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ヘッドンのホホ2020-04版(後半)

note も Markdown で投稿できればいいのだけど……。せめて見出しレベルを3段階まで設定させて欲しい。大見出しイカは太字とか文字装飾で見出しっぽく見せるのネアンデルタール人も混血を否定するレベルと想いつつ後半。

# 評価観点

## 評価基準

### SOUND

音質(の好き嫌い)の総合得点。リファレンス曲「鉄板」を中心にいろいろ聞いてみての音楽的満足度。

- 低音:ベースやドラム(バスドラやタム)がよく分離してて、よく響いていること。
- 中音:主なリードパートやボーカルがいい感じに主張していること。
- 高音:ハイハットとか細やかな音がしっかり聞き取れつつ、シャリシャリしすぎて疲れないこと。
- 解像度:パートが多くてごちゃごちゃしたポップスや大規模な管弦楽曲の各パート要素が潰れずに聞き取れること。
- 空間:音の広がりが心地よいこと。狭い:耳元で鳴ってる感が強い/広い:耳の前後左右や頭の外側に広がって聞こえる感じが強い。広ければ良いではなく好み。


### COMFORT

快適さの総合得点。

- 装着快適性:イヤーカップやアームとかの装着感
- 長時間快適性:長時間装着し続けての疲れなさ
- その他:ケーブルの取り回しなど

### VALUE

お得感の総合得点。SOUND、CONROTに対してお値段が見合っているか。

## 評価尺度

1(悪い)~10(良い)点方式。相対評価。最高得点をつけた機材と比較した減点方式。同率あり。

機材A: 8点 に対して、機材Bが明確に低いなと思ったら 7点をつける。機材Cが機材Aより劣るけど機材Bより明確に良いと思ったら、機材Cを7点をつけて機材Bを6点に降格する。というわけで絶対評価じゃない点に注意(SOUNDの5点と、COMFORTの5点は同じ尺度ではない)。10が最上位を表すランキング(10=1位、9=2位タイ、...)だと思って下さい。

# 評価

## Monoprice: Monolith M1060

SOUND:10, COMFORT:7, VALUE:8, TOTAL:25

音楽鑑賞・読書のお供のエースその1。オープンバック。

初めての平面磁気ヘッドフォン(Planar magnetic headphone)。日本で正規販売されておらず輸入代理店を通すと1万円くらいお高いので Amazon.com から $299 で購入。


【SOUND】爽やか。あらゆるジャンル音像をとてもいい感じに鳴らしてくれる。空間的、高解像的で驚くばかり。

【COMFORT】ぶあついパッドで耳周りは快適。かなり重たい(500g)のでそれなりに疲れる。ケーブルが素直なので扱いやすい。

【VALUE】(たぶん)ハイエンド級の入り口に匹敵するパフォーマンスを $300 で得られるのは破格。

あなたが神か。これを手に入れたことによってこの先は10万円級のハイエンドしかないことが実感できたので、有線ヘッドフォンの衝動買い軍拡競争に終止符が打たれた。

## Sony: MDR-Z7M2

SOUND:8, COMFORT:6, VALUE:6, TOTAL:20


音楽鑑賞・読書のお供のエースその2。クローズドバック。

購入時の価格は約65,000円(税抜)。フラッグシップモデルMDR-Z1R(20万円!!)の廉価版的仕様のモデル。10万円級のハイエンド品は聞いたことがないので現時点での最高級品がこちら。

【SOUND】重厚。総合的に体験がよいMonolith M1060が不動のエースで、クローズドバックな気分なときにMDR-Z7M2が登場する控え的存在。密閉感が活きるコンパクトでメリハリの強い音源はこちらで聞きたくなることがある。トータル音質や解像度は開放的なMonolith M1060が一歩リード……か。

【COMFORT】重厚。ぶあついパッドで耳周りは快適。やや重いため(340g)長時間では首が疲れるのはやむなし。重量級でありながら頭頂部への負担が少なめなのもありがたい。Sony独特のケーブルは変な癖がつきやすく取り回しが悪いのが欠点。

