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嬉しかった日



10月の最初の日曜日。
私の大事な友人夫婦が近くの温泉に泊まりに来た。
急に決まったその予定に、私に会うことを入れてくれた。



数日前、ずっと借りていた雑誌を宅急便で送ろうと思い、その前に、だいぶ前に書いた手紙を処分しようかと思ったけれど、このまま送らせてもらうねと伝えるために電話を入れたところ、まさに今、私にメールを書いていたところだという彼女から、今週の日月に近くの温泉に泊まりに行くけど会えるかなと。

いつも なんていうタイミング。

私も少しひとりで出掛けたいなと 
そんなふうに思って、
彼女たちが泊まる旅館のある駅まで電車で向かうことにした。



10/4(日)、朝からすっごく楽しみ。嬉しい。
電車に揺られ約20分、無人駅に降りると改札に彼女らの姿。
手を大きく上げて、手を振りながら
ああ、私はなんて幸せなんだろうと思う。
このふたりが、とにかく  とても好きだ。
ふたりとの付き合いはとても長くなった。
彼女とは高校時代から。
彼女が大学に入って付き合った彼とも
それからの付き合いなので、私が誰よりも信頼しているふたり。


彼とゆっくり話すのは久しぶり。
私達があれやこれやと、積もりに積もった話をする間、穏やかな表情で座っている彼は、それでもちゃんと話を聞いていて、所々でとても的確な返事をする。
この安心感。
このふたりが私の友人でいてくれることへの感謝と誇りのようなもの。

今まで上手く言葉に出来なかったことを
なんの迷いや躊躇もなく、ふたりに話せた。
そのときに理解してもらえた  その嬉しさ。
ああ、こんな風に自分が落ち着いた気持ちで、
安心しきって 言葉を並べて、
それを受け止めて  感じてくれる人がいることの 
なんて幸せなことか。
ひとりで悩んで、感じて、もがいていることを、
全て聞いてくれた上での
「その気持ちも分かる気がする」と言ってくれた彼の
その一言に、どれだけ私が救われたか。
私の大好きな彼女の彼は、やっぱり私の大好きな人だ。


甘味処を出て、海まで歩いて話をしている途中、喫煙者だった彼がタバコを止めたという話になって、おお!それはスゴイね!そっかぁ〜でも私は今はストレスが多いから、電子タバコは止められないな、、、と言った瞬間、ふたりして同じタイミングで口を揃えて「いやいやいや、今は禁煙なんてしなくていいから!」と言ってくれるふたりが可笑しくて、ありがたくて。


海の生臭い薫りと緩い時間。
帰りもまた 駅までふたりで送ってくれて
またね、また会おうね
と、改札をくぐって、階段を登る際に振り向くと
まだそこにいて、ふたりが手を降ってくれていた。
私も最後に手を降って、ホームに向かう。

ひとりになってホームのベンチに座り、
カバンの中を整理したりしていた私がふと視線を前に向けると、
そこにはまだ2人の姿が。
ホームにいる私が見える場所まで移動して
私に向かって手を振っていた。

もう!なんなの、この人達は!

愛おしくて、有り難くて、嬉しすぎて。
泣きそうになる。

笑顔で手を振り返し、ホームに滑り込んできた電車に乗った。



ものすごく心が清くなる。
このふたりの存在に感謝。
私と繋がってくれていることに感謝。
今までの私達の長い年月に感謝。

きっとまた月日を重ねて、この日の話を3人で話すだろう。
必ず笑って。


私は彼女が好きすぎて、この世の中で一番幸せであってほしいと願う。大袈裟ではなくて。どんな災いも不穏なものも邪念や心が潰されそうな出来事も、全て結界のような見えない何かで守られて、彼女と彼女の大事な人達がずっと笑顔でいられますようにと、改めて思った、嬉しかった秋の1日。






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