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Art-School 木下理樹の使用機材、音作りについて

人に訊ねられたら好きと答えるバンドはそこそこあるが、信仰や敬愛という言葉の方が合うバンドは片手で数える程度しかいない。

そのうちの一つがArt-Schoolだな。

色々思うこともあるだろうが、事実として曲に救われたこともあるし、めちゃくちゃ好きなんだから仕方ない。

しかし、ネットサーフィン(もはや死語か?)をしていると全然みんなArt-Schoolの音の話してなくない!?
特にボーカル、ギターのリッキー(木下理樹氏)の機材やギターサウンドの話してなくない!?


じゃあ、俺がするしかねぇな!


(普通に見落としてる可能性も大いにありますので、話してる方がいらっしゃったら先に謝ります。すみません。
なおトップのフライングVは自分の物です。)
※新たな気付きや発見等あれば、随時更新&訂正をしていきます。

Art-School 戸高賢史の使用機材、音作りについても書きましたので興味ある方はこちらもお読みください。

・ギター

Gibson Flying V

https://www.instagram.com/p/BhtK_JsB6y9/?igshid=MDJmNzVkMjY=

これはまあ、言うまでもないかもしれない。
Combatによって、テセウスの船の如く改造を施されたとされる板バネのトレモロを取り付けたエボニーカラーのフライングV。
リッキーの、ひいてはアートスクールのトレードマークとも言えるだろう。
この個体は2008〜09年頃に購入したそう。
弦のゲージは10-46とのこと。
こちらを長年メインで使っていたが、2018年9月からは近年製造のフライングVを使用。

https://www.instagram.com/p/BoI9DI8A8ku/?igshid=MDJmNzVkMjY=

なお2017年6月から体調不良で活動休止するまでは
Fender American Professional Jaguar Antique Oliveを使用。

https://www.instagram.com/p/BVi6chHBfwi/?igshid=MDJmNzVkMjY=

2シングルピックアップだが、ギターマガジンのインタビューにてピックアップ配列を擬似ハムバッカーにできるギターなのでパワー不足は感じてないと発言。
実際にはシンプルにリアピックアップで基本的には演奏をしている。
誰かに譲ったと言ってた気がする。

また過去の映像を観ていると、結成初期にはCombat製の白いフライングV(これも板バネトレモロ付き)、2005年のツアーではトディ(戸高賢史氏)のFender Telecaster Deluxeも使用。
その他、サンバーストのGibson フライングV(ヘッド裏よりリミテッドエディションと思われる)も使用していた時期もある。

追記:2023年6月25日のluminousリリースツアーでのメインは近年物のフライングVなのは変わらず。
しかし!
トディボーカル曲、“Heart of Gold”にてFender American Professional Jaguar Antique Oliveが登場!
でも!!!
トラブルにより退場し、フライングVに……
音を聴けず残念だったが、手元にあることが確認でき嬉しかった。

アコースティックギターはTaylorやスロテッドヘッド仕様などからTakamineのPTU441 Nと思われるものやメレンゲのクボケンジ氏から譲り受けたK.YAIRIのエレアコも使用している。
ただアコギの知識は薄いので深くは語れない。

コピーにあたってフライングVを買った俺だからこそ言えるが、音だけに関して言えばフライングVを用意する必要はない。
手頃な値段のフライングVもなかなか無いし。
音だけ聴いてると個人的にはGibson系でハムバッカーを搭載している必要もあるか……?と正直思う。
ただ、少なくともリアポジションにハムバッカー搭載のギターを用意した方がいい。
なおハチャメチャにハイパワーなピックアップだと、後述の音作りで苦戦しそうな気がするので程々の出力のもので。

ちなみにピックは2022時点ではJim Dunlop Tortex Triangleの.88、おにぎり型緑の亀。
2005年頃はJim Dunlop Tortex Triangleの.73、おにぎり型黄色の亀も少し使っていそう。
ストラップはFenderのモノグラムストラップを長年愛用していたが、ジャガーを使い始めた頃からPlanet Waves PWS100に変更。
ケースはProvidence TCV-1だったはず。
2022年時点でのシールドはOYAIDE QAC-222G。

・アンプ

これは時期によりかなりの変遷がある。

初期(初期メンバー脱退以前)はMarshall JCM900が恐らくメインアンプ。
最初期(2002年頃)はPEAVEY 5150を使っている。
フライングVとアンプのチョイス、どう見てもハードロックやメタルが好きなのが丸分かりで好感が持てる。

中期(Paradise LostやFloraの時期)はFender Twin Ampで固定。
アンプで歪ませてる旨の発言がある。
インタビューではMarshall JCM2000も持っていると言ってるが、映像では確認できず。
2013年頃や2014年のYOU リリースツアーではMarshall JCM800を使用。

後期というか2009年以降から最近(2022年)ではRoland JC-120やFender Twin Reverbも場合によって使い分けている。
インタビューにてJC-120のクリーンが好きで別のアンプでもJC-120のサウンドを目指して音作りをしていると発言している。

https://www.instagram.com/p/BgdBHfmBeFS/?igshid=MDJmNzVkMjY=

ひとつだけ映像でOrangeのRockerverb 50C?AD30TC?を使っているのを見つけた。
何故???何があったのか聞きたい。

追記: 2022年12月24日のライブに行ってきた。
Fender '65 Twin Reverbを使用。
ノーマルチャンネルの1番にインプットしていた。
ブライトスイッチはオフで、ノブ位置は恐らく
ボリューム2、トレブル4、ミドル6、ベース6くらいかと思う。

追記:2023年6月25日のluminousリリースでもFender '65 Twin Reverbを使用。
しかし前回観た際とは異なり、ビブラートチャンネルの1番にインプットしていた。
ブライトスイッチはオフ、ノブ位置は恐らくボリューム2、トレブル、ミドル、ベース全て4.5くらい。リバーブなどは0。
ややミドルが他のEQよりも高めかもしれない。

コピーにあたって使うアンプは、つまるところなんでもいい気がする。
初期はリードギターのOJ(大山純氏)と比較すると音量が大きく、トディ加入後はリードギターよりも控えめな音量になっている。
そこを加味しつつ、初期のようなグランジニュアンスのある荒々しさを求めるならMarshall系のスタックアンプでクランチセッティング、中期のやや落ち着いた雰囲気を求めるならFender系でクランチセッティング。
最近の雰囲気に寄せるのであればJC-120などのクリーンアンプ。
出したい雰囲気でアンプを選ぶもよし、用意できるもので近づけるもよしかと。

・エフェクター

難しい。
全然誰も初期の足元に言及してない。
映像も全然足元が映らず、わからない。
情報求む。

BOSS TU-2
BOSS GE-7
Electro-Harmonix Big Muff π USA
BOSS RV-3
は恐らく足元にある。
Marshall JCM900のクランチにGE-7でブーストか……?
またEVILのジャケット裏にてMAXON ROD881を確認。

2005年Paradise Lostレコーディング時は
Fender フットスイッチ(レコーディングアンプがビンテージのTwin Reverbのため恐らくリバーブ/トレモロのオンオフ)
BOSS TU-2
BOSS GE-7
Danelectro FAB TONE
Electro-Harmonix Small Clone
BOSS RV-3
SNARLING DOGS BAWL Buster Wah Gold

Paradise Lostツアー時は
Fender Twin Amp用フットスイッチ
BOSS TU-2
BOSS GE-7
Electro-Harmonix/SOVTEK Big Muff π アーミーグリーン
Electro-Harmonix Small Clone
BOSS RV-3

2007年Floraツアー時は
BOSS TU-2
lbanez TS9
Electro-Harmonix/SOVTEK Big Muff π アーミーグリーン
Electro-Harmonix Small Clone
BOSS RV-3
Digitech Whammy4

Google検索すると出てくる機材は2013年の年末頃を基にしたもので、
2ノブのNeunaber Technology CHROMA CHORUSやElectro-Harmonix Holy Stainなどがいる。
また歪みはMarshall JCM800をカスタム品のオーバードライブでブーストしてるらしい。
このカスタム品のオーバードライブの詳細がわからないが、雰囲気的にはLeqtiqueっぽいか……?
というか筐体の色味的にPhantom FxとShun NokinaコラボのBELLsなようにも思える。
またHoly Stainはファズとルームリバーブとして使用。

2016年7月時点では
Xotic EP booster
Electro-Harmonix Nano Big Muff π
Mad Professor Sweet Honey Overdrive
TC Electronic Flashback Delay
MXR Carbon Copy
Electro-Harmonix Mel9
パワーサプライはFree the Tone PT-1D

2017年頃のボードは中尾健太郎氏のInstagramの過去の投稿を見ればわかるので詳細は詳しくは割愛。

https://www.instagram.com/p/BVw7RjughUZ/?igshid=MDJmNzVkMjY=

EarthQuaker DevicesやらOne Controlやらが入ったり抜けたりと出入りが激しい。
Electro-Harmonix Nano Big Muff π、それのオペアンプバージョンやMad Professor Sweet Honey Overdriveも入ったり入らなかったり。

2022年8月時点では
One Control Tuner with BJF BUFFER?
Xotic EP booster
KING TONE GUITAR THE DUELLIST
One Control Rabel Red Distortion?
TC Electronic Flashback Delay
MXR Carbon Copy
パワーサプライはVatal Audio VA-08 MKii
と思われる。
?の部分はあまり自信がない。

追記: 2022年12月24日のライブで上記のペダル達がなにか判明。
ほぼ予想は当たっていた。
One Control Tuner with BJF BUFFER
Xotic EP booster
Demon FX THE DUALGUN
One Control Rabel Red Distortion
TC Electronic Flashback Delay 2
MXR Carbon Copy
パワーサプライはVatal Audio VA-08 MKii
DUELLISTじゃなくてDUALGUNなの、ビビったな。

追記:2023年6月25日のluminousリリースでは
One Control Tuner with BJF BUFFER
Xotic EP booster
StudioDaydream JRM-OD V4.1?
One Control Rabel Red Distortion
Electro-Harmonix Small Clone
TC Electronic Flashback Delay 2
パワーサプライはVatal Audio VA-08 MKii
?の部分は自信なし。
MXR Carbon Copyが抜け、Small Cloneが久々の登場。
オーバードライブも恐らくジャンレイ系になっているなど変化あり。

追記:2024年4月13日のSYNCHRONICITY’24では
参加してないので画像からの判断だが上記のluminousリリースツアーから恐らく変更なし。


後半のディレイセクションはここ数年は変わらないことが多い。
少なくともカーボンコピーはほぼ間違いなく入っている。
これは以前のボードで、パワーサプライが故障したことによりペダルのほとんどが故障したが、カーボンコピーだけは生き残ったので愛用しているとインタビューで語っていた。

コピーにあたっては、これまた何とも言いづらい。
初期は軽めのクランチ(本人はアンプでの歪みだが、ペダルでも問題なし)、しっかり目のオーバードライブとビッグマフの三段階の歪みに、適宜割と濃い目に癖のないリバーブをかけると近い気がする。
中期はこれにコーラスを足せば最低限のコピーは可能かと思う。
Whammyはノイズパートでしか踏んでなくない?と思うので、余裕があればどうぞ。

最近の感じであればあまりペラペラにならないオーバードライブ、例えばモダンなTS系と割と軽やかなディストーション、それにアナログディレイかリバーブは必要かもしれない。

・音作り

アンプが歪んでいる旨の発言は一旦無視した方が個人的にはやりやすい気がする。
基本的なアンプのイコライジングは名盤“Boys Don't Cry”のロリータキルズミーの始まりを参考に。
高音の抜けを重視しつつ、低音がすかすかにならない程度に削る感じか。
中期以降は全体的に控えめというか、バッキングとしてのポジショニングを意識したらいいのでは。
ダニー・ボーイのサウンドからクリーンは結構ちゃっきりとしたクリーン。

先日、スタジオに行く機会があったので自前のフライングVを久しぶりに持ち込んだ結果、初期の雰囲気を出すのであれば100WレベルのMarshallアンプ(スタジオではJCM2000を使用)をクランチにすると近い感じになった。
ただクランチといってもNumber Girl/Zazen Boysの向井秀徳氏のような攻撃的な攻めたクランチではなく、ほんのり歪む、優しく弾けばクリーンになる程度に止める方が吉だと思う。
でないとビッグマフを踏んだ時にヘッドルームの余裕がなくなって全然抜けなくなってしまうし、後段のリバーブ等の音が濁る。
ビッグマフのセッティングをわざわざ書く必要性は感じないが、あえて書くのであればサスティンとトーンを上げ目、ボリュームは適宜で。

中期もこの流れだと思うが、如何せん歪むFender系アンプを試す環境がないため、あまり言及はできない。
Paradise Lostツアー時はエフェクターから推察するにTwin Ampをフットスイッチでクリーンチャンネルのと歪みチャンネルの使い分けをしている。
そこにGE-7で適宜ブースト、より激しさが必要ならばビッグマフを足すような感じかと思われる。
Floraツアー時にはフットスイッチとGE-7が消え、TS9がいることからアンプは軽めのクランチ、TS9で追加のオーバードライブにしていそう。

後期以降の、アンプがクリーンであるならばエフェクターの項目で書いた通り、オーバードライブとディストーションの二段構えで臨むのが無難。
ビッグマフ系は本人があったりなかったりなので、言い切ることはできないが用意できるのであればあった方がいい。

コーラスは割と爽やかでエグくない程度にしておいて、逆にリバーブはDIVAのイントロを参考にしつつ、割と濃い目で。

まあ、弾き方によるので一概には言えんわな。

・最後に

従来の気質を活かして、Instagram等に投稿された写真や映像を参考にした。
果たしてこれらの情報を公に晒して、意味はあるのか?
少なくとも今後、自分で調べたい時の時短にはなると思うからよしとするか。

Instagramのストーリーに投稿された画像や雑誌の写真をここに貼り付けるのはモラル的にまずい気がしたので、興味ある方はコメントいただければ何かしらの方法でお見せします。

誤った情報も多い気がするので、ご指摘や正しい情報があればソース付きでお教えいただけますと幸いです。

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