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タクシー乗り場の出来事2

梅雨に入る前のいつもの時間にタクシー乗り場でタクシーを待っていた。先頭には、地元のお婆さんが買い物帰りでタクシーを待たれていた。

私は、余りソーシャルディスタンスを詰める事は、コロナ前から嫌いだったので、お婆さんとは、4人分ぐらいのスペースを空けて、雨除けのある最後尾まで距離を取っていました。

その後ろに地元駅に似つかわしくない美魔女と連れが後ろに並びました。

水商売のアルバイトを2年ぐらい経験していた自分は、直観的にこの人は風俗関係しかも身体を使ったお仕事をされていると思いました。タイトワンピースがびっしりと決まり、ハイヒールも高い上にスタイルも抜群に良かった。顔も美人なのだが、化粧に爽やかさが無く目ジリの笑い皺が若干気になった。

自分が病気になってから男性本能というのは、完全に消失していたのですが、この美魔女から漂うフェロモンに失っていた本能が復帰したのかと思う程でした。その上、顔が数年前に引退された熟女女優と瓜二つだったのに驚かされた。

自分からは、本人しか見えなかった。

何故このように感じたかといえば、連れの男性がどう見ても一般人に見えませんでした。男性は、熟女女優と思われる女性に一歩後ろに控えて女性に対して、何かしら奉仕している関係性であり、夫婦でもないし、恋人同士でもないし、不動産屋のお兄さんとお客様という関係性でも無さそうだ。

その男性は、綺麗な白いYシャツをびっしと着こなしているのですが、ボディビルダー並に胸筋が鍛えられていました。そして、男からみても清楚かつ恰好が良く、女性からみたらきっとお姫様抱っこをされたいぐらいだろう。

私には、過去の膨大な社会経験を引きずりだしても、この2人の関係性は謎でした。

・元AV女優と後輩AV男優

・男性パーソナルトレーナ

そして、聴きたくもないですが、女性が比較的聴こえる声で、

「わたくし、このような場所でタクシーを利用したことが無いの。」

それに対して、マッチョな連れが爽やかな作り笑顔で返答していた。会話は全て女性が主導権を握り、男性が聞き役のように思いました。

5分が経過した頃だろう、先頭のお婆さんが乗車し終わった後に不意に元AV女優らしき女性が自分に声を掛けてきました。

「タクシーをお待ちになられていますか?」

一気に高速な思考が走り、過去の膨大な経験からどのような返答を応えるのが正しいか1秒以内に考えた。女性から客観視した目の前の距離を取っていたおっちゃんに態々タクシーを待っていますかを聞くその心とは?

・もしかすると、こんなおっちゃんにもかわいい嫁がいて、会社帰りに嫁が車で迎えに来るのを待っているのかと考えたのか?

・もしかすると、地元駅にたまにいる用も無く変な場所でうろつく変なおじさんに思われたのか?

・マッチョ男性との会話に飽きて、美魔女がいるのに鼻の下を伸ばさないおっちゃんに興味がわいたのか?

・単純に待つのが飽きてきて焦りから来た質問なのか?

私の脳内のGoogleHomeは、「スミマセン。ヨクワカリマセン」と回答している。そこからでてきた、私の返答は、

ぶっきらぼうに仏面顔で「ハイ。並んでいます。」だった。

自分的には、このようなシュチエーション無理~。

・・・

どのような女性と男性の関係性なのかは全く把握できない中に、第3者をコミュニケーションに巻き込む女性。裏を返せば、連れの男性との時間に飽きていたり、焦りを感じていたと思います。

ぶっきらぼうな返答とは別に大穴勝負の返答を考えていた。

「お急ぎですか?1台ぐらいノンビリ待つのも1興なのでお先にどうぞ」

これは衰えたとはいえ、女性にダンディなゆとりある男性を演じるための一言だ。もしかしたら、Lineぐらいは交換して今度お茶でもというミラクルが起きるかもしれない。

・・・

そして、毎度の事ながら最悪な自分の言葉が頭をちらつく。

「お前さー。スゲーいい女だからって、調子に乗るなよ。俺と貴方の連れに失礼だろ。美魔女だからといって、全ての男が思い通りになると思うなよ。」

「綺麗な言葉遣いだけど自己中な言葉だな。返答に困るんだよ」

私は、タクシーに乗った直後も女性がこんな辺鄙な街でタクシー待ちしているのうっとおしい的なニュアンスをマッチョ男性と話していた。

自宅に帰るまで、全てが謎でした。

・美魔女は、元AV女優なのか?

・美魔女が元AV女優でなければどんな職種なのか?

・マッチョマン男性の職種は?

・美魔女とマッチョマンの関係性は?

クラブやキャバクラ、風俗が多くある繁華街であれば風俗嬢とダンディなホストで割り切っていたのだろうけど、日常のちょっとした出来事で日常を超えた人物との遭遇があると深く考えされます。

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