見出し画像

とあるビデオグラファーのデジタルストラテジー

お久しぶりです。前の投稿から空いてしまいましたが、今日は特に趣味として活動を始めたばかりのクリエイター(主にビデオグラファーの話ですが)さんが見落としがちな創作活動以外のストラテジーについての話をしようかなと思います。

SNSで活動するクリエイターも様々な目的があって皆さん活動してると思いますが、大きく分類すると、

① 大なり小なり収益があったとしても趣味として活動するクリエイター
② 撮影を仕事として請け負うプロとしてPR目的で活動するクリエイター
③ 閲覧数が収益に直結するビジネスとして活動するYouTuberやインフルエンサー

と、もちろんハイブリッドな人も該当しない人も居るでしょうがざっくり分けるとこんな所かなと。

いずれも、閲覧数や登録者数はクリエイターの活動のモチベーションや収益に大きく関わるため、多くの人に見て欲しいという事に変わりはありません。

ただ、最初のうちは数字を求め過ぎると、作品やコンテンツを投稿して思ったような反応が無いと何か違うんじゃないか、 次はこうやってみよう、ああやってみよう、数撃ちゃ当たる、投稿数を増やそう、伸びない、疲れた、辞めよう… かゆ… うま…

と、がむしゃらに作り続けた挙げ句にゾンビクリエイターになってしまうなんてこともあり得ます。

自分は何を目的に活動するのか、そのためにやるべき事を考える以上に「やらない事」を明確にする事は非常に重要です。

僕は元々アーティストに憧れる商業クリエイターとして、長年様々なグローバルブランドのデジタルマーケティングやブランディングに携わってきました。

転職をして業界を離れた後は、これまでの経験を活かしつつも週末の趣味として自由気ままに好きな創作活動を続けられるアーティストでありたいという想いで、自分が納得の出来る作品のクオリティを追求する事が何よりも楽しくて活動を続けています。

とはいえ、やはり多くの人に作品を見て欲しい。それが継続やスキルアップのモチベーションに繋がってきます。

良いものはいつかはバズるはずと無心で続けたり、「誰でも簡単にプロのように!」とか「絶対バズる○の法則」のような、そもそも未経験な僕が無理なセールストークで集客したり、数撃ちゃ当たるの法則で質の低いコンテンツを量産するといった、自身のブランドを毀損するような手法で無理に露出したり注目を集める事はしたくありませんでした。

ではどうすればよいのか?

マーケティング戦略を立てる

マーケティングを通じて企業戦略の現状分析と市場志向型戦略の策定、評価、選抜を行い、 経営目標と販促方針に寄与する全ての基本的且つ長期的な活動を指す。
wikipedia

🤔?

自身のアウトプットが一番刺さるであろうターゲットを明確にして、効果的かつ効率的にファンを獲得するための戦略をしっかり立てゴールを目指しまっしょい🤘
意訳 AUXOUT

そう、マーケティングです。

何となくわかっちゃいるけど実際にどないすんねん、ってなると意外と難しい話です。なのでマーケターとういう専門家がいるわけで、あまり馴染みが無くて週末活動するクリエイターにとってはハードルが高い事でもあるかなと思います。

重要なのは中長期的なゴールを設定することですが、チャンネル登録者数等の数字をゴールにしない事です。でないと数字が増えれば何でもアリって事になっちゃいます。あくまでゴール達成に近づいているのかという指標にとどめておいた方が良いと思います。

そこで、僕のが2年前にビデオグラファーとして活動を始めた時に実施した事例の一部を簡単に紹介します。

ターゲットを明確にする

僕が撮ってるのは主に関東圏の観光名所を巡る週末お出かけ動画です。日本に住んでいる人にとっては珍しくも無い風景ですが、日本で写真や映像を撮りたいと思っている外国人旅行者にとっては有益な情報になりうるとかもと思い、最初のコアターゲットは日本に旅行を計画している外国人に設定しました。最初のというのは、やはり日本で活動する以上は国内でもしっかり評価されたいという想いはあるため、中長期的なゴールは国内で認知される事という風に考えていました。

ここで重要なのは、自分の作品をターゲットを獲得するために寄せる必要は無いということです。特に僕ような作風は、コミュニケーションを変えればターゲットは変わります。ただより大きなマーケットにリーチするために作風を変えてもマーケットに最適化しても構わないという場合は別です。

ターゲットに有益な情報を提供する

作品性がブレない範囲で訪れた先の地名を動画のタイトルに英語表記で含め、概要欄やコメントでも詳細を書きました。場合によっては位置情報をGoogleMapにピンしてリンクをシェアするなどもしました。タグも最初の頃から直近の作品までずっと"JAPAN TRAVEL VIDEO"といったタグを複数つけています。

あとは Instagram に写真を位置情報とともに投稿して、YouTube と Instagramで相互送客出来るようにして、映像と写真、どちらのチャネルからでも僕のコンテンツを発見出来るようにしました。

プラットフォームをハックする

YouTube の動画は言語を設定することが出来ます。僕の作品はトークパートがほぼ無いので全て英語に設定しています。概要欄も翻訳レベルの簡単な英語です。これで英語圏の人が検索した際にヒットしやすくなります。

ソーシャルメディアではエンゲージ率というものがシステムに重要視されます。これは視聴数に対してのイイね率であったりコメント率、シェアやフォロー等様々な要因によって決まります。

エンゲージ率が高いコンテンツは良質なコンテンツとしてプラットフォームに認識されやすい傾向があります。するとYouTubeが勝手に次に再生する動画や、おすすめの動画として押してくれるため新規ユーザーにリーチしやすくなります。

まさに海外の人を最初にターゲットとしたのはここで、外国人は日本人に比べてリアクションのハードルが非常に低いです。がんがんコメントやイイネを押してくれます。

じゃぁ海外の動画は条件が一緒じゃんと思うのですが、このYouTubeからの評価が今度は日本国内で視聴される際に影響してきます。

日本人はTwitterでも「FF外から失礼します」という奇妙な文化が生まれるほど内気です。そのため、僕の動画は国内をターゲットにている同じカテゴリー、同じ再生回数の動画と比べられる範囲の数値ではエンゲージ率が高くなっていると思います。

効果はあったのか?

多分あったと思います。多分というのは、多くのプラットフォームはそのアルゴリズムを公開していないので推測でしかありません。また、それ以外にお色々と地道な活動はしていたので、どれがどれだけ効いたかというのは詳細には今トラッキング出来ていません。

しかし結果的に僕の動画は当初ほとんど国内で再生されていませんでしたが今では国別再生回数で見ると日本が最も多く再生される国になりました

そして大手メディアに露出する事はほぼ無いのですが、直近では動画を1本公開すると平均2,000人を超える新規チャンネル登録数がYouTube内の自然流入だけで実現して驚くほど多くの方に作品を見て頂ける様になりました。

この流れを作れた事が結果として、月一本、じっくりクオリティを追求して、動画を公開し続けられ事に繋がっているのだと思っています。

終わりに

僕は自身でSNSのシステムを開発をしていたり、マーケティングの会社にいたこともあったので、何となく打率の高そうな方法を経験と勘でやったというだけで、他にもっと良い方法はあったと思います。

自分には何が出来てどういった戦略がベストなのか 左脳でしっかり戦略を立ててから、右脳フル回転で作品作って活動して行くことは大事なんだなと思う今日この頃でした。

何かの参考になれば幸いです。
それではまた✌️

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?