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ポムポムプリンではどうにもならず

消防設備点検の日だというのをすっかり忘れていて、散らかり放題の部屋に作業の人を通すことになった。

丁寧な言葉づかいで部屋に上がった二人の作業員が、ベランダでやや乱暴な言葉使いでやりとりをしているのが、怖いような頼もしいような気がする。自分の部屋なのに、自分の方がよその家にお邪魔している気分で落ち着かない。

何事もなくベランダのサイズやら、避難ばしごやらを点検し終えて、作業員のいなくなった部屋はなんだかスカスカした感じがする。

人が点検するのを見たからか、兼ねてから気になっていた腰を点検してもらうか、と思い立つ。整骨院に行こう行こうとは思っていたけれど、コロナ禍というのもあってなかなか踏ん切りがつかなかったのだ。すぐに電話をして30分後に予約を入れる。

初めて行く整骨院だったので、腰のことを事細かに伝える。色んなチェックをしてもらい、グリグリとほぐされる。冷や汗をかくくらい痛い。グッと耐える。痛みから一番遠そうなもの(ポムポムプリンでした)を思い浮かべてやり過ごそうと試みるが、ポムポムプリンではどうにもならず、やっぱり痛い。時々「うぐぅ」などと声が出る。歩き方のコツやちょっとした運動などを教えてもらって、帰宅。

台風が近いからか、グリグリの反動か、ぐったりして相変わらず散らかった部屋で寝転ぶ。窓の外から、自転車で通る人の歌声が聞こえる。自転車に乗りながら歌う人は時々いるが、あれは中途半端に上手だとなんだか嫌だなと思う。下手である方がいいものに思える。


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