舞台観劇記録(2023-No.012)
ノサカラボ 舞台「パ・ド・ドゥ」
10月28日(土)・29日(日)、昼・夜の各2回の全4公演のうち、28日の昼と29日の夜の回を観劇して参りました。
まずはいつもの如くキャスト陣など…
(敬称略にて、失礼をば)
関智一 :名塚健治
花澤香菜:日向草子
声だけ出演:
伊藤静・岩田光央・大塚明夫・高木渉
・野島健児・日髙のり子・水島裕・山寺宏一
(ニュースキャスター、芸能リポーター、裁判官、検察官、などなど)
(公式さんより、「公演ごとに違う組み合わせです」、とのこと。)
原作・脚本は、飯島早苗さん。
演出を、ノサカラボの座長の野坂実さん、とのこと。
物語りの内容については後回しにします。
恐らく、十中八九、ネタバレ込みになってしまうと思うので。
ですので、まずは脇をかためるアレやコレやらを。
直ぐ上に列記したことですし、「声だけ出演」について。
ノサカラボの常連、水島裕さん・山寺宏一さん・大塚明夫さんは…
過去にはラフイングライブなどもありましたし、触れるまでも、かな?(笑
ノサカラボでの共演が縁だろうな~って御人は…
岩田光男さんが、「アルセーヌ・ルパン#2『虎の牙』」で…
高木渉さんが、「アルセーヌ・ルパン#1『813』」かな。
で、伊藤静さん・野島健児さん・日高のり子さんは…
六合塚弥生に、宜野座伸元に、ドミネーター、だよね?(笑
狡噛慎也と、常守朱の、(中の人たちの)2人芝居でありますからして、その縁だろうな、と…そうであるならば…今後の再演があったなら…
霜月美佳(佐倉綾音さん)とか、須郷徹平(東地宏樹さん)とか、唐之杜志恩(沢城みゆきさん)とか…雑賀譲二(山路和弘さん)とか、禾生局長(榊原良子さん)などの”声だけ客演”とか…期待したくなるというものだな~、などと(笑:ほんと手前勝手なことを言っておりますw
それだけ十二分に豪華な面々で…しかも、公演ごとに役割を変更しているのだから、なんとも贅沢な彩りでありました。
気のせいかも?ではありますが、どなたの声も楽しそうだなと感じました♪
次は…小道具、か…
舞台上で使われた雑誌。しっかり作り込まれておりました。
他にも、関さん演じる名塚がとあるシーンで、怒りにまかせて当たり散らして公判資料を放る場面…これが客席に向けての記念品的な位置付で、これもかなり細かく作り込まれてて…私としては座席の妙で頂く事は適わずでしたが、心あるかたがツイッターで画像のお裾分けしてくれてますので検索してみて下さい。作られた方が上げてくださると嬉しいんだけどな~なんて。
(公式なものが上がってたら追記であげたい、とは思ってます。)
そろそろ物語りの中身、と思ったんですが…もう一つ、カーテンコールで関さんが語られて知ることになりました、本公演のきっかけについてを。
「アルセーヌ・ルパン#2『虎の牙』」の共演の折に、関さんから花澤さんに脚本を渡して誘ったんだとか。
そこで、個人的に興味が殊更にわきまして…色々とググったところ…
関さんが座長を務める劇団ヘロヘロQカムパニーで、2014年7月に上演してたことをつきとめまして…以下、そのアーカイブWebページなど。
また、共演された長沢美樹さん(ヘロQの旗揚げメンバーさんでもあります)のその当時のツイートを見つけたことをいいことに、喜び勇んで間違った情報(2人芝居なのに、ツイート内の出演者の列記から2人芝居ではないと勘違いしました)を含めた引用ツイートしたところ、有難くも正しい情報と共に訂正の引用ツイートを下さいまして…いやはや、ほんと恥ずかしくも嬉しい夜更けの私的一幕でありました///
その長沢美樹さんも観劇にいらしてたとのこと。そのツイートをばぺたり。
千秋楽カーテンコールで言及のあった、花澤さんが作ってしまった”貸し”への対価、客演の御約束…口約束とはいえ、ヘロQへの出演が期待されるところでありましょうか。
さて、そろそろ物語りの中身含めて所感的なことを綴っていこうかと。
ネタバレを気にせずに垂れ流して行きますので、平にご容赦を。
私の観劇した2回をごちゃまぜにしちゃうかも?
