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第14回クリエイターEXPO初出展の記録_準備編

2024年7月3〜5日、東京ビッグサイトで開催された第14回クリエイターEXPOに初出展しました。
酷暑のなか、たくさんの方にブースへと足をお運びいただき、お話することができました。お会いした皆さま、ありがとうございました!

開催2ヶ月前に突然申し込んで以降、ブース装飾に配布物、当日の目標設定に至るまで、クリエポ先人たちのレポートを参考にさせていただきました。
今後出展するどなたか…特に音声分野で出展を考えている方の一助になればと思い、何よりきっとゼロから準備するであろう来年の自分のために、こまごま書き残してみます。
まずは準備編です。長くなりますが飛ばし飛ばしお付き合いください。

↓申し込みまでの経緯をまとめた出展告知記事はこちら。


結論

出てよかったです。予想以上!いろいろあったけどずっと楽しかった!
準備期間が足りない焦りも、自分の商材への不安も、遅刻早退続きでずっとブースにいられなかった後悔も全部吹っ飛ぶくらい、人に出会えました。
3日間で名刺交換させていただいたほぼ全員と、具体的な商談をすることができました。商談会って商談の場なんだなあ…などとあたりまえの感想を持ってしまった。商談商談書きすぎですが、商談する機会も初めてで浮かれているためお許しください。
自分の営業スタイルとして、対面が向いていることを再認識しました。

目標

今回私が目標に設定したのは

  • ナレーションや音声制作、話す仕事のここでの需要をリサーチすること

  • 自分がこれまで「何処の馬の骨」として何をしてきたかを伝えること

この2点です。
今回、ナレーションやおしゃべり専業の出展者は私1人。なかでも、ナレーションはなんとなくイメージ湧くものの、自分のバックボーンであるラジオなどの音声番組制作分野については、ニーズがあるかどうかも見通せず…。当初は正直、この分野への需要はほぼないだろうと思っていました。
そこで今回は需要リサーチが第一、自分を売り出すのはその次。
でも売り出すならしっかり商品の特徴を伝えるぞ!と考えました。

今回のブース、最終形はこちらです。

カオス。

何はともあれパンフレットとキービジュアル

いくらリサーチ目的でも、音声を必要とする方の目に留まらなければ始まりません。番組制作やインタビュー、ナレーションなどの「見えない商材」を伝えるには、パンフレットとキービジュアルが不可欠と考えました。
島ノコタチ ART WORKS に制作を依頼。パンフのラフ描きと文章執筆・校正は私が担当、全体のデザインとイラストをお願いしました。
多くの案件を抱える氏に実質1ヶ月納期でお願いする仕事量じゃなかったことは、今回の出展を通じて最大の反省点です。本当に申し訳なかった…。
それでも自作することは考えられませんでした。ナレーション、インタビュー、番組制作といった商材を一目で伝えるキービジュアルがほしかった。さらに今回の出展において、ビジュアル面の「素人が手作りしたんだね」という印象は商材のノイズになると考えました。

何より、奄美を離れて独立した9年前、氏に作っていただいた名刺が、その後どの街でも、どんな状況の私も支えてくれたのです。
各地を転々としてきた経歴のややこしさ、商材の複雑さ、それぞれの土地への愛憎深さ、そして私のめんどくさい性格を理解した上でビジュアルに起こし、一緒に冊子にできるのは兄さんしかいないんです…!!と伏してお願いし、久しぶりに力を貸していただきました。

漢字の「紋」をマイクと人に見立て、
どの街も渡り歩けるようにという願いを込めてもらったロゴ。

島ノコタチ氏の構成コンセプトは「アヤウエノをパーソナルマガジンで紹介だー!」というもの。この構成に恥じないよう文章を練るなかで、私は「自分が何をやりたいのか」「どう伝えるか」に向き合うことになります。
これがまた一発で固められず右往左往…。ただ、ここで派手に行きつ戻りつしたおかげで「たとえ当日ナレーションの需要しかなくても、私は番組を作りたい…心の声がする…」「インタビューはやっぱり大切にしたい…!」という優先順位を定めることができました。
先人たちがおっしゃる「得意分野を絞った方が声をかけられやすかった」という経験談も頭の片隅に置きつつ、最後は心の声に正直に、自分のやりたいことを詰め込みました。

