ALSり患者のディレクタースーツが出来上がりました。
ALSり患者は全国に9000人余りの方が病と闘っておられます。
今日まで、そのうちの4人の方のお洋服を創らせていただきました。
今まで、お会いしたお客様は、自力で起き上がることはできず、呼吸器を付けておられますが、ご家族や私どもとの意思の伝達コミュニケーションは十分達しておりました。
出来るだけご本人の意思を尊重して服創りをしています。
衣服、洋服の着脱には、介護ヘルパーの方の手助けが必要な状態です。
「千葉県のS 様」
結婚式の当日には、介護ヘルパーさんも同行、介助されるとお聞きしましたので、仮縫いも、納品もヘルパーさんのシフトに合わせたスケジュールを組みました。
8月21日ご注文を頂きました。
9月4日(金)仮縫いにお伺いしました。
お手持ちのカッターシャツの脇から袖下の縫い目線(ミシン目)を完全バラシて、新たにマジックテープを取り付けました。
背中部分をベットに敷いて、その上に寝る。前身を肩から前に、ボタンを留め、袖口に手を通して、袖下、脇縫い目線を閉じれば完了。
身体の屈伸状態も、可動範囲も少ないので、寝たままの状態でベスト、スラックスを着せ付けられるようにしました。
問題は