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何故そこまで敵意を抱けるの?

 2021年を迎えて3日経ったある晩、突如としてバイト先からLINEと電話が来ていた。何事かと思い、折り返して電話をかけた私を迎えたのは、オーナーの不機嫌な声だった。聞くところによると店長が年明けて連絡出来なくなったらしく、代わりに店に入ってくれないかというものであった。
 とはいえ私自身はバイトというより寧ろ手伝いをしていたつもりであったし、雇用契約書すら書いていない状態で働いていた。更に今年から就職活動が控えていた事もあって以前から辞めようと考えていた。だが、これを数ヶ月前から伝えて無かった事が私の唯一にして最大のミスだったのだ。
 辞める旨を伝えた所、オーナーの機嫌が急に悪くなり、「辞めるなら数ヶ月前から伝えろ」とお叱りを受けた。そこまでは至極真っ当な意見で私自身の落ち度であるから納得はいく。
 しかしこの後が問題なのだ。いきなり私の人格や見た目(私は太っている)を中傷し始めたのだ。挙句の果てには自身を暴力団の跡取りだとか、店の近辺を歩けなくしてやるだとか、支離滅裂な脅迫まがいの暴言をぶつけてきたのだ。
 私は唖然とした。それは“辞める問題”とは関係ないでは無いか。暴言に憤りを覚えた私は若干の抵抗をした。それが彼の怒りの炎に更なる油を注いだらしく話にならない状況になった。
 初めての脅迫で混乱している中、自身の脳をフル稼働させ、彼の拙い発言を要約したところ、「辞めるなら店の鍵を返せ」というものであった。何ともシンプルなものであったし、何故そこまで敵意を向ける必要があったのだろうか、という単純な疑問も出てきた。
 この件に関して、周囲の人の助けもあって、ひと段落という所まで落とし込む事が出来た時点で、私は数日前の恐怖の夜を客観的に振り返って見た。
 そうして捻り出した答えは、かの人物は“問題と感情の分離”が出来ていない、というものである。鍵を郵送で返して万事解決、にも関わらず、それを要らない暴言で肉付けして自ら話を複雑化しているのだ。
 この件で私は、自身の不満や怒りを論理的に言語化出来る人が少ないのは憂慮すべき事だと感じている。

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