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駄菓子っこ


私は子供時代に 駄菓子屋 に行ったことが無い。
覚えがないのではなく、自分が住んでいた場所の近くに無かったのだと思う。幼稚園に通う前、幼稚園時代、小学校1&2年、3年、4&5年、6年。
転勤転校を繰り返した幼少期。どこでも駄菓子屋とは縁が無かった。

昔、東京時代によく泊まりがけで遊びに行っていた友人宅があって、そこのご夫婦と相方と私の4人で、色んな話を深夜遅くまで話し込む、、、という事が度々あった。そこで良く出た『駄菓子屋の思い出話』。

私以外の3人の駄菓子屋でのエピソードがとにかく楽しそうで
くっそぉ〜と思いながら聞いていた。笑
「こんなのあったよねぇ〜」「あれはこういう味だったよね」「そうそう!懐かしい〜」という会話に全く入れずに。それでも数多くの転勤転校を繰り返してきた私にとって、皆んなの会話に入れないことなんて大した問題ではない。それよりもなによりも、ふむふむ、なんと興味深い世界なのだろう✨と、子供の頃にこそ行くべきである駄菓子屋とやらに行ってみたい、駄菓子を食べてみたいという願望が沸々と湧いた。


駄菓子屋


そこで子供達は色んな個性を無意識に発揮していたり、小さな発見やさまざまな経験をする。相方の駄菓子屋さんの話はいつ聞いても興味深い。
彼は1日50円という、少額のお金を握りしめ、日々駄菓子屋に通った駄菓子っこだった。幼稚園から小学校3年生まで団地に住んでいた彼は、団地のすぐ近くにある駄菓子屋に通っていた。

駄菓子屋エピソードあるあるの(私のではないが)、お小遣いが多い子は相方が買えないお菓子を余裕で買っていく。それを横目に、安い菓子をできるだけいっぱい買うことが彼の正義。その場で食べないものはズボンのポケットに詰め込み、遊び場へ駆けていく。

彼のお気に入りは「さくら ふ菓子」「くろ棒」。どちらもボリューム重視。
とにかく安い「コーラあめ」「風船ガム」(4個入りのやつ)。「セブンネオン」という、マンボ菓子。これはチューブに詰められたラムネ状のものを前歯でこすように食べるお菓子だそうで、長時間楽しめるというものだそうだ。時々「フルタ ハイエイトチョコ」。(これも一個ずつ食べたら数が多いもんね)  等々。

そうです。50円しかお小遣いのない相方の駄菓子の最大の目標は「すぐに食べ終わらない駄菓子をいかに選ぶか」なのです。長い時間、食べられるもの。数の多いもの。大きさのあるもの。少しずつ減っていくもの。そして安価なもの。それが基準。それが一番大事。
だから「うまい棒」とか、「よっちゃんイカ」とか、そういうものは買わない。と言うか、買えない。笑 ・・・可愛過ぎる。

その駄菓子屋さんには裏メニューが存在していて、その一つが「水飴」だったそうだ。「おばちゃん!水飴」って言うとおばちゃんから水飴が手渡される。すぐに遊びに行く予定がない時や、時間がある時。そんな時はこの水飴をいつまでもいつまでもねりに練って、程よい硬さにしたのちにせんべいに挟んで食べる。(梅ジャムとか付けるせんべいね)  なかなかの可愛いガキだと思う。

もう一つの裏メニューは「ニッキ棒」。
この写真を見た時には驚いた。ただの棒じゃん!この棒を舐めるって?駄菓子屋経験の無い私からすると、もう驚きしかなかった。ご存知ない方は是非「ニッキ棒」でググってみてください。恐るべし、駄菓子屋。そして駄菓子っこ。笑

* * *

東京に住んでいた当時、あんまりにも興味が湧いてしまった私は相方を引き連れて、西日暮里に駄菓子を買いに行った。西日暮里に駄菓子屋の卸問屋があったのだ。今では一件になってしまったらしいが、私達が行った頃にはもう数件あったと記憶している。ただ、卸問屋なので残念なことに一個ずつとかではなく、袋買いだ。いわゆる大人買い。

お目当ての駄菓子を、にんじんや大量に入ったせんべいと大量の梅ジャム、モチモチしたこざくら餅(これが一番好き)、餅太郎などなど。
どれもこれも一袋30〜50個入り的な。ガッツリ買って、多少は友人に配ったがそのほとんどは私と相方の胃袋に入った。

手元にある少額のお金で、アレにしようか、今日はこれとこれにしようって
そういうのを『 駄菓子っこ 』として、やりたかったなぁ〜と。
私の駄菓子の思い出は、ガッツリ大人買いの大量購入の駄菓子なのである。

* * *

「フィリックスガム」って 黒い猫の絵が描かれたガム があるじゃない?
子供の頃、あれが「 のらくろ 」なのか、
はたまた違うのか、分からなかったよねっていうのが
お互い幼少期のクエスチョンだった ことが、今回の発見であった。




◇  あんこさんの企画に参加しました。
地域限定の、時代限定の、自分セレクトな、ハートフルでノスタルジーな、様々な駄菓子にまつわるエピソードを是非、お聞かせください⭐︎



 
 
 
 

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