ありあまる時、ふくらむ夢、ひとりきりのマグロ。
うちのザビ男が、3月にぶじ定年退職いたしました。
ぶじ、と言っていいのか、はなはだ怪しいところなのですが、4月1日からプータローになりかけていた数日前に、古巣の職場からまさかのアルバイト話が舞い込みまして、現在ザビ男は週の半分をせっせと働きに出ております。
よかった。本当によかった。なにがよかったって、家にいてくれなくてよかった。
いや別にいいんですよ。他にやりたいことがあるとか、他で働きたいところがあるとか、そういうことなら何も言いませんよ。問題はザビ男が非常に厄介なおじさんであるということです。
料理がじょうず。ハンドクラフトも得意。面倒見も悪くありません。本人さえその気になれば働き口はいくらでもあるし、働きたくないなら自宅に工房でも喫茶店でも作って開業したってかまわないのです。
なのに「仕事にするのはイヤだ」と、よそからの誘いをすべて断り、かといって自宅を工房にする気もない。狭い我が家に作業場所もないので、ザビ男が趣味の何かをするたびにリビングやキッチンがただただちらかっていきます。(しかも片付けないのでイライラマックス)
退職したら畑をやるんだ、とはりきって作業着やらグローブやらを買いそろえてきたところまでは許そう。問題は、我が家から少し離れた畑に行くたびに、平日だろうがかまわずわたしを巻き添えにしようとすることです。
悪いがわたしは仕事なのだよ。と断ると、ひとりでしょんぼりしているのです。そして、ますますキッチンに立つ時間が長くなり、昼間にとつぜん大量の手作り肉まんをふかしてきたりします。
うん、おいしいおいしい、おいしいね。
あまりに心ない返事をしていたら、シマ島で間がもたないのか今度は理由を見つけて本土に出かけるようになりました。
外で~、なにを~、しているのだあ~。
と訝しく思っていたら、一日じゅう朝から晩まで旅先の写真を送ってきます。
うん、楽しい楽しい、楽しいね。
ザビ男がいない夜、近くでマグロが釣れたということで、立派なサクをいただきました。
ザビママは「マグロはいらねえ」というので、ひとりで全部いただくことに。
おいしいおいしい、おいしいよ、ザビさんよ。
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