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夢を叶えたその先に見えるもの

世の中には様々な仕事があり、皆が「夢に描いた仕事」をしているわけではありません。
そのため夢を達成した人は、さぞかし幸せな人生を歩むのだろうと思われます。

今日は、夢を叶えたその先に見えるものについて話をしてみようと思います。

私のいるパイロットの世界では、志した動機や現状の意識調査をすると面白いものが見えてきます。

「つらい」
「いつでも辞めても良い」
「飛ぶことが楽しいと思ったことはない」
「義務で飛んでいる」
「これが自分の使命だから」

これらの意見が多数であり、好きだから、楽しいからという意見はあまり聞きません。

これが意外と感じるか、真っ当と感じるかは人それぞれだと思いますが、外から見たパイロットの世界と、中から見たパイロットの世界は幾分違うようです。

・夢を叶えるという意味

夢を叶えた先に見えるのは薔薇色の人生でしょうか?
残念ながら違います。

夢は、叶えた瞬間、夢でなくなります。
夢の対義語は現(うつつ)であるように、薔薇色の人生ではなく、厳しい現実が待ち構えています。

ここで新たな目標を設定できる人は良いのですが、ゴールを通り過ぎたとたん、次の目的地が見えなくなることはよくあります。

鬱の原因は「辛い現状」ではなく、「ゴールが見えなくなること」だと言われています。
人間にとって、目標を失うことは、鬱に匹敵する精神的苦痛を与えるのです。

・仕事が好きでいれた理由

私がパイロットの世界の入り口に立ったとき、その道が荊棘でできてることは理解していました。
自分自身、優れた人間ではなかったし、乗り越えられる自信も全然ありませんでした。
そこで自分が22歳のときに建てたモットーがこれ

「空が、飛行機が好きだという気持ちは誰にも負けてはならない」

特に誰かに教わった言葉ではなく、自分でそのときふと思いついたモットーだったのですが、この目標に自分自身何回も助けられました。
何もかもが上手くいかなかったときも、人間関係に恵まれなかったときも「自分は空が、飛行機が好きだ」という気持ちが乗り越えさせてくれました。

好きでいたいから勉強する。新たな発見がある。
そんな自己暗示を15年続けてきたので、今ではオタクの領域です。

思い返せば、当時の日本の教育では、フライトが「楽しいもの」というのは適切ではないという風潮があったかもしれません。
でもアメリカでは違いました。
飛ぶことを楽しんでないとダサいという風潮があったため、皆楽しんで(るふりをして)いました笑

そんなのも相まって、アメリカ人と話す飛行機オタトークはとっても面白いです。

・仕事が辛い、嫌いなときもあった

数多の困難にぶち当たった過去を振り返ってみると、辛い辞めたいと思ったときの原因は仕事の内容ではなかったような気がします。

一番の原因だと明確に言えるのは人間関係でした。
「何」をするかよりも「誰」とするかが重要とは良く言ったもので、あまりにも人間関係に恵まれなかった時期は本気で転職も考えました。

でも一緒に働く人間が変われば急に楽しくなる。
結局自分は飛ぶことが嫌いなわけではなかったとわかりました。

同時に、当時は完全に目標を失っていたので、仕事に関係すること以外の様々なものにも手を出して勉強を初めてから、本当にいろんなものが楽しくなりました。

・好きなことを好きでいられるように

どんなに辛くても、好きだと言い続けていたら、いつかそれは本当になりました。
思い返せば好きに勝る成長の道はなかったのかなと思います。

物事が楽しめなくなったなら、学ぶことを止めた印かもしれません。
全く関係ないことでも、何か勉強してみたら今やってることに結びついて面白くなるかも。

そしてこれからも目標を立て続けます。
それが人生を楽しむ唯一の方法だと思うので。

Aviator.