限られた素材を最大限に活かしていただいた。文章も細かく詰めました。

結果として会期中「ずっと社内向けに音声番組を作りたくて、誰か一緒に作ってくれないかと思っていて…」「映像向けに、和やかな雰囲気のインタビューをお願いしたくて…」というお声がけをたくさんいただきました!
自分が好きで取り組んできたことを商材として認めてもらえる、「それがほしいんです!」と求めてもらえるって、こんなに嬉しいものなんですね。
勇気出して打ち出してよかった。毎日励まされました。そしてやはり、ナレーションや司会のお話もたくさんいただきました。

自分の強みや大切にしているものを言語化して整理できたことが、準備期間の大きな収穫でした。正直、これだけで元が取れました(取れてはいない)。

さてパンフレットです。
入稿用データまでは氏に組んでもらい、6/28(金)夜に自分で入稿。
ギリッッッギリです。

カラーA4中綴じ冊子(パンフレット)
グラフィックで発注
8p・フルカラー / マットコート135kg / 400冊 / 3日納期
30,380円(税込)

紙質と厚さ、冊数は自分で決めました。ここでクリエポ先人たちの知見が大変参考になりました。肌馴染みのよいマットコートの仕上がりに満足。
当然ですが、納期が長ければ印刷コストは下がります。当初のデッドを大幅に超えた、ギリギリすぎる納期でした…。数は悩んで400冊。多いかなと思ったけどやっぱり多かったです。
とはいえ大きな間違いもなく当日に間に合ったので全て問題なし。問題があっても次考えればよし。初めてにしては上出来です。

タペストリー

表紙絵が完成した時点でイラストのみの画像データをいただき、並行してタペストリーを自作しました。
このイラストの良さを活かしたまま、背景ベタ塗りで目立たせられないか…と、素人が1日試行錯誤した結果がこちらです。6/26に発注・入稿。

上部の文字枠が3つとも、中心から左にずれている…

タペストリー
ラクスルに発注
B0サイズ縦 / 防炎テトロンポンジ 0.14mm / 片面カラー / 塩ビパイプ・白 /
データチェックお急ぎ便(オプション460円)/ 2日以内出荷(土日祝を除く)
6,884円(税込)

最初はCanvaで作ったのですが、塗り足し設定がうまくいかずに入稿を弾かれ続け、結局ラクスルのwordテンプレートを使ってPagesで仕上げました。
生地は扱いやすさを考えてテトロンポンジを選択。のぼり旗に使う薄い生地です。イラストを少し小さくして青ベタ塗りの面積を増やすか?などと考えたのですが、絵が大きい方がインパクトあったかも。色味はもう少しパキッとさせたかったな。今後の課題です。とにかく「間に合わせること」が最優先でした。

突然のポストカード

バラマキ用名刺を刷る予定が「せっかくのイラストだし、もう少しグッズらしいものを作りたいな…」と欲が出てしまってポストカードを作りました。しかも200枚。美術展でポストカードを買ってしまうタイプです。イラストレーターさんのポストカードにも憧れがありまして…。
確認したところ、冊子入稿日・6/28昼に発注しています。冊子の入稿まだなのに、完全に楽しくなっちゃったんだな…。印刷物ハイでしょうか。

白いね。宛名面には名前とサイトのQRとSNSのアカウントを。

ポストカード
グラフィックに発注
表面カラー裏面モノクロ / コート225kg / 200枚 / 3日納期
2,960円(税込)

いや刷りすぎた。近年は年賀状もこんなに刷りません。大量にあるので、今後お手紙を書きます。暑中見舞いかな。
ど真ん中には潔くキービジュアルを置いたはいいが、私の商材に関する情報はほとんど載っていない点も工夫の余地あり。クリエポにいらした人にしか何者かが伝わらない。まあそういうものだと割り切ればいいのかな…。
次回は、やっぱり個人情報を抜いた名刺を作ってみてもいいかも。
それにしても裏面のデザイン、シンプルだけど作るの楽しかったな。グッズ制作は今後も楽しみにしてしまいそうです。

先延ばしにしたパネルたち

離席札TAKE FREE札、そして先述したタペストリーまわりの装飾には、100円ショップの貼れるボード(A3)を使いました。
私はパネル作成をずっと放置していました。不器用なのです。貼る時にはシワを寄せ、切る時には必要なアーチを斜めに落とす自信しかなかった。
搬入前日、遠方から自宅まで会いに来てくれた元事務職の友人におそるおそる相談すると、ものの数分で紙を貼り、パネルを切って、離席札とTAKE FREE札が完成しました。事務作業は特殊技能ですね。すごいや。
また会期中は、私が次々に作るデータを持ったスタッフがビジターセンターで印刷してボードに貼り付け、足りなくなると買い足して翌日持ってきてくれました。本当にありがとう!結局自分では1枚も作っていません。持つべきものは器用な友人。できないことは人に頼る。大きな教訓です。

