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個人の所得対策その①

 突然ですが、余剰金を100万円増やす為に、売上をいくら増やせばいいのでしょうか?手元の資金というのは、ざっくりと収入から費用を引いたら所得。所得に税率をかけて所得税と住民税を計算する。収入から費用と所得税と住民税を引いたら、税引き後利益=通期の余剰金。借入がある人は借入元利金を返済して、残ったお金が通期の余剰金になります。

 例えば、収入が7,000万円、費用が4,200万円、所得が2,800万円。控除等は考えないとすると…
所得税が2,800万円×40%-税額控除-279.6万円=840.4万円。
住民税が2,800万円×10%=280万円。
2,800万円-840.4万円-280万円=1,679.6万円
ここから、余剰金100万円増やす為には?

100万円は所得税+住民税で合計50%が引かれた後の数字なので、2倍して200万円=所得。経費率は4,200÷7,000=60%。収入の40%が所得になる…ということで、200万円÷40%=500万円。

手元の現金100万円増やすのに、500万円売上を増やさなければいけない。

7,000万円を売り上げるのに4,200万円の費用が必要…という考え方に基づいたものですが、結構頑張ってもあんまり増えないものですね。
もちろん、業態によって利益率は変わりますが「頑張って売上を増やしても手元に残るお金は僅か…となれば税引き後の支出を減らそう」と考える節税ジャンキーみたいな人がいるのも何となく分かる気がしませんか?

 支出を減らそうとする気持ちは分かるのですが、昨年のドローン節税の規制のように、手軽にできるものほど一儲けを企む業者が必死で広める為に流行り易く、流行れば規制がかかる、といった具合です。
また、そもそもそれって節税になってるの?というケースもしばしば。
「節税策」導入前後でキャッシュは増えているのか。ここの検証をせずに、とりあえず今期は利益が多いから来期以降に繰り延べよう、という動きをされている方は多いのではないでしょうか…と言いつつも、そういった利益(にかかる税)の繰り延べも、間違いと断ずることはできないのでは?というのが私の意見です。
 手元のキャッシュを保っておくことは大事ですし、今は手元に1億円しかないのに5,000万円納税しなければいけないのを、5年後ならば5,000万円納税することは変わらないけれど手元に2億円ある、など。
こういう時にはこのために多少キャッシュが減ることがあったとしても、意味はあると思っています。
所得が急に上がった場合、3月に所得税を払い、4月に固定資産税を払い、6月に住民税、7月に所得税の予定納税、11月にも所得税の予定納税…と、けっこう大変になります。納税のストレスはかなりのものです(勿論個人差はあります)。
こんな例はどうでしょうか。
普段給料は年間1,000万円くらいだが今年は給料と報酬等で3,000万円になった。また来年1,000万円くらいに戻る、というようなケースでは、3,000万円に対する所得税をその翌年、住民税を翌々年に支払うことになります。
翌年は年収1,000万円くらい。翌々年も年収1,000万円くらい。
どうでしょうか?
3,000万円稼いだ年には当然キャッシュは増えますが、税を支払うのは翌年翌々年なので、意外と税負担がキツいという事態になりそうですね。
こういう時に、税負担の平準化あるいは繰延が出来ればいい、と考えるわけです。

 どうえしょうか?ご関心を持っていただけたでしょうか?
具体的に、どのような方法があるのか、次節で紹介して参ります。

お読みいただき、ありがとうございます。
差し支えなければ、フィードバックのほど、よろしくお願い致します。

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