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プロ野球16球団構想の理想と現実

日本プロ野球(以下、NPB)が2リーグ・12球団になってから60年以上。
2014年から何度も議論を呼んだ16球団構想が今、再び注目されているのだ。

議論再燃

NPBの16球団構想が議論されはじめて、はや数年。
構想自体が忘れ去られようとしている中、2020年1月11日に西日本スポーツでとある記事が公開された。

もともとのソースが福岡県のローカル放送局で放送された報道番組のインタビューである。
しかし、インタビュー内容についての記事が公開されると、野球ファンのTwitterではこの話題で持ちきりとなったのだ。

ただ、16球団構想を語るのは簡単だが、いくつかのポイントを忘れてはならない。

選手について

球団を増やすにあたり、最大の問題となるのが選手の数である。

現在、NPBの支配下登録選手枠は最大70人。
12球団で単純計算すると、70(人)×12(球団)=840(人)となる。
しかし、仮に新規参入する4球団も同じ条件ならば、70(人)×4(球団)=280(人)だ。
以下では、新規球団ができたときに、新人ドラフト以外で選手を集める3つの方法を考えてみた。

一つめは、分配ドラフト

ざっくり言えば、既存12球団から選手を獲得するのである。
実際に独立リーグ(BCリーグ)で新規球団ができる度に行われている方法だが、NPBだと(後述の方法で入団する選手を抜きにすれば)1球団あたり15人ほどが移籍する計算になる。

二つめは、戦力外になったりNPBを離れたりした選手へのオファー

その名のとおり、元NPB選手で、その後独立リーグや社会人などへ行った現役選手を呼び戻すのだが、実力は勿論のこと、本人の事情も考慮しなくてはならないのがネック。

三つめは、ドラフト外

1990年に廃止されたが、もし球団を増やすのならば復活させてもおかしくない。
しかし、ドラフト外があった頃と違い、今はプロ志望届があるため、制度を使い高校生や大学生を入団させるのは少し厳しいだろう。
一方で、社会人や独立リーガーを入団させるポイントにもなるだろう。

地域について

16球団構想で欠かせない悩みが、4球団を置く場所。
記事内では琉球ブルーオーシャンズをNPB入りさせる前提で進めていくため、他の候補を3県挙げてみる。

・静岡県

静岡と言っても広いが、本拠地は静岡市内にある草薙球場が有力とされている。
最寄り駅から徒歩3分と交通の便もよいものの、収容人数が約2万2000人しかなく、お店が球場外にしかないため現状のままだと難しい。
…ところで、静岡県民球団はどうなったんだ?

・新潟県

こちらも横に広いが、本拠地は新潟市内のハードオフ エコスタジアム(エコスタ)が候補に挙がっている。
収容人数も3万人とそれなりの規模だが、最大の問題は交通の便が悪いこと。
そもそも新潟市の鉄道はJRしかない上、球場まではバスで行かなければならないレベルなので、アルコール飲料はきっと売れないだろう…観客も運転するだろうし。
というか、もし実現した場合BCリーグ新潟はどうなるのだろうか。

・愛媛県

実現すれば、松山市内の坊っちゃんスタジアムが本拠地になるであろう。
ただし、最寄り駅から近いのに肝心の本数は少なめ。
現状でもNPB開催があるときに臨時列車があるとはいえ、ホーム幅が狭いのが悩ましいところ。
ところで、今は四国ILの愛媛マンダリンパイレーツが本拠地にしているんだが…どうなるのやら。

球団経営の問題

いくら大手企業が手を挙げても、NPB球団を経営できるとは限らないのが現実。
球団経営は赤字覚悟に加え、現行12球団は新規球団誕生によるファン減少を懸念している部分もあるた、め手を挙げる企業はどれぐらいあるのか…というところ。

結論として、一部のお偉いさんは本当に頭アプデしないと、ね。

16球団にしたい理由

今でこそ現地観戦する野球ファンは増えているものの、肝心の地方民はどこの球場へ行くにも遠いのだ。
そこで、NPB球団を増やし地域活性化を図ったり、地方民たちにもなじみのある存在にしたりして、「今、全国で野球が大人気!!!!」と再び言えるような状態にしたいと言う。
地域密着の球団も増えているが、現状ではまだまだ足りないのである。

結論

長々と書いてしまったが、もし16球団構想が実現した場合は

初年度楽天レベルの球団が4つもできてしまう可能性がある

と言える。
本当に実現するかどうかは別として、長年の常識をぶっ壊すぐらいでないと球界改革は難しいのだろう。

記事は以上で終わりとなります。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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