タペストリー周りには「VP」「Podcast」「社内ラジオ」「動画・音声広告」などのキーワードを適宜貼り付けました。Podcast、小さいな。

どれか一つでいい!刺され!の気持ちで作ったパネルたち。

装飾の反省点としては、壁面に貼ったパネルは養生テープをくるっと巻いて貼り付けたことです。おいおいお何年イベント屋やってんだ上野よ…。
養生テープを下地にしつつ両面テープで固定する予定だったのに、すっかり失念していました。緊張で頭が回っていなかったのでしょうか。
さらに、3日めの朝ブースに着くと、壁面パネルがほとんど床に落ちていて笑いました。お見せできない部分までカオス。

什器と幻の椅子カバー

ブースの最終形をもう一度。

混沌極まれり。

机の上にはボイスサンプル試聴用iPadヘッドフォン自分の作業用PC
パンフレットスタンドはクリエポ先人の知恵の塊です。通販で購入。
テーブルクロスは100均の薄いビニール布。足元隠しに必要でした。ただテーブル天板に布を敷き、ノートやパソコンの下でヨレるのが大変に苦手なので、前面と側面だけを覆う腰幕状態で固定。それでも結局よれたり伸びたりして見た目が悪かった。次回はビニールではなく、全体の色味に合う布を用意します。
離席札スタンド名刺スタンド、机上左手に立っている黒いボール紙製ファイルボックスは100均で購入。ボックスにはポートフォリオを入れて立て、底面をディスプレイとして使いました。ただ中身を入れるとグラグラするので、立てるならプラ製がいいかも。左手奥にあるグレー布も100均のテーブルクロスです。ダンボールのゴモゴモ隠し。

商談席には当初、薄い布製の椅子カバーを発注予定でした。しかし先述の通りとにかくパンフレット作業が押してしまい、気づいた頃には椅子カバーのデッドを軽々と過ぎていたのです。刷り物の基本、納期の確認。学びました…。来年は作れたらいいな…。

ボイスサンプルとポートフォリオ

ボイスサンプルはざっくりと以下を準備しました。
・手持ちのナレーションサンプルからバリエーション10パターンほど
・許可いただいた局の同録(フリートーク、中継レポート、街録など)
・Podcast番組の選り抜き3本程度

練習中のキャラものなど、ボイスサンプルになる手前のデモも入れました。
離席中はスタッフが扱うためiPadにまとめて整理。
・サンプルのお品書き
2日めの途中で要るなと気づき、その場で作ってプリントアウト。

ただ意外にも、声質やサンプルの話より先に具体的な商談をするケースが圧倒的に多かったです。商談の最後に、パンフレット裏表紙に載せたQRコードをご案内したり、後日メールにリンクを貼ったりしました。
ボイスサンプルって、目の前で聞く側も聞いていただく側も、互いに少しの気まずさがありませんか…。聴いた方が褒めるしかない状況もなんだか申し訳なくて「後で聴いてみてください!」とご案内しましたが、私がもっと自然に試聴をお勧めしてもよかったのかも知れません。反省。

・閲覧用ポートフォリオ
パンフレットとは別に、許諾をいただいた実績について詳しくA4クリアブックにまとめました。期間や内容、私の業務範囲など、ちょっと文章が多かったかもしれない。ひたすら書いた。
各地でお世話になった皆さんに、許諾に関するお願いを突然差し上げたにもかかわらず、快く許可をいただきました。励ましのお声がけまでいただきました。ありがとうございます!確かなことが何もなかった準備期間中「私は皆さんにお世話になりながら、各地でお仕事できたんだよな…」と、ずっと心強かったです。
…それなのに、今回はポートフォリオをほぼ使いませんでした。何故!!!
私の商材はイラストや文章などのビジュアル商材と異なり「実績を閲覧する」イメージがあまりなかったのかな。あと、出すタイミングを逃し続けたな。
それほど、お話を伺って打ち返すラリーで商談が転がった印象です。
ただ、パンフレット同様、ポートフォリオ制作を通じて自分の棚卸しができたのはよかった。今後しっかり活用します。
ご希望のお仕事先には、ポートフォリオの電子版(PDF)をお送りいたします。お気軽にご請求ください!

