『成功も失敗もないけれど』

夕暮れどきの空を見上げていたら、ふと「子育て大成功だよなぁ」という言葉がこぼれ落ち、今は亡き父の顔が浮かんだ。

ホントに、そう思う。

経済的にも精神的にも、早々と自立することを余儀なくされたからこそ、今、何が起きても生きていけるんだよなぁとしみじみ思う。

中学生になった私に、「テメェのことはテメェでやれ」「何かをやる時にはリスクを負え」と叩き込んだのは父で。流石に我が子には同じ様にしないけれど……。笑

高校の学費もお小遣いも自分で稼いだ経験はかなり大きい。

学べること。
欲しいモノ。
時間の大切さ。

何を選択し、何を手に入れ、誰と過ごすか。

いつも、私は真剣だった。

同級生と同じように守られながら安心して暮らしたいと羨んだりもしたし、子供の私には出来ないこともたくさんあって、手放したり諦めたり、悔しい思いもたくさんしたけれど、その経験があったからこそ、何が起きても乗り越えてこれたのだと思う。

じゃなきゃ、とっくに気が触れていただろうし、娘ちゃんはこの世には居なかっただろうな……。

今、家族3人で笑って暮らせる日常があることがとてもとてもしあわせなのです。

そんな、ことを娘ちゃんに話たら、「ホントにそうだね！ここにも21年ものがいるしママも子育て大成功だね」ですって。

だから、心から「子育て大成功だよ」って父に伝えたいな。

脳裏に焼きついた恐ろしいシーンの数々も、今は、違った角度から観ることが出来る。
悲劇は喜劇にもなることを身を持って経験できたことは間違いなく私の強みとなっているのです。

過去や起きることをどう観るかは自分で決られるんだよ。それがわかると、生きやすくなるから人の心って不思議ね。