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2024年 囲碁界年間スケジュール

今年も日本囲碁界の1年が始まる。特に今年は、日本棋院設立100周年の年であり、日本囲碁界が力を合わせて何とか次の100年に向けて囲碁の普及や普及に繋がるコアな活動を高めていきたい年だろう。

1.七大タイトルとスケジュール

囲碁のプロ棋士になると色々な棋戦の予選に参加できる参加資格を得られるのですが、多くのプロが目標となる棋戦があります。
それは、古くから棋戦が開催されている以下のタイトルを七大タイトルと呼びます。

1.棋聖戦 一力遼棋聖
2.名人戦   芝野虎丸名人
3.王座戦   井山裕太王座
4.天元戦   一力遼天元
5.本因坊戦  一力遼本因坊
6.碁聖戦  井山裕太王座
7.十段戦  芝野虎丸十段

尚、このタイトルの並び順は賞金額によって順列が決まっています。
このタイトルの内、棋聖戦と名人戦は2大タイトルと呼びます。
他の棋戦と異なり、リーグ戦と予選トーナメントで競って挑戦者を決めるため、この2大タイトルのリーグ戦入りする事で初めて一流プロの仲間入りとなります。

多くのプロ棋士は、この七大タイトルの予選に挑戦して、多くのプロ棋士を倒して、本戦入りしてリーグ戦入りや本戦トーナメントを目指す事になります。その上で、本戦のリーグ戦やトーナメントで優勝する事で、タイトルの挑戦者となり、そのタイトルを保持している対戦相手と5~7番勝負を実施してタイトルを争う異なります。

七大タイトルの1つを獲得するのは、プロ棋士になった方々の夢であり、目標です。

1-1.三国志状態に似た三強時代

現在のタイトル保持者とタイトル数をみると以下のような感じを受けます。

1.魏
   曹操: 一力遼棋聖・本因坊・天元
2.呉
  孫権: 芝野虎丸 名人・十段
3.蜀
  劉備: 井山裕太 王座・碁聖

という感じで日本囲碁界のタイトル戦争いでは、三大棋士がタイトルを独占し、それぞれ均衡した関係性があります。
今年この三国志状態の均衡が崩れるのか、誰かが勢いよく勢力図を塗り替えるのか、もしくは勢いある若手や中堅が名乗りを挙げてくるのか非常に今年の囲碁界も楽しみが多いです。

2.棋聖戦(1月~3月)

新年年明け後に開催される棋戦は、棋戦戦となります。

第1局  1月11日(木)~12日(金)
第2局  1月20日(土)~21日(日)
第3局  1月27日(土)~28日(日)
第4局  2月8日(木)~2月9日(金)
第5局  2月15日(木)~2月16日(金)
第6局  2月29日(木)~3月1日(金)
第7局  3月7日(木)~3月8日(金)

一力遼棋聖と井山裕太王座の七番勝負が1月11日から開催されます。
一力遼棋聖としては、三冠の一番大きなタイトルを死守して年内の勢いを維持していき、芝野虎丸棋士が保持している名人・十段や井山裕太棋士が保持している王座・碁聖のタイトルも狙い三冠以上を狙っていきたい。

井山裕太王座としては、過去10年以上三大タイトル全てに絡んできており、このチャンスを物にして井山時代をぶり返していきたい。

ここ数年間、一力 vs 井山 の大激突が継続していますが、2024年のタイトル戦においても最初に激突する二人です。

3.十段戦(3月~4月)

芝野虎丸棋士といえば、最近名人が板についてきた感じを受けますが、十段戦のタイトルフォルダーでもあります。その芝野虎丸名人への挑戦者を決める本戦トーナメントが工程の真っ最中です。

現在、ベスト8まで確定しています。

・藤沢 里菜 八段 vs 井山 裕太 王座 (1月15日対局)
・関 航太郎 九段 vs 余 正麒 八段
・山下 敬吾 九段 vs 一力 遼 棋聖
・伊田 篤史 九段 vs 許 家元九段(1月11日対局)

芝野十段を除いた三強横綱棋士の一力棋聖そして井山王座、三強に続く大関棋士である 関航太郎、余 正麒、許 家元がベスト8入りしています。そして、驚く事に藤沢里菜八段が女流でベスト8入りしており、来週11日に三強の一人井山王座と対戦します。

