"不偏性を満たす推定量"とは何か理解するためのメモ

平均をとる妥当性

日本の女性の年収を知りたいとします。
今手元には100人の女性の年収のデータがあるとします。
300万円、400万円。。。

各女性の年収のデータはランダムに得られているため、東京都の女性のデータが多い、40代の女性のデータが多い、と言った状況はないものとします。

このとき、100人の女性のデータの平均をとり、日本の女性の年収はだいたいXXX万円ぐらいだね、と試算することがあります。

今回の試算では、日本の女性の年収の真の値を、得られたデータ(標本)から平均を取ることで推定している、(標本平均によって推定している)と言えます。

この試算、言い換えればこの推定方法(以降、推定量)は妥当な推定なのでしょうか?

推定量の妥当性


そもそも、推定量の妥当性はどのように評価するのでしょうか?

ここで登場するのが不偏性の概念で、この概念は妥当性評価のための1指標です(他には一致性、効率性などと言った概念があります)。不偏性を満たすか、満たさないかで、その推定量の良し悪しを判断することができます。不偏性を満たす場合、その推定量は良い推定量であり、その逆は悪い推定量ということになります。

不偏性とは、ある推定量の期待値が真の値に一致する性質のことを指します。ある推定量の平均的な値は真の値に一致するよ、と言ったニュアンスです。

つまり、ある推定量の期待値が真の値に一致していれば、その推定量は良い推定量なのです。

標本平均は良い推定量なのか


これは標本平均の期待値を取ることでわかります。

標本平均という推定方法の期待値を取ると、その値は真の値に一致することは、数学的に証明できます。参考

不偏性を満たす推定量とは何か?

不偏性を満たす推定量の例は標本平均です。不偏性を満たす推定量は良い推定量なので、標本平均は良い推定量です。

この例から分かる通り、何らかの推定方法、即ち推定量があって、さらに、その推定量の妥当性を評価する指標があり、その一つが不偏性です。

直感的には、標本平均の平均的な値は、真の値に一致するということなので、何度も調査を行い、各調査で得られた平均を"平均

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