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遠い島から来たズンさんのこと。

先日、知人のズンさんがシマ島へ遊びに来てくれました。ズンさんとは全国の島同士がつながって島々を盛り上げようよ的なイベントを通じて知り合って、イベント自体はクソみたいな内容ではありましたが、普段は会うことのない遠くの島の方とつながれたことだけはいいことで。ズンさんも、そこで知り合ったひとりでした。

日本というのは島と本土との間は足があっても、島から島へ行くにはものすごく不便だったりします。ズンさんも遠い島から船と飛行機を乗り継いで、たっぷりの時間をかけてシマ島まで来てくれたのでした。

ズンさんのいる島は、シマ島よりずっと小さく、ずっと遠く、ずっと自然が過酷で、そして人口はずっと少ないところです。子供がほとんどいなくて、来年生徒が卒業すると、小学校が廃校になるというレベル。

離島にとって学校がなくなるというのは本当に深刻な問題です。学校のある近くの島に船で通学できればいいけれど、ズンさんの島はそれも難しい。

そうなると、学校が廃校になる→子供のいる若い世代が島に住まなくなる→人口が減る→社会が維持できなくなる、、、と一気に地域が衰退していきます。シマ島も他人事ではなく、「いったい自分たちはいつまで島に住めるのか」と話してしんみりしてしまいました。

ズンさんは島の貴重な芸能を継承しようと奮闘していて、一度ズンさんのパフォーマンスを見たことがあります。一瞬にしてその場の空気を変えてしまうような歌と踊りに引きこまれ、こんな面白い文化がある島に生きているズンさんうらやましいな、と思ったりもしたのですが。

ズンさんは島のインフラを全て担っている一家の主で、島を空けること自体が一大事なんだといいます。目の前のズンさんはいつも朗らかに笑っているけれど、島の存続がズンさんの肩に乗っているのかと思うと空恐ろしくなります。

そしてシマ島も、同じ道を進んでいるのです。

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