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The Fading 『Till Life Do Us Part』(2015)

2006年に元ARAFELのボーカリストIlia Badrov、ギターのPaul Mitiyanineによって結成。
2009年、Wacken Open Air に出場すると一気に世界から注目され出したイスラエルのテルアビブを拠点とするメロディック・デスメタルバンド The Fading

In Sin We'll Find Salvation』(2009年発表)に続く 2015年発表の本作『Till Life Do Us Part」は、自主制作での発表となる2ndフル・アルバム。
Arch Enemy、Scar Symmetry、In Flames、Dark Tranquillityらから思いっきり影響を受けたであろうアグレッシヴかつメロディアスなギター・リフを主体としたハイクオリティなメロディック・デスメタル作品に仕上がってます。

TILL LIFE DO US PART


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Ilia Badrov: Vocals
Paul Mitiyanine: Guitars
Eyal Ben Shushan: Bass
Ran Shenkerman: Drums
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■The Last of Us
アルバムのオープニングを高らかに宣言するインスト曲。

■A Moment of Insight
フックの効いたヘヴィなギターリフから始まり、ヴァースに入った途端に疾走し出す正統派の香りがする高品質メロデス。
VoのIliaが途中で哀愁を帯びたクリーンボイスを披露する所も聞きどころの一つ。

■Artificial Future
メロいかつエッジの効いた、かつ厚みのあるギターリフで硬派なメタルバンド感を醸し出す一曲。

■Till Life Do Us Part
ミュートの効いたエッジーなギターワークが曲全体を支配するタイトルトラック。
Scar symmetryあたりのこの路線のパイオニアをリスペクトしている雰囲気も個人的には好き。
メロディアスでテクいギターソロも良いです。
MVは微妙だが…


■Idol of Wrath
漢メタル宜しくダウンピッキング主体のリフにオルタナティブなギターソロを絡めたゴツい曲。
デスラッシュ的な要素をはらみながらも聴かせる所はしっかり聴かせる、彼らの奥深さを垣間見ることが出来る曲。


■Where Last Hope Dares
クリーンなインストを散りばめながらズンズン進む良質メロデス。
初期ArchEnemyを感じるサウンド。

■Chasing Time
ジャーマンメタルの匂いを感じるザク刻み系バッキングギターが心地良いこれまた漢らしい勇壮なメタル。
ギターソロ良いです。

■Blind Confession
ダーティ系疾走メロデス。
いや、もはやメロコアとしても中々の完成度デス。
ギターソロテクい&エモいので一度聴いてほしい。

■Needless
無機質なノイズから始まり、時に勇壮に、時に叙情感たっぷりに駆け抜けていくが、いかんせんアルバムの中で似たようなテイストの曲が乱立してしまっているため、やや退屈な印象になってしまうのが残念。
良い曲なんですよ、単品で聞くと。

■Solitude Express
メロディアスなリフから引っ掛かりのあるギターバッキングに繋がって近代メロデスとしては構成点、メロディの点で共にGood。
ギターソロもユニゾンあり、テクニックたっぷりのフレーズありで、聞きどころはたくさんある。
しかし、アルバム全体通して言えるが、音がやや軽く聞こえてしまうのがやや難点か…

■The Art of Suffering
イントロ、リフは微妙だなと思わせといて、曲が進むにつれどんどんテンション上がっていくパーツが次々に現れ、気づいたらアルバム最後なのに夢中で頭を振っている自分がいた。
煽るようなギターワーク、フルピッキングの高速上昇フレーズなどメロデスギターパートのカッコいい所詰め合わせみたいでめちゃくちゃ満足度高い。
最後もフェイドアウトにしなければもっと良かったのに、、と思ってしまったのは内緒。

■Estrangement
しっかりと刻むギターが全体を支配するインスト曲。


総合満足度 80点(銃をギターに持ち替えて戦争じゃなくてメタルやろうぜと訴えたいレベル)

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