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UNDEAD CORPORATION 『Flash Back』(2015)

メタルコアやデスメタル、スクリーモあるいはミクスチャーの要素をふんだんに取り入れつつも、そのどれにも当てはまらないもはやカテゴライズ不可能な国産バンドUNDEAD CORPORATION。2010年結成。

艶やかにちょいエロく歌い上げる女性シンガー朱美と、国内随一のがなり系デスヴォイスを持つ男性シンガー窪田道元のツイン・ヴォーカル体制で厳つくひた走る激重メタルバンドの2015年発表のメジャーデビュー2作目『Flash Back』を紹介。

Flash Back

タイトなギターワークに、テクニカルなドラムが図太く存在感を放ち、時にはクラブミュージック的なノリを、時には狭いライブハウスをモッシュで埋め尽くすバイブスを自由自在に解き放つ今作は、基本的には同人時代から続く路線ながら、より一曲一曲のクオリティが格段に上がり、メジャー感が増した。

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朱美(アケミ) - Vocal
窪田道元(クボタ ドウゲン) - Vocal
仁耶(ジンヤ) - Guitar
松ケンスケ(マツ ケンスケ) - Bass, Keyboards
En(エン) - Bass
Micu(ミク) - Chorus
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■Flashback
ノイズ混じりに各曲をモンタージュ的に放つ導入部。

■The Revolution
道元氏のスクリームとともに踊り出すヘヴィなギターリフ、そして朱美の伸びやかなハイトーン。
1音目から前作に匹敵する、いやそれ以上のクオリティを否が応でも期待してしまう爆烈爽快サウンド。
手数の多いドラムも最高です。

■Chase The Rabbit
デジタル打込みにも似たタイトなリズムに朱美のストレートな歌声が乗るダンスメタル。
道元氏のガテラルも絡まって陰陽の表現が美しい。
朱美がRAP調でリリックを刻みつつ、道元シャウトが絡み合う箇所も最高にクール。
要所でダブルペダルを捩じ込んで緊張感を高めるドラムのセンスにも力いっぱいのメロイックサインで応えたい。

■Xing Noises
ザク切り縦ノリギターからのハイトーン激エモコーラスのコントラストに思わず体が揺れる良質メタル。

■Sad Dream
艶やかに力強くシンガロングする朱美の美声に興奮を禁じ得ない。
J-Pop的な抑揚たっぷりのメロディラインにヘヴィ成分を上手くミックスすることで彼らの唯一無二のサウンドが堪能できる一曲。

■Blow
激走ブラストビートとシャウトで幕を開ける疾走曲。
コーラスの朱美美しく力強いハイトーンボーカルは必聴。
シャウト誘発型、ヘドバン直連携系の良質J-Metal、ぜひ。

■Datura
ヘヴィに不協和音を連発するギターが支えるDjent系のメタルコア。
SlipknotやTool、KORNといったミクスチャーの影響もうかがえながらも、SLAYERやANTHRAXといった往年のヒーロー達へのリスペクトも感じる激重ブレイクダウンとうねるベースに全身が震えます。

■The Cold Sun
ギターオリエンテッドなミドルテンポメロコア。
ゴリゴリのギターサウンドに朱美の音像がクッキリとした美しいコーラスが乗って耳福な一曲。

■White Reflection
ピアノと軽めのバンドセットでしっとりと進むJ-POPバラード。
シャウトもガテラルもヘヴィ過ぎるギターサウンドもこの曲ではお休み。

■End Of My Pain
ツーバスドコドコ、ギターザクザク、シャウトウヴァアアーー!ななかなかヘヴィな曲。
コーラスでは転調、中間部ではテンポチェンジして、決して一本調子ではない展開を見せるからUndead Corporationはやめられない。


総合満足度 89点(聞き終わった後でも興奮がフラッシュバックしてくるレベル)

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