【VALUE】Monolith M1060を$300で手に入れてしまってから考えるとお値段は割高感ある。


## audio-technica: ATH-WS660BT BRD

SOUND:4, COMFORT:8, VALUE:7, TOTAL:19

先代の社畜場Bluetoothヘッドフォン。クローズドバック。現在は退役。

約 12,000 円。40時間再生可能。ノイズキャンセリングなし。

【SOUND】社畜場で前はイヤホン(Apple BeatsX)を使用していて、やっぱイヤフォンはいまいちだわとて ATH-WS660BT を購入。イヤフォン→ヘッドフォンへの視聴体験の劇的な向上に感動。ポータブルクラスとしては大きな53mmドライバーと“SOLID BASS”の名を関する心地よい重低音に大いに満足していた。

【COMFORT】頭頂部が痛かったのでアームを巻くグッツを購入して改善。軽量で快適だが流石に2時間つけ続けるとかなり疲れる。社畜業ではちょっと疲れたくらいで休憩するがでちょうど良いサイクルである。

【VALUE】Apple BeatsXからチョイ足しした価格でこの体験はたいへんコスパがよいじゃないかと満足していた。

【TOTAL】と、全体的に高評価で愛用していたのだが、自宅でヘッドフォンを使って深夜読書する習慣を始めたタイミングで DT-990 を再評価したり MDR-Z7M2 を買ったりしたあとに出社して ATH-WS660BT で音楽を流すと悪い意味で世界が変わってしまった。

## audio-technica: ATH-M50xBT

SOUND:8, COMFORT:8, VALUE:8, TOTAL:24

現在の社畜場Bluetoothヘッドフォン。ノイズキャンセリングなし。クローズドバック。約 25,000 円。再生時間は約30時間。Sony: MDR-Z7M2などミドルクラス品の音質に耳がなれてしまうと ATH-WS660BT がちょっとつらくなってきたため、ワンランクの上位品を求めて購入。

【SOUND】ATH-WS660BTから劇的に向上。Monoprice: Monolith M1060やSony: MDR-Z7M2に比べるとドライで平面的なところがあるが「劣っている」とはほとんど感じない。ATH-M50はスタジオモニターヘッドフォンなのでフラットな味付けになっている。

【COMFORT】ATH-WS660BTより一回り大きくて重いけれど、アームの面積が広いのと側圧がちょっと強く耳と頭頂とで荷重がほどよく分散されてよい感じ。

【VALUE】有線のATH-WS660が約20,000円なので無線代が5000円。20,000円のヘッドフォンとしては十分満足できるコスパ。

【TOTAL】ずっと SENNHEISER Momentum 3 Wireless が欲しい欲しいと思っていたけどやっぱり 50,0000 円は高価過ぎるので半額の ATH-M50xBT を選んだが結果オーライだった。ノイズキャンセリングは不要だよって人にはとても推薦できるワイヤレスヘッドフォン。

## audio technica: ATH-R70x

SOUND:8, COMFORT:10, VALUE:7, TOTAL:25

自宅用の控え。オープンバック式。

【SOUND】ヘッドフォンの音質にはさほどこだわっていなかった長年に渡って代々使い続けてきたaudio technicaのオープンエアシリーズ。超リッチな体験を経てしまうと力不足と軽さは否めない。オープンオブオープンとも言える開放的な音で旨味が周囲に逃げている感じはある。と、舐めてかかりつつ改めてしっかり聞いてみるとゆうて劣っているわけでもない。

【COMFORT】超軽量&超快適。何時間でもつけていられる。音楽メインじゃなくて長時間の作業やゲームのお供に最適。

【VALUE】モニターヘッドホンの位置づけでフラットな音質、オープンエアの徹底的な爽やか音像、軽さと快適さにけっこうな価値を置かないと 40,000円近いお値段はお得ではないかも。やっぱりお金をかけるからにはゴージャスなリスニング体験が欲しいよね派であればMonolith M1060が最強。

【TOTAL】外音がよく聞こえるオープンエア式を活かして、作業ゲームの作業(例:ハクスラゲームの周回)をしているとき、スピーカーでゲーム音を流しながら、iPadにATH-R70xをつないで音楽を聞いたりしている。うっすら必要なゲーム音が耳に入りながらゲーム音とは分離した音楽がしっかり聞こえる。快適。というニッチかつ代替不可能なポジションを得た。


