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あっち?こっち?どっち?

ルビンの壺

これは有名な「ルビンの壺」。
美術の教科書にも載っていたりするので、一度はどこかでご覧になったことが
おありかな、と思います。

壺に見える人、向き合った顔に見える人。
どっちを見るか、どこにフォーカスするかで見え方が変わる絵です。

でも、どちらも同じものを描いた同じ絵ですね。

ルビンの壺は有名ですが、ルビンの壺のようなできごとは、身近なところ、
身の回りでたくさん起こっています。

コップの水

こちらもたぶん有名な「コップの水」。
少し前にドラッカーさんの本がはやったときによく耳にした気がします。

底の方に少しだけ注がれた水を見て、
たったこれだけ?」と感じる人、「こんなにたくさん?」と感じる人。
見る人が置かれた環境によって感じ方が変わるというお話。

2人の人がいて、どちらの人も今同じように喉が渇いています。
そこに差し出された上のようなコップの水。

普段、豊富な水に恵まれている土地の人は「え?これだけ?」と思うでしょうし
水が貴重で常日頃苦労している土地の人は「え?こんなに?」と思うでしょう。

どっちから見るか、どこに前提条件を置くかで感じ方が変わる水の量です。

額縁効果

さっきの水を別のコップに移してみましょう。
今のグラスより大きなコップに移せば、今よりもっと少なく見えます。
今のグラスより小さなコップに移せば、溢れてしまうかもしれません。

なにに入れるか、でも見え方や感じ方は変わってきます。

これ、どんな額縁に入れるかで同じ絵なのにとても印象が変わるので
額縁効果と呼ばれています。
心理学的にはフレーミングといいます。

中立であるということ

さて、ルビンの壺・コップの水・額縁効果、これらに共通していることは
なんでしょう?想像してみてくださいね。

答えは、そこにあることそのものは全て中立、ということ。

ルビンの壺の絵はずっとルビンの壺を描いた絵のままです。
コップの水はずっと同じ量のただの水です。
コップが変わっても中の水の量は変わっていません。

壺だとか向かい合った人の顔だとか、それは全て見る人の側が創り出した世界。
コップの水が多いとか少ないとか、これも全て見る側の人が創り出した世界。

「幽霊の正体見たり枯れ尾花」なんて、その最たるものですね(笑)
思い込みが、ただの枯れススキを幽霊にしてしまいます。

モノだけでなく、身の回りで起こってくるできごとも実は全てが中立です。
私たちがどう見るか、どこから見るか、で全く違うものになっているだけです。
あっちから見るのとこっちから見るのとは違う。
でも起きていることはどっちも同じ。

それを逆手に取り、悩みや不満がある人に対してリフレーミングという手法が
用いられることがあります。いわば額縁の交換。

自分にはなにもないと思っていた人が、リフレーミングすることで
実はこんなにもあるじゃないか!ということに気がつくと、それだけで
道が開けることがあります。
アバンダンス、豊かさへの第一歩ですね。

もちろん、どっちから見たっていいんです。一人一人が創る世界だから。
良い悪いはありません。
あなたにとって、どっちから見た世界がより楽しくて、より幸せですか?

あっち?こっち?
(…ここで吉本新喜劇ファンなら“丁稚〜!”とツッコんでくれるはず)

今日もあなたの笑顔がこぼれるようなことが、ひとつでも多くありますように!
最後まで読んでくださってありがとうございました。

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