あとはこまごま

貴名受はクリエポ先人たちの知見です。遅刻早退が多かったので必要だと思い、通販で買いました。実際に数名入れていただきました。よかった。
自分の椅子用クッションも先人の知見。家では一度も使うことなく眠っていた低反発クッションでしたが、3日間いい仕事してくれた。お尻を大切に。
差し入れ用のアイマスクと無限えび&無限のりは、緊張のあまり2日目の午後までお渡しできず悔やまれます。商談のたびすっかり失念しました。
2日目後半からは「あの、突然ですがエビアレルギー大丈夫ですか?」と尋ねる不審者と化しつつ、暑いなかの塩分補給に差し上げました。
いただいた名刺を貼ってメモを書くためのノート&マステも用意しました。ただ商談中も商談後も書く暇がほとんどなく、殴り書きして名刺を貼るので精一杯でした。商談後もいそいそとノート整理しているとお客様に出会うのです。人の名刺を整理しているのはちょっと失礼か??などと思ってしまい、途中から整理も雑になってしまったのは反省。人によると思いますが、私の場合、iPadやPCのほうがメモを取りやすかったかもしれない。
カッターマット、両面テープ、養生テープ、ガムテープ、マステ、マジックなどの細々とした事務用品も用意しました。詳しくは割愛。

人を雇った

搬入日を含め4日間、都内在住の旧友にスタッフとして手伝ってもらいました。離席中の留守番をはじめ、こまごまとした対応のためです。富山の頃からずっと私の仕事について理解してくれていること、フットワークの軽さなどからお願いしました。
運営上の規定で1ブースに2人常駐できないため、遠隔で指示を出しました。やれビジターセンターでデータを印刷してパネルに貼ってだの、熱中症対策にクーリッシュを吸いたいだの、会場見学したいから店番変わってだの。
ブース装飾が未完でアラが多かったこともあり、いてもらえてほんとうによかった。パネルを貼ってくれた点だけでも雇った甲斐があります。
空いた時間には各種展示会を自由に見学してもらい、トークセッションに参加するなど満喫してくれたようで何よりです。

搬入日のこと

搬入日は12時半ごろ集合、お昼を食べつつ打ち合わせして13時半過ぎに会場入り。家から送った什器や展示物などのダンボール箱2点と印刷物が揃っているか確認しました。
納期ギリギリだったため、印刷物は全て会場直送です。発注時の送り先に、ビッグサイトの住所と展示会名、小間番号と名前を書きました。出荷時には日時指定できないケースが多いので、宅配便お届けメールが来た段階で設営日の午前中に日時指定。ほぼ全てブースに届いていました。設営中に届いたものも2つくらいあったかな。ありがたいです。
14時前に設営開始、16時半には設営完了しました。

順番前後しますが、こちらが設営直後。あっさり。

設営時の失敗談ですが、当初はパネル分割に合わせてタペストリーを左に寄せ、右側にはA3パネルで得意分野のキーワードを並べる予定でした。これで横幅ぴったりになるはずだったんです。
しかし!持参したS字フックが大きすぎたのか、中央の名前ボードと干渉してタペストリーを左に寄せられない。寄せようとするとボードが浮いて名前が見にくい。
諦めてタペストリーを中央に配置し、左右のスペースを埋めるべく毎日パネルを増設することに。「最終日に完成すればいいか」と思考を切り替えた結果、インスタレーションのようなブースになりました。
次回は小さなSカン持っていきます…。ビジュアルを寄せて2列で見せることが正解なのかはまだ検討中です。幅いっぱいのタペストリーにするかな…タペストリーの周りにボードを散りばめるの、意外と気に入っています。

おわりに

ひとまず搬入まで書きました。準備もの、特にパンフレットとポートフォリオのウエイトが大きかった…。6月中旬から直前まで、寝ても覚めても校正作業をしていた気がします。普段あまり出番のないスタイラスペン(Apple Pencilみたいなやつ)が、校正作業でブイブイ火を吹きました。
ボイスサンプルの準備よりビジュアルと配布物。手間をかけてよかったです。
次回は会期中のことを中心にご紹介します。
それにしても長い!お読みいただきありがとうございました。


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