## SONY: MDR-1A

SOUND:6, COMFORT:7, VALUE:5, TOTAL:18

先代の寝床寝入り用ヘッドフォン。現在は退役。クローズドバック式。

寝床寝入り音楽用には長らく iPhone 標準イヤホン(第2世代)を使っていたが、ふと(ATH-R70x、DT-990らとの競争に負けて)タンスに眠っていたSONY: MDR-1Aを取り出してきたら激変。あるていど左右に傾けたイヤホンと違って、姿勢は仰向け真上に固定されてしまうが、うとうとするまでの時間が格段にリッチになった。アリガテー。

【SOUND】ポータブルながらモニターに近い調整なので堅実な音。

【COMFORT】寝て使ってるので重さや頭頂部の疲れの観点では評価なし。ポータブル品なのでそこそこ快適だと思われる。Sony特有のケーブルが変な癖が付きやすいのが欠点。

【VALUE】やや高い。

【TOTAL】Monoprice: Monolith M1060の購入によりポジションを失った DT-990が玉突き的に寝入り用ヘッドフォンの座について、MDR-1A は再び退役となりました。決して悪くないヘッドフォンだしポータブルだしで、どこか場所を得たら真っ先に声をかけるやつ。

<追記:声をかけました>


## beyerdynamic: DT-990 PRO

SOUND:9, COMFORT:9, VALUE:9, TOTAL:27

現役の寝床寝入り用ヘッドフォン。オープンバック式。audio technica: ATH-R70xと気分で使い分けていたエースであったが第二次ヘッドンホブームの軍拡に押しやられて寝入り用へスライド。元より高性能なので寝入り音楽体験がさらにレベルアップして大満足である。

【SOUND】大好き。リスニング体験としてはATH-R70xより好き。オープンバックとは思えない低音の鳴りが音量小さめでも心地よいのは特筆。Monolith M1060でも「何か鳴ってるな」くらいだった重低音のJazzベースがDT-990 PROだと音階が聞き取れたりと秀でている。逆にゴチャゴチャシャリシャリした音楽はATH-R70xのほうがバランス良く手広く鳴らしてくれる感じ。

【COMFORT】たいへん快適。軽い。イヤーカップもちょうどいい。さすがにATH-R70xほどじゃないけど長時間もらくらく。しかしケーブルが1メートルと短いので不便な場合がある。

【VALUE】圧倒的。キングオブコストパフォーマンス。ひごろ数千円級のヘッドフォンを使ってて、ちょっとだけバージョンアップしたいってニーズがあれば(+オープンバックの音漏れOKが環境であれば)前のめりで推薦する逸品。

【TOTAL】こうやっていろいろ聴き比べる過程で再評価がうなぎのぼり。寝入りだけにしておくのがもったいない。休日の起きるか起きないかだらだらした時間の気付け(が、メタルとの相性はそんなに良くない)や賢者タイムの一服など寝床周りの音楽体験をリッチにしてくれている。後継・上位機種のDT-1990がどんなものなのか気になって仕方がない。

## SHURE: SRH940

SOUND:6, COMFORT:4, VALUE:3, TOTAL:13

ATH-R70x, DT-990 PROに敗れ去り退役。SOUNDはぜんぜん負けてないんだけどCOMFORT面ですぐに頭頂部と耳が痛くなっちゃうのと、折りたたみギミック部分がすぐ壊れそうなか細さで扱いにくくて惜敗。

## YAMAHA: HPH-PRO300

SOUND:3, COMFORT:3, VALUE:3, TOTAL:9

オンイヤー型。デザインがサイバーで衝動買いしてしまったものの、オンイヤーは無理だった……。

## Sennheiser: PC 360

SOUND:5, COMFORT:6, VALUE:5, TOTAL:16

ゲーミングヘッドフォン。マイクを跳ね上げるとミュートになるギミックが当時は唯一だった(ような)。耳元にボリュームダイヤルもついていて便利。Counter StrikeライクなとあるFPSゲームをそこそこ真面目にプレイしていて、ボイスチャットしながらクラン戦(エンジョイ系のクランだったのであまり長続きはしなかった)なども楽しんだときの愛機。それ以降は出番がない…涙。ボリュームダイアルは頻繁に使っていたら接触が悪くなったのがマイナスポイント。

