フォトグレードとスラブinスラブとリホルダーと (当方の鑑定代行としての雑感)
スラブに入っていなくても鑑定されているフォトグレードなるものを見かけるときがあると思います。海外のオークションでたまに出品されている印象があります。
例えばこの財務省スラブですが、
PCGSが別途Certificateカードを作成してMS66という鑑定を出しています。
NGCも同じようなフォトグレードを見かけますし、財務省スラブではケースに鑑定結果を印刷したステッカーを直接貼っていますよね。
それを本チャンのスラブに入れようとすればどうなるでしょうか。。。
PCGSに問い合わせてみると、まずスラブinスラブ形態のデカスラブを提案されます。フォトグレードの数字はキープされるそうです。
このタイプのデカスラブを拝見したことがありますが、コインまでが視覚的に遠いんですよね。。。コインそのものと財務省スラブも同時に保存保証するという意図とのことですが、コイン鑑賞としては楽しめなかったです。
いやいや、スラブinスラブ形態ではなくて、フォトグレードの数字はキープしつつノーマルスラブにリホルダーできませんか?と問い合わせてみると。。。
できるそうです!
なるほど、じゃあ良いね!となりましたが、アレ?というコトがありました。
上記はPCGS USAからの回答でしたが、PCGS ASIAは数字がそのままキープできるかどうかは分からないとのことでした。工程としてはリグレードになるとのことで、再鑑定するようです。フォトグレードは資料として添付すれば考慮されますが、結果はどうなるか?分かりません。。。
同じPでもUSAとAsiaでは見解が違うようで、Asiaが言うには、フォトグレードには、"This coin was not examined outside of the holder. Therefore the PCGS Guarantees of Grade and Authenticity do not apply to this coin."という注意書きがあって、これが数字を保証できない要因とのことです。
これで思い出すのが、財務省ホルダーに直接NGCがグレーディングしているアレです。
"THIS IS NOT AN NGC HOLDER. THE NGC GUARANTEE DOES NOT APPLY."と明記されています。"THIS IS NOT AN NGC HOLDER. THE NGC GUARANTEE DOES NOT APPLY TO THIS COIN."と明記されているパターンもあります。
NGCによれば、"these coins are not in NGC holders, NGC cannot guarantee the grades it applies to these Japan Ministry of Finance coins."ということだそうで、数字を保証しないそうです。
フォトグレードもそうですが、実際に鑑定会社のスラブに入っていないと数字保証はできないと思っておく方がよさそうです。。。
上記のように個別に問い合わせると、リホルダーしても数字キープしますよと言ってくれる例もあるので、毎回確認を取ってから鑑定に出すのが良いかなと思いました。
ただ、数字保証はされないといっても鑑定会社の名前で付いている数字ではあるので、市場ではその数字で取引されている印象です。
なんだかんだで、鑑定会社の手の平の上ですなぁ。。。
それでも鑑定会社の数字に惑わされるコトなくコイン自体をちゃんと見ていかないとアキマセンな!自分に言い聞かせます。
財務省スラブのスラブinスラブを最初に見かけたときは笑ってしまいましたが、イギリスのTrial of the Pyxホルダーをそのままスラブに入れてしまうのも、えー?!となりました。
やはりオリジナルホルダーも保存保証対象ということなのだと思いますが、鑑定会社自身も実はダサいと思ってるんちゃいますの?なんて想像してます。。。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?