1月下旬までに挑戦者が決まり、3月上旬から4月下旬までに十段戦5番勝負が行われます。

4.本因坊戦(5月~6月)

三大タイトルの一つであった歴史の長い本因坊戦は、今年から棋戦の予算規模が縮小され七番勝負から五番勝負になったり、挑戦者決定戦も本戦トーナメント戦に今年から変更されます。
そして、七番勝負最後の本因坊戦を獲得している方が、一力遼棋士です。

2024年の本因坊戦は、現在本戦入りを決めるための予選が実施されています。例年本因坊七番勝負は、5月~7月の期間に実施されているので、4月から6月の期間に実施される可能性が高いです。

5.碁聖戦(6月~8月)

碁聖戦は、毎年6月下旬から8月上旬にタイトル戦が行われます。
現在のタイトルホルダーは井山裕太碁聖です。
2024年の挑戦権争いを競う本戦トーナメント戦は既に1回戦が開始されています。その中で注目の棋士を上げていきたい。

・苑田 勇一九段(そのだ ゆういち 関西棋院 御年71歳)
 苑田先生といえば、中央指向で手厚い棋風が特徴であり、団塊の世代そして団塊の世代Jrがお世話になった囲碁の指導が非常に上手い先生です。御年71歳での本戦入りは素晴らしいの一言です。

・小林覚九段(こばやし さとる 日本棋院理事長 御年63歳)
 小林覚先生といえば、言わずと知れた日本棋院のBigBoss。
 御年63歳理事長職で本戦入り、BigBossが何処まで若い棋士に存在感を示せるかが楽しみです。

6.名人戦(8月~11月)

現在、名人位を保持している棋士は、芝野虎丸棋士です。
名人位を2連覇しており名人位が板についてきた芝野名人は、今年防衛して3連覇を目指します。
名人戦は、予選リーグを勝ち上がった4名の棋士がリーグ戦入りして、残留した5名の棋士と合計9名の棋士と総当たりのリーグ戦を実施して一番勝敗の良かった棋士が、晴れて名人戦の挑戦者になります。

現在、名人戦リーグは既に開始されており12月末までに1回戦が終了しています。今月は1月8日早速2回戦の戦いが開始されます。

そして1月の対戦予定としては、
・余 正麒八段 vs 張栩 九段(1月11日)
・一力遼棋聖 vs 山下敬吾九段(1月15日)
・志田 達哉八段 vs 富士田明彦七段
が予定されています。

名人戦リーグは、昨年12月から開催されて8月まで挑戦者を決める熱い戦いが予定されています。今年の名人戦リーグは、日本囲碁界のベスト10の棋士がそのままリーグ入りしたような険しい戦いとなっており、リーグ戦からも非常に見応えのある棋戦となっています。

7.王座戦(10月~12月)

王座戦といえば井山裕太王座と言える位、井山裕太棋士の基盤となるタイトルとなっています。2024年は、1月11日から開催される棋戦戦が年初めとして非常に重要な棋戦になっておりますが、王座戦も4年連続10期目の王座獲得が掛かっています。
王座戦は、本戦トーナメント入りを掛けた予選の真っ最中です。
例年10月下旬から12月上旬に五番勝負が実施されます。

8.天元戦(10月~12月)

天元戦は、昨年三冠目を獲得に成功した一力遼 棋聖・本因坊・天元が初の防衛戦に挑みます。例年10月上旬から12月中旬まで天元戦が実施されます。
現在予選中で、本戦入りした棋士と本戦トーナメントを行い、挑戦者争いを決定します。

9.その他

来週1月8日から早速、名人戦リーグがLive配信されて11日は棋戦戦が始まります。
今年の囲碁界も7大タイトルを囲碁人全員で盛り上げていきたいです。
今年の見どころは、三国志状態の三強棋士である一力、芝野、井山の勢力図が年末にどのようになっているのか、この中に名前を挙げてくる新人・中堅は現れるのかが非常に興味深いです。

今年、三強棋士にとっては非常に重要な年となります。
三強棋士が他の三強棋士のタイトルを奪うと一強時代が到来する可能性が濃厚です。三強棋士の熱い戦いは既に始まっています。

アマチュアの2024年の大会やイベントも盛りだくさんです。

日本囲碁界の日本棋院100周年がより良き年になる事を祈っています。

ジークジオン!

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