既に記憶があやふやになりつつあるので、間違ってるとこがあるかもです。
物語り冒頭、関さんの長台詞。
スマホ片手に、舞台上にいない相手との会話。
多少の説明口調はあるものの、通話の相手が想像できるような感じがするってのは…関さん、凄いなぁ。
その中で、YOASOBIの「アイ〇゛ル」を一部披露。権利関係はさっぱり不明なのでそこら辺についてのコメントは黙秘いたします(笑:頭文字Jなアレは呼ばないように。
(カーテンコールにて、この事もあって最近はヘビロテしてたとのこと。夜には何故か世代的にも馴染みの深い米米CLUBの「君がいるだけで」にとって換わられるものの、朝には戻っていたんだそうな。)
この時点での「弁護士の名塚」に対して私の持っていた印象は、”楽”を旨とする省エネタイプで相手によって態度を都合よくコロコロと変える様な…上辺をよく見られたい要領のよさそうな三枚目?くらいの感覚。よくもなく悪くもなく、そんな人も居るねって感じ。
拘置所にて接見することになる「殺人未遂の被疑者、草子」、自分は違うと主張する草子…演技の指示演出なのか、右を見る傾向あり?
確か、(行動)心理学だったかな?目線でどういう傾向の思考をしているかってのがある程度はわかるらしいけど、果たして…
演技に取り入れてるかは解りようもないよね(苦笑
無実の主張は虚か実か…様子見の1幕目はそんな感じ。
幕間、豪華な声だけ出演陣によるワイドショー的なサムシング。
演者さんたちの、すごく活き活きとした雰囲気を感じました(笑
2幕目は、公判に向けて少しずつ打ち解けていく2人。離婚した過去はあるものの、言うなれば共闘関係を構築するため、義務の様に。
名塚は、取り組むからには誠実に。草子は、その時間を、一緒に居ることを楽しむように。
幕間、初公判。罪状認否。
幕間後、3幕目。決定的に不利なコトが検察側からもたらされ、開幕から怒気全開の名塚に、それすらも楽しむかのような草子。(そう見えた)
有利に働くと思われた証拠すら草子の虚言によるものと”想定できてしまう”ことから名塚は疑心暗鬼に陥り弁護を降りることを決意するが…
そこから草子のターン。
草子からは必死のSOSと、過去の結婚生活の苦悩の独白。
ともあれ、ここの、花澤さんの長台詞が凄かったなぁ…
鬼気迫るものがあった。
根拠はないけど、冒頭の関さんの長台詞より長かったんじゃないカナ?
(初回の、2幕目のハプニングを経ていると、そのリカバリーに、ここを演じきって、文字通りの復活した花澤さんはマジすばらだった♪)
恐らくはここが、草子の最大の魅せ場だったと思う。
この独白が、白・黒ジャッジに多少は影響はあったかな、と…
両日とも黒が多かったらしいけど…色んな人の受取り方、気になりますな。
犯行の理由もこの後の辺りだっけか?
名塚は最終的に、危ない橋をわたってでも草子と共闘することを決意。
幕間、無罪を主張する弁護をはたす名塚。草子は被害者を愛していた、殺意はありえない、と…名塚の抱く正義の為、嘘をつく。
終幕は、被害者の意識が戻り公判が続くことを示唆し、名塚は共闘の決意は変わらず、といった感じ。
ここで草子が何かを語ろうとするも、名塚のスマホへの着信に遮られる。
ココなんよね、一番気になるとこ。
ここと、もう1箇所は、草子が何かを語ろうとした時に、名塚が「解ってる」と遮ってしゃべらせなかったシーンがあったはず。
この2個所で、草子が何をしゃべろうとしてたか…
ここでも草子に対する白か黒かの考えが大きく変わるかな、と。
個人的には、出てきてないであろう”真実”が色々と想定できてしまうので、安易に白黒を決めたくないってのが本音のところ。
例えば、草子が白として、言ってたことが虚言ではなく本当にあったことだと仮定してみる、とか。
例えば、草子が黒として、あの独白さえ虚言だと仮定してみる、とか。
個人的に、草子の動向で1番気になってるのは、お腹の子、のこと。
誰が相手なのか?望まれた子なのか?
想像したシチュの1つには、相手が被害者で、DVの果て望まない草子に対して強要(若しくは強〇)で身籠らせた説、とか。
もう1つは、途中に名塚の携わる案件の資産家の遺産相続に関連して、その愛人の1人に草子がいる可能性、とか。
もっと突飛なとこだと、つわりや通院記録さえ嘘で、想像妊娠って説。
あと、その身籠った子どもに対する名塚の反応については…個人的にはモヤモヤする…自分の時は要らないってことで双方合意→別れた後に自分ではない人との子を宿したことに憤慨→共闘することを決意後は一緒に護る、と…コロコロし過ぎてて…呆れてしまう。
あ~でも、独占欲を主軸にすれば、解らないでもないか…
草子の執着、とか…色々と開示されてない情報が多いこの物語り…
私が、白か黒かを断じるには材料が少な過ぎて…
あえて決めるなら…抒情酌量をもって、執行猶予付きの、黒、かな。
開示された情報を鵜呑みにしても尚、名塚を助けたいと思う故の行動と判断しても尚、”殺意をもって行動”したことは「黒」である、と。
「白」と断ずるには…正当防衛や、自殺未遂が…もしくは第3者の介入による他殺が、正しく本当に起こったことだと、そう裏付けるには…厳しい、かなぁ…
以上、長々と、ネタバレありでの所感等々でありました。
この2人芝居、再演・再々演と、永く続くことを期待しています。
それこそ、ジョン・ケアードさんと、井上芳雄さんと坂本真綾さん(上白石萌音さん)の、「ダディ・ロング・レッグズ」の様に、長年にわたるロングランにならないかな~なんて思っております。
ノサカラボさんの2本柱、山寺宏一さんと水島裕さんの「シャーロック・ホームズ」シリーズと、関智一さんと木村良平さんの「アルセーヌ・ルパン」シリーズ。この2本柱に負けず劣らずの人気公演になりますよ~に♪
蛇足その1(追記:20231106)
そだ!この物語りの台本!!
