃないか?と感じました。

キャリアシフトするべきだと言いたい訳ではありません。でも、近年新しくできてきたor人材が必要になってきている分野でどうやって競争力を付けるのか?と疑問が湧いてきます。私が関わっているエクスペリエンス・デザインやデザイン・ストラテジー、そしてデータサイエンスの分野は過去10年で新しく生まれたものだと思います。データサイエンスの歴史はもっと深いと思いますが、AIやML開発という文脈では最近の事ではないでしょうか。

歴史が浅い分野の人材を育てるには、現学生さんたちが学ぶことのできる環境を整えるか、社会人が学びスキルを付けるしか無いですよね。新しい分野に飛び込んでいくのは勇気が要ります。それまでのキャリアを一旦捨て年収を落としてでも学びたい!という意識や覚悟、もしくは仕事をしながら学習の時間を確保しなければなりません。

米国には、各大学に社会人を対象にしたコースがあり、コーディング・ブートキャンプなども人気です。また大学院から分野を変えたり、いくつかの仕事を通して少しずつ方向性を変えていく方法などを取っている友人が多いです。人生100年時代、LIFE SHIFTでも確か記載があったように、変化に応じて学び続けるような環境が整っていくといいなーと感じます。

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色々書いてきましたが、東京はとても居心地が良いし、素敵な場所が沢山あって回りきれない!だからこそ、期待もとても高いのです。故郷でのオリンピックイヤーにその場にいられないのが、とてもとても悲しいです。世界中から注目されるオリンピックを機に、もっともっと住んでいる人が生き生きと生活でき、魅力的な都市になっていくと良いなーと願います。

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