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The Halo Effect 『Days Of The Lost』(2022)

Swedenが誇るメロデスバンドIn FlamesのOBが結成したバンドThe Halo Effect

Jesper Strömbladをはじめ、Niclas EngelinPeter IwersDaniel SvenssonMikael Stanne..もうまんまあの頃のIn Flamesじゃん!

というメンツでコロナ禍真っ只中に結成された世界中のイェーテボリスタイル原理主義達の超絶期待を煽りまくったスーパーバンド。

しかし…知っている。こういうリバイバル系を狙いにいって「ナンカチガウ」と古参からもニューファンからもそっぽを向かれて爆死した往年のバンド俺はたくさん知ってる。
いや…そうなってほしくない…大好きなIn Flamesだけはあの頃の感動のままいて欲しい。
イェスパーやミカエルスタンネの「コレジャナイ感」を見たくない。

そんな不安と期待とがぐるぐる渦巻く中、そっと震える手で再生ボタンを押した。

Days Of The Lost


——
Niclas Engelin - Gt
Peter Iwers - B
Mikael Stanne - Vo
Jesper Strömblad -Gt
Daniel Svensson - Dr
——

■Shadowminds
ふくよかでヘヴィなサウンドに久々のMikael Stanneのしわがれた声がずっっしりとのるミドルテンポチューン。
バッキングギターがいかにもJesper節で思わず握った拳が汗だく。
優しみを含んだギターソロはシンプルにメロディをなぞるものだが、やっぱり叙情大国スウェーデン、本場のひとつひとつのトーンの周りにあるオーラが違う。


■Days of the Lost

ピックスクラッチからの流れるような流麗なイントロリフで全世界のイエーテボリスタイラーたちが総立ちで激しく頭を振り出すアルバムタイトルチューン。
そう、これこそ現代の『Embody invisible』。
爽快な疾走感とメロディ、最後に転調する様はもう「あの頃」のIn Flamesしか見えない。
イエスパーのセンスのいいトリルを挟んだギターソロもやっぱり最高of最高。


■The Needless End
Colony』あたりに入っていてもおかしくないノスタルジックな叙情感と湿っぽさ、そして高揚感が一つの塊になって降り注ぐ感動の音の雨を北欧からお届け。
疾走感はありつつも質量のあるサウンド。

■Conditional
哀愁漂うギターつま弾きからの突如爆発的な疾走が始まる「これぞ!」な曲。
グルーヴィーなベース、キレのいいザク切りバッキングギター、ブルータルに叩きつけるビート。
そして深みのあるStanneの声が曲全体の奥行きを演出している。

■In Broken Trust
モダンさを意識したゴツいリフに、北欧の暗い森から立ち上る霧のような怪しげな、そして妖艶耽美なStanneのクリーンボイスが登場。
反則的なエロかっこよさです。

■Gateways
シンプルなビートとベースにのるグルウルから徐々に音の奥行きがと広がっていきコーラスではうねるようなキーボードが鋭く主張してくる。
ギターソロはトレモロエモ旋律から美しいピロピロスィープで美しい。
100時間くらいずっと聞いていたい。

■A Truth Worth Lying For
Reroute to Remain』や『A Sense of Purpose』に入っていそうな感じもするし、ダートラのアルバムにも入っていそうな感じもする。
要するに、イエーテボリスタイルど真ん中の叙情と哀愁と激情がしっかりと詰め込まれたサウンドで感涙必至と云う事。
クリーンVoがまたゲキ渋で全身の穴という穴から変な水が出まくる仕様。
後半のコーラスの裏で奏でるギターもセンスが燦めく一瞬です。

■Feel What I Believe
ヴァースでザックザックと刻みつつ、適度に掛けるフックが耳に残るさすがのイエスパー様のサウンドクリエイション。
コーラスの折り重なる疾走感もトップのベテランのみが醸し出せる「うまくコントロールされた焦燥感」を感じられて満ち足りた気持ちになります。

■Lost of Our Kind
前のめりなドラムのビートにゆるやかなトレモロが絡みつく壮大な北欧メロデス。
ベースがズーーンって重々しいのもいい。
突如としてTRIVIUMのMATTにコーラス切り替わり最後はスタンネとデュエット。
しかし個人的には、、あまり効果的ではない気がする。。

■The Most Alone
切ないメロディラインが、悲哀の甘さが混ざる痛みを与えるような、本編最後の曲。
2:49〜のこういう一音一音ルートが上がっていくタイプのバッキング大好き。
ギターソロもいい感じに泣いているし、良メロデス。


■The Path of Fierce Resistance
日本盤のボートラ。
なぜ本編に入らなかったのか不思議なくらい完成度の高い曲。
イエスパーのリフモンスターとしての才覚がこんなボーナストラックでも発揮されてしまっている。


総合満足度 95点(思い出補正で全てが最高と思えるくらいのHalo Effect)

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