めっちゃ欲しいってこと、書くの忘れてた(苦笑
ノサカラボさん、グッズにレプリカ台本を追加して下さい!!!
もし適うなら、あのばら撒いた公判資料も、そのレプリカ台本の巻末に、加えて欲しいな~なんて♪
蛇足その2(追記:20231106)
観劇から大分経ちましたし、この記録を見に訪れる方も減ってるでしょうから、とあることについて、掻い摘んで記録に残しておこうかと。
匂わせることはチラホラと挟んでたけど、誤解の無いようにしないとね。
まずは先んじて、この蛇足が役者さんの苦労・努力・研鑚などなどを軽んじて蔑むような目的で書いていないことを前置きします。
舞台には魔物が潜む、とはよく言ったもので。
ことは、初日初回、昼の部の第2幕。当事者は、花澤香菜さん。
いわゆる、台詞が飛ぶ、というヤツが起こってしまいました。
手前勝手な邪推ですが、関さんが軽いアドリブを入れたように感じたので、それが起因して飛んじゃったんじゃないかな~なんて。
事細かに書けるほどには鮮明に覚えているわけではないのですが、途中で台詞が同じ場所を繰り返すようになり、関さんの機転(アドリブ)でトイレ(楽屋に戻り、台本を確認してくるように、といった趣旨、だね)に行ってくることに。
そこで場繋ぎに、関さんのアドリブ。スマホ片手に一人芝居。
自らも劇団の座長を務め永く舞台を続けてらっしゃる関さんの経験の為せる技、と言ってはあまりにも言葉足らずとは思いますが、ほんに見事の一言に尽きるシーンでした。
その見事なつなぎに、安心を得たオーディエンスから笑い声もあり。
その後、花澤さんが舞台裏から戻り、同じ辺りから再開。
するも、またも堂々巡り。
再度、関さんからトイレへ向かうようにとのアドリブ。
関さん、更にスマホ一人芝居でつなぐ。場が沈まぬように配慮した言葉選びに思えました。
そして再々開、するも、どうしても台詞がまわらない。
関さん、ついに「台本をもってこよう」、と。
そして、舞台裏からA3サイズの台本を持ち、花澤さん戻る。
そこからその幕の終わり際までは、花澤さんは朗読劇スタイルに。
関さんはそのまま舞台スタイル。
その後は落ち着きを徐々に取り戻し、テンポもノリも目に見えて復調していきました。たぶんその幕の終わり際にはもう台本を中央のテーブルに置いたまま手放してたはずです。なんせその幕の終わりに、関さんがローヤーズバッグに台本を他の小道具(雑誌など)と一緒に詰め込んでいましたから。
そこからの花澤さんはしっかりと復調し、魅せ場の長台詞もばっちり。舞台の終幕まで見事に走り切りました。
あと、詳細なタイミングはうろ覚えですが、確か台本をとりに戻るタイミング辺りで、ノサカラボの座長の野坂さんが、Aエリアの最前列に移動されたのが目にとまりました。
舞台が始まるあたりから音響関係のミキサー台っていうのかな?そういうのがある辺りにいらしたのを私の居たCエリアから見えていたので、ささっと移動したのも目端にとまってしまった次第。
演技をする上で、台詞をよく記憶し、そのキャラクターが何を想い、何を為そうとしたかを捉えながらでありますので…やっぱり役者さんは凄いな、と思うし…その上で尚、如何に稽古を積み重ねても、舞台の魔物に翻弄されてしまうのだな、と…大変貴重な観劇体験を頂いてしまったなと思う次第。
初日初回のカーテンコールでは、そのことを口にする前に言い訳なしに土下座をするあたり、当の本人が気にしてないはずもなく、でした。
また、千穐楽後のカーテンコールでの2日間終わっての感想あれこれで交わした関さんとの口約束、客演のことだったり…この”貸し”云々抜きにしても今後の糧となる舞台だったのではないでしょうか。
御二人の活躍、今後も耳目を離せません♪
(追記、終わり。5570文字に増やしても~たw)
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