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はじめまして。

昨年からTwitterで短歌を始めました。

タイムラインに流れてくるたくさんの短歌に触れて、おぉ!となったり、あぁ!となったり、感動の止まない毎日です。

特に、昨年末に行われた、推したい短歌(https://www.tanka.fun/recommend/2021 運営は嶋稟太郎さん@smrntr)に参加してからというもの、感動を言葉にしたい、と言う気持ちが沸々と…!

また、琴線に触れる短歌が多く、年末まで待てない!、1年で3首(だったかな?)じゃ足りない!となったため、心の赴くままに、noteにぽちぽちと感想を書いていくことにしました。


今回は2首。

1首目は、たろりずむさん(@tarrorism)の短歌連作『できたらいいな』から。


腕力も金も色気もロボットもない出木杉の頑張る理由/たろりずむ


6首連作の中の最後の1首なのですが、読んだ瞬間にやられました。どの歌もドラえもんの登場人物たちをチャーミングに読んだものだけど、この歌だけは、少し悲しい、そしてハッとさせられる。出木杉くんの特徴。それは名前の通り、何でも出来すぎちゃうところだと何の疑問も抱かずにいたけど、「腕力、金、色気、ロボット」とは性質が違う感じがする。もともと持って生まれたものじゃない。言われてみれば、出木杉くんは「腕力も金も色気もロボットも」持ってないのだ。もしかして、彼の性質だと思っていたものは見えない努力の末に獲得されたものなのか?そして、それをおくびにも出さず穏やかに優等生然として振る舞っているのだとしたら...!と、目の覚めるような気持ちになりました。作中で出木杉くんの出来すぎちゃうところが、本人の頑張りによって獲得されたものである可能性が暗示されていながら、頑張る理由自体は書かれない。だからこそ余計に考えてしまう。疑問を抱かずにきたことの中に、見落としてきたものがたくさんあるではないかという気持ちになりました。自分の名字が「出木杉」だったら名前負けしてグレちゃうだろうな...と出木杉くんの受難を思う歌でもありました。


次!

2首目は、糸間ケントさん(@kitoma_grzr)の、4月の自薦短歌『虚像』から。


すみません 柔軟剤をぶちまけてしまって春が止まらないです/糸間ケント


読んだ瞬間に、そう!確かにそう!となりました。どんな柔軟剤も、季節で言うなら春、フローラルな香り。そして「ぶちまけてしまっ」たら、洗濯物から香るよりはるかに強く香るだろうし、そうそう消えない。そこら一帯がフローラルになる。だから、「春が止まらない」。読んだ瞬間に、状況をありありとイメージすることが出来ました。なおかつ、柔軟剤をぶちまけるって、室内で起こる結構ショッキングな出来事ランキングの上位に位置してると思うのに、結句の表現によって何だか素敵なことのように感じられるところがまた良い!しかも、「すみません」から始まった歌でありながら、謝っている感じが全然しない....!!「すみません」のあとが1コマ開けられているので、さぞかしこのあと物々しいすみませんな内容が来るのだろう、と身構えていたら気持ち良いくらいに拍子抜けさせられました。清々しくって爽やかで一目惚れした歌です。


みたいな感じで、つらつらと歌の感想を心の赴くままに書いて行くつもりです。
ここまで読んで下さってありがとうございました。

ではまた。








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