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500系に乗りに行った話

生まれてこの方車での移動が多かったのに乗り鉄になってしまった。長年の付き合いである友人に勧められた漫画のお陰である。出版社を幾つか乗り換え現在コミックウォーカー/コミックブリッジにて連載中の「青春鉄道」だ。首都圏の在来線と高速鉄道、一部私鉄を擬人化したこの漫画の一人のキャラクターにドはまりした。名を山陽新幹線という。

身長185cm体重74kgと程よく引き締まった体躯に整った顔立ち、鉄壁のイケメンを自称する割に我の強い東海道新幹線と九州新幹線の間に挟まれる苦労人、というのが彼の漫画での山陽新幹線の設定である。顔が良くて人がいい男がいたら私は大抵好きになるので、結局どぼんとはまった沼の底彼を愛でて愛でて愛で倒す事になる。しかし我々は遠距離恋愛であった。私はJR東日本彼はJR西日本、私が使っているのはPASMOで彼が使っているのはICOKA、ロボットとカモノハシ、遠い。

JR西日本の新幹線車両に500系がある。作中で彼が偏愛している設定なので私も好きになった。そもそも見た目がかっこいいではないか。カワセミにインスピレーションを受けたという流線型のボディ、カラーリングもお洒落で変形したら絶対かっこいいつまりカンセンジャー。そのカラーリングはプラレールになったりエヴァになったりキティちゃんになったりした。そして私はキティちゃんが好きだ。つまり乗りに行くしかない。

当日、あんまり興奮し過ぎて品川駅に着いたのは予定の一時間前だったし改札でおじさんにぶつかってあわや切符を取り違えるところだった。そそっかしい事この上ない。こんなところで謝っても仕方ないかもしれないが世の中どんな事があるのかわからないので謝りたい。おじさんその節は本当にすみませんでした。無事目的地に着かれた事を願っております。

新大阪駅で駅弁を買って待つ。ホームに車両が入ってきた時の記憶はもう成層圏まで飛び上がってしまったので可愛い以外の感情がない。逆にキティちゃんに対して可愛い以外の感情必要ある?座席の一つ一つにキティちゃんの家族のカバーがかかっていて、窓にも天井にもありとあらゆるところにキティちゃんがいる。使い古された表現だが可愛いの暴走特急としか言いようがない。可愛い。世界一可愛い。私は誰にでも世界一可愛いを使うがキティちゃんは世界一可愛いので仕方ない。

可愛いの暴走特急とはいえ種類的にはこだまなので各駅で止まる。勿論私は500系に乗りに来ているので全く構わない。これはこだまとかひかりとか余り関係ないのだが姫路城を車窓から撮った。だって駅から直ぐのところにあるんだもの。そして姫路はどの新幹線も止まるから速度がゆっくりになるんだもの。

博多駅でもキティちゃんが迎えてくれた。コラボカフェが作られていて、ソーダ味のパフェを頼んだ。青鉄本編でもっきり折られた500系バウムクーヘンも買った。キティちゃんの可愛い車両は今も部屋に置いてある。写真が殆んど残ってないのでこうやって書き留める事でしか覚えておく事が出来ない。しかしキティちゃんは世界一可愛いので問題ないのだ。

因みに翌日仕事だったので三時間滞在して夜行バスに乗って帰った。

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