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猫がつぶやく52 『 仔猫 』

2019 / 12 / 3

 最近、我が家に仔猫がやったきたのです。「 ヴェー、ヴェー 」という、およそ仲間とは思えない声で鳴いています。私の大好きなリビングにいたので、思わず「 シャー! 」とやってしまいました。

 彼が来てから10日くらい経ったかな、声が出なくなり、喉が苦しくなってきたので、病院に連れて行ってもらいました。そしたらなんと喘息。薬を出してもらって、何とか調子が戻ってきました。ストレスでしょうか。

 毎朝のパトロールのついでに、2階にいる彼の様子を見に行きます。すると彼は、箱の中でジャンプして脱走しようと奮闘中。
 ある日、上から覗こうと箱に両前足をかけたら、重みで箱の壁が折曲がり、彼を脱走せてしまいました。そこからは大運動会。階段を勢いよく下り、また上ってくるの繰り返し。

 この子が来たことによって私の生活が一変しました。主人を独り占め出来なくなり、ご飯をつまみ食いされ、トイレを使われ、自慢の長い尻尾にじゃれ、おまけに大好きなファンヒーターの上にまで登ってきて私を追い落としたり。

 まあまあストレスはあるけど受け入れ始めていたかなぁ。彼との生活にも段々と慣れてきて、リビングで一緒に遊んだり、日向ぼっこしたり。「 里親 」という言葉が聞こえたのは いつだったか。当然何のことか分かりません。


 ある日の昼、玄関に彼のトイレと家が置いてありました。


 私は階段の踊り場からボーっとその様子を見ていました。主人は、その私に彼を近づけ、「 さよならだよ 」と言いました。何のことでしょう。

 彼は何の抵抗もせずに、病院に連れていかれる時のように袋に入れられ、主人と一緒に玄関の向こうに行ってしまいました。

 その日、主人が帰ってきても、彼は帰ってきませんでした。

 次の日も、その次の日も。。。


ここまでお読みいただきまして ありがとうございます。 

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