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囲碁YouTube

インターネット全盛期の今では、20,30年前では考えられないぐらいのコンテンツが無料でYouTubeで視聴することができるようになっています。囲碁界でも同様にプロ棋士がYouTubeで自分のチャンネルをもち、囲碁の普及や収益活動に活かす事例が増えてきています。

囲碁を強くなりたいアマチュアの人達にお勧めの囲碁YouTubeに関して取り上げさせて頂きます。取り上げる対象はアマプロ問いません。

1.囲碁棋士 柳 時熏のGo Channel

【お勧めの対象者】全国大会を目指す人達。初段以上~六段。

【内容】柳 時熏先生と言えば、過去に天元・王座を獲得した名棋士の1人です。その柳先生が、中国や韓国のプロと1手10秒の早碁を対局し、その瞬間の思考と形や筋などを解説しています。対局終了後時にその対局を振り返りポイントを分かり易く説明してくれます。

【お勧めの理由】1手10秒と超早碁ですが、柳先生の手番の時に一緒に考えるととても勉強になります。とくに、石の形、石の方向、勝負の分岐点となる戦い所が分かり易く、視聴者が何段であれ集中して視聴すれば間違いなく棋力は向上します。

最近のAI流にも対応していたり、独自の布石なども実践しており面白いです。また、動画の時間も30分前後で集中して勉強するにはとても良い時間です。そして、動画の構成もとても視やすいです。

【感想】登録者は、2021/06/20時点で9150人ですが、柳先生には収益性の有無に関わらずアマチュアのために継続して欲しいです。時間はかかると思いますが、数万人規模のチャンネルになると思っています。

20,30年前であれば1回でもタイトルを獲った棋士の30分の講義を聴くには最低5000~10000円以上の参加費用が必要だし、それ以上に価値があるものです。それが、Youtubeで一流棋士の思考を無料で視聴できてしまうのだから凄い時代です。

2.日本棋院囲碁チャンネル【公式】


【お勧めの対象者】囲碁を好きな方。プロ棋士に憧れる囲碁キッズ

【内容】現在進行されている本因坊戦など数多くの棋戦及びその予選リーグなどをライブ中継しています。

【お勧めの理由】タイトル戦の中継は圧巻です。特に2日制の碁の終盤(18:00以降辺り)のタイトル者と挑戦者の様子は、必見です。一流棋士の盤上の雰囲気を感じるだけでも囲碁の素晴らしさを感じます。また、ライブ中継では、タイトル戦の検討や実況を担当している多くの棋士達がYouTubeに出演し、検討図や変化図を説明してくれます。

時間があるときは、リアルタイムで視聴するのも良いし、結果をだけを知りたい人は最後の終局間際をチェックすれば良いし、勉強したい人はその局面における詳しい棋士の解説を見直せばとても勉強になります。

【感想】タイトル戦の終局間際は激熱です。

3.女流棋士・飛田早紀の囲碁チャンネル

【お勧めの対象者】10級以上~六段。

【内容】関西棋院所属の女流棋士飛田早紀二段が、1手20秒の早碁の実践思考を対局しながら解説しています。

【お勧めの理由】柳先生のチャンネルと同様に実践の石の形に強くなります。動画の構成も見やすく、動画の時間も20分前後と適度な時間です。

【感想】囲碁Youtubeとしては、着実に成功していると思います。恐らく他の棋士よりもYoutubeの着手が早く、他の囲碁媒体の講座との兼ね合いも含めて囲碁棋士のセルフプロデュースが上手です。

4.プロ棋士 柳澤理志の囲碁教室

【お勧めの対象者】10級以上~初段。

【内容】詰碁や定石、実践布石などを日本棋院中部総本部所属の柳澤理志六段が解説しています。

【お勧めの理由】コツコツ頑張っているから

【感想】2021/06/21時点でチャンネル登録者数1.29万人と囲碁チャンネルでは健闘している方です。現在、視聴者のターゲット層とコンテンツの内容に迷われていると思います。もう少しターゲットを絞って体系化すると累積で伸びるはずです。

5.オンライン囲碁大学

【お勧めの対象者】10級~六段

【内容】囲碁に強くなる方法や最近良く打たれる布石・定石などを元院生の方が解説しています。

【お勧めの理由】アマチュアながら、アマチュアだからこそ伸び悩むポイントを熟知しています。そのため、ポイントを絞った流行り型の解説は秀逸です。プレゼンテーションが上手く、言葉の選べ方、喋り方、動画の構成が上手くこれから伸びる可能性があります。

【感想】視聴者層の的を絞ったり、動画を体型化したり、本人の出演したがりを抑え、長所のプレゼン資料に集中する。表現がしつこくなる時があるので簡潔にするなどの工夫と改善をしていけば、アマチュアながら囲碁YouTubeで上位に入るポテンシャルがあります。

6.その他

ざっくばらんにその他のチャンネルを紹介します。

鶴山淳志八段、林漢傑八段の爽やかな中堅棋士が送る囲碁チャンネル。若手棋士や林さんの奥様の鈴木歩七段も出演したりするので、今後に期待できそうなチャンネル。現時点では、視聴者層が絞れていなかったり、番組の内容の方向性を模索している段階なので、早くフィットした方向性に持っていきたい。NHKの囲碁フォーカスのような構成になるべきでは?

木部夏生二段が主催している囲碁チャンネル。頑張っているのだが、視聴者から視られる俯瞰した求められる自分の像を見極められるともう少し視聴数が伸びると思う。やはり課題は視聴者層のターゲットと内容の方向性。

アマチュアながらチャンネル登録者数 1.53万人と健闘しています。プロ対局の実践を解説しています。10級~六段程度。このチャンネルの良さは、作者がナレーターに徹している所。俯瞰した自分の長所・短所を理解しており、それがシンプルな動画構成になっています。

藤澤一就八段主催の藤澤塾。門下生の棋士達や戸島花さん出演しているのが強み。ターゲットと内容が絞れていないが、スキームとしては既に上位に行くポテンシャルがある。

NHK囲碁の実況アシスタントである星合 志保三段の囲碁チャンネル。囲碁番組にしては、平均視聴数が健闘しており、今後の努力によっては伸びる可能性あり。

7.まとめ

囲碁人口は日本で凡そ200万人程度いるとされています。その半数の人がチャンネル登録するとなんと100万人のチャンネルが出来上がります。それが、残念ながら未だ10万人のチャンネルができていません。

因みに将棋界といえば、意外と大健闘しています。登録者数10万人に届きそうなチャンネルもちらほらあり、視聴回数が数十万に届く動画も何本も出現しています。

囲碁は将棋に比べ、何段になってもその深さや面白さがわかり難い競技です。そのためコンテンツを制作する方も全チャンネル模索している段階です。

チャンネルを継続している棋士に伝えたい事は、撮影・編集の労力にかけてリターン(主にお金)は、最初のうちはとても小さかったり無かったりします。それでも番組をもつメリットは、普及活動や囲碁教室の営業活動など余りあるメリットがあります。こういうのは、諦めないでコツコツ継続して良い物を残す人達だけが成功します。

どの囲碁Youtubeが自分の棋力向上に役立つかは、このnoteに記載された番組の何本かを視てみて自分にフィットした番組を選んで下さい。
























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