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NCS Conservation (コイン修復サービス)の実際(その5)

表面に派手にインク転写された銀貨をNCSに出してみました。
0.900Silverの個体です。

Before↓
説明書きを買いた紙片とコインを重ねておよそ30年置いておくと、このようにコインにインク転写されるようです。
インク自体の性質は分かりませんが、コイン表面がキレイ(なめらか)であればあるほど、転写される量が多くなるのかもしれません。

After↓
これをNCSにかけるとキレイに除去できました。

表面全体にうっすら付いていた曇りも除去されて、かなりアイアピールも良くなったと思います。ミントラスターもそれなりに見えるようになりました。

インク転写除去はかなり冒険だなぁと思っていたのですが、インクと銀貨表面は分離しやすいのかもしれません。。。
曇りが取れると下に隠れていたヘアラインが露わになりグレードに影響する場合がありますが、今回はそこそこでおさまりラッキーだったと思います。

NCSの成功例でした。

2024/10/3追記

NCSの事例として紹介されています。
タイトルの"Numismatic Version of Tattoo Regret"なんて、うまいこと言いますな!このターラーは1年前に依頼しましたが、事例としてNCSもよく覚えているなと思いました。
"how this transference exactly happened is a mystery."なんて書いてありますが、確かにそう思いますよね。真相は最初に書いた通りです。

この個体は年号面の年号が2度打ちになっています。
今から思えばミントエラーが狙えましたなぁ。

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