## Kingston: HX-HSCRS-GM/AS

SOUND:4, COMFORT:5, VALUE:5, TOTAL:14

PUBGが大流行していた時期に、銃声や足音などしっかり聴くためにUSB DAC+ゲーミングヘッドセット機能を持つこれを購入。マイクが固定式で跳ね上げたり位置を微調整できないのが欠点で、当面ボイスチャットをする予定がなかったので取り外してそのままどこかへ紛失してしまった。しかし肝心のPUBGがまったく長続きせずそのまま実質退役に……。

## SONY: WI-1000XM2

SOUND:7, COMFORT:7, VALUE:5, TOTAL:19


首掛けワイヤレス式イヤホン。Sonyの強烈なノイズキャンセリングが効く。音質もよい。イヤホンはもっぱら通勤など移動中の音楽のためだけに使用するため正直音質にはあまりこだわりがない。しかもイヤホンの場合は本体の性能より自分の耳に最適なイヤーチップを選んだほうが断然効果が上がるため比較評価が難しい。WI-1000XM2も、付属のイヤーチップが全部いまいちで、コンプライ製に換装して真価を発揮した。ノイキャンを最強に聞かせた上で相性の良い(3,4人で演奏するJazzや、パート数の少ないエレクトリックなどの隙間の多い音楽)を選んで使うと移動中でもヘッドホンに負けない音楽体験ができるとちょっと気づいて評価が上がっている。

これが最強のイヤーチップ。

【注意】差込口のサイズ、本体のサイズがいろいろあるので、換装対象のイヤホンに適合した商品を選んでください。


## Apple: BeatsX

SOUND:4, COMFORT:8, VALUE:8, TOTAL:20

首掛けワイヤレス式イヤホン。ノイズキャンセリングなし。イヤーチップはコンプライ製に換装。SONY: WI-1000XM2導入前までは通勤など移動中に使用していた。いまは主にリングでフィットするアドベンチャーをプレイしながら iPad から配信や動画とかを聞く用途に特化。リングフィットの音も取り込みつつiPadからのコンテンツをオーバーレイできるので重宝している。約1万円と(このエントリーのラインナップの中では)リーズナブルなのでvalue得点高し。

## SHURE AONIC 50

SOUND:8, COMFORT:8, VALUE:6, TOTAL:22


# まとめ

優勝:Monoprice: Monolith M1060

コスパ部門賞:beyerdynamic: DT-990 PRO

ワイヤレス部門賞:audio-technica: ATH-M50xBT

イヤホン賞:Sony: WI-1000XM2

Monoprice: Monolith M1060によって有線ヘッドフォンはしばらく更新不要となった。寝床用に鎮座した DT-990 PRO の地位も不動だ。

無線は現在 audio-technica: ATH-M50xBT がエースだけど、最近出た Shure Aonic 50 とか、そろそろ出そうな Sony WH-1000XM4 とかノイズキャンセリング方面の優秀な奴に惹かれている。一時期買う寸前まで物欲が高まっていた SENNHEISER Momentum 3 Wireless は日本の Youtube が試供品を提供されて絶賛してるだけで海外の第三者的レビューサイトでは冷静な受け止めだったので落ち着いた。メディアも含めて日本語ソースのレビューはほとんど役に立たないことが(いまさら)分かって勉強になりました。

イヤホンについては今のところこだわりがないので Sony: WI-1000XM2 で不満は特にない。2020年に入り業界は完全ワイヤレスイヤフォンの軍拡競争に入り Sennheiser: MOMENTUM True Wireless 2、Technics: EAH-AZ70W やらなんやら、ポスト Apple: AirPods Pro VS Sony: WF-1000XM3 時代の雄が次々あらわれている。……のはしばし様子見いたします。

ソンジャーネ

# 追記

Monoprice: Monolith M1060 とポジションがダダカブりしてしまい居場所がなくなってしまった Sony: MKDR-Z7 M2 は売りに出しもうした。


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