ロシア

 プーチン政権は4月21日にマリウポリの「完全掌握」を宣言し、製鉄所への突入作戦の中止も命じた。

 しかし戦闘は終わっていない。抗戦するウクライナの武装組織「アゾフ大隊」は6日、SNSで民間人の退避に使う車両が砲撃され、1人が死亡、6人が負傷したと明らかにした。

 プーチン政権は、ウクライナの民族主義を掲げる「アゾフ大隊」をナチス・ドイツになぞらえて非難する。マリウポリと「アゾフ大隊」を完全制圧すれば、露軍の「勝利」を宣言する材料になる。

 英国防省は6日、露軍部隊の製鉄所への猛攻について、プーチン大統領が戦勝記念日に「象徴的な成功を発表したいという欲求と関係しているだろう」と指摘した。

 製鉄所の地下施設には避難した民間人が数百人残っているとされる。露国防省は5~7日の日中に民間人を脱出させるための「人道回廊」の設置と戦闘停止を一方的に表明した。これについては民間人を製鉄所の外に出し、その後、製鉄所を陥落させる布石との見方がある。

 ウクライナ大統領府の長官は6日、SNSに「我々は製鉄所やマリウポリ市内から民間人を退避させる作業に取り組んでいる」と書き込んだ。脱出した人たちは南部ザポリージャに向かうとみられる。

 露軍がマリウポリの完全制圧を目指す背景には、東部ドンバス地方(ドネツク、ルハンスク両州)の全域制圧が難航している現状もある。

 米国防総省のジョン・カービー報道官は5日の記者会見で「ロシアが期待するほどの進展は遂げていない」との分析を示した。
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