高円寺という家と、共有家族 (暮らし・遊び・プロジェクト)

「街が家」という感覚に気づいたのが、アンプカフェはじめて3年後、28才の時。2011年の震災後だった。

それで、29才の時に、それまで借りてた家を手放して、高円寺の友人の実家や、仲良い夫婦の一戸建て住宅のリビングや、管理人として街の空き物件なんかを1ヶ月〜2ヶ月おきにホッピングしてトータル8ヶ月暮らしてみて検証。
家賃がわりに犬の散歩や食器洗いをしたりビル清掃したり、お金じゃないトレードで暮らした。

そんな暮らしの実験を通して、
「あー、いけるな、街は家だな」
って実感を得ていった。
(ちなみに、突き詰めるとぼくはいつも、自分の妄想を実感するために実験的なプロジェクトをしてるしそれは"遊び"だ。遊びでやってる)

ホームレスと居候生活に一区切りをつけたあと、その生活を通して街に案外空きスペースがあって探っていけばなんかしらの理由で一時的に借りれちゃうこともあると知った僕は、
街の空き物件でシークレットな展示会を始めた。2013ー2015年頃で、全部で六箇所で6回開催。

アンプカフェという、アンダーグラウンドだけど公然な場所と企画を目まぐるしく回す一方で、スコッターではないけどゲリラ的な、合法合意のうえで、普通はありえない非日常の儀式的な体験を秘密裏に仕掛けることに、のめり込んでいった。
情報公開しない体験の豊かな刺激は、マジで全身を痺れさせた。
僕はいまでも、自身の企画としての最高傑作はその展示企画の中のどの回か、だと思ってる。
アーカイブもないから、いくらでも美化して語れるわけだけれども。笑。
きっと当時少ない情報を辿って遊びに来てくれた人は、みんなそう思ってるんじゃないかな。

2015年にアートとコミュニティを掛け合わせたホテルをやりたいと考えてる、今まで会ってきた人達とは匂いの違う男達と出会った。
アート×ホテルはやりたくて、このメンバーでやれば実現できる。最高だと思った。
でも一番痺れて決め手になったのはタズが言った、「街型ホテルで銭湯が大浴場」って言葉だった。
街が家で、街はホテルで、我が家はホテルでもある。
アートとホテルは融合するか?という難しいと思えた課題にも、街型というコンセプトが加わることで社会的課題としてより大きな視点で取り組めると後押しされたし、なにより自分ごととしてさらに熱が入った。
自分が住んでる街がどんどんナチュラルに暮らしと遊びのフィールドになっていって、仲間も増えていった。
みんな高円寺に引越して来たりもした。素直に今でもそれはめちゃくちゃ嬉しい。

高円寺にBnAホテル開業のあと、mural(壁画)プロジェクトを通して、高円寺のコアな歴史やコミュニティとも関わりが生まれていった。これまで街に7点、大壁画を生み出した。 muralプロジェクトはやればやるほどコミュニティプロジェクトだった。

2016年か2017年に、友達の誘いで行った伊豆で出会ったナオさんやヨシくんから衝撃的な影響を受けた。拡張家族、というテーマワードも。(会いたいな〜)。渋谷シフトに住もうかも本気で悩んだ。

そのあと、2018年に、小杉湯と、小杉湯の隣にあったプロジェクトに参加した。銭湯が大浴場!を実現したかった僕らは晴れて実際に銭湯と繋がっていったんだけど、結果、そもそも小杉湯という歴史ある公衆浴場の周囲にある、ごく自然体な町のコミュニティを知ることになった。街が家っていう意識がすでに潜在的に、当たり前にそこにはあった。
小杉湯の隣ではじまった「銭湯暮らし」プロジェクトも、「銭湯のある暮らし」そして「街を家のように暮らす」というテーマを自然と掲げていった。

僕は実は、ちょっと、体調崩したことをいいきっかけにして、ホテルの制作ディレクションに追われていた日常から一月末頃に放たれ、2月あたまから寝室に引きこもりはじめていた。

そうしてるうちにそのまま3月、4月とコロナで世間が自粛期間に突入し、ますます長いこと、ほぼ寝室にいる生活をしている。
自分自身と、最低限触れ合う身近なひとや物事、場所と、ゆっくりと向き合う季節になっている。
ゆっくりと見つめ直すことで、いままで我慢してたことがたくさんあったことに気づき、それをとっぱらってパカーンと好き勝手を開放しても、僕の場合なんも問題ないと気づいてしまった。笑。

今この瞬間も、マジ気持ち良い。
だからこの調子を続ける。
妄想でユートピアを描き続けながら、お互い褒め称えあって気分をアゲあっていけばすごいことが出来ちゃうってわかってきちゃった。それを実証する遊びを続ける。飽きるまで。

高円寺は家で、街の仲間は家族だ。
好きとか嫌いとか、そういう次元じゃない。
これまでの家族とも違う、拡大家族、核家族の次にある新しい家族モデル、ぼくは共有家族って言っとく。
新しい、「家と家族」。
変人と思われながら10年かけて実践してきた。ようやく見えてきた。状況が整ってきた。

高円寺のインディな飲食グループ会社のコースケ君とかれこれ一年以上やってる、ご飯のサブスクリプションをスキルトレードで行うって実験を、あと三歩すすめてみよう。
オンラインのパラレル祭も、地域通貨も、寺子屋も、今やってることや準備してることが全部つながっていく未来が見える。
小杉湯となりから打ち出される新しい暮らしの提案もかなり面白そうだ。
みんなシンクロしてるから、根本がおなじ取り組みは一気に広まっていくだろう。

高円寺で、新しい時代の家族と暮らす生活のモデル、ぼくはそれを勝手にみんなのモルモットとして実験していくことにする。
それと、まずは年に1日だけ、高円寺で全員が1円もお金を使わないで遊ぶ祭りを実現させる。

"全く得体の知れない奴"に戻って始める。それがめっちゃいい。
やりたいこと、やりきってないこと、やんなくちゃいけないこと。いっぱいあってたまんない。でも心は穏やかに。

しばらくSNSが賑やかになるかもしれないので、ご注目ください。
純粋に遊びまくる様を!!
家族で宇宙いくぞ!! (宇宙の話もそのうち!)

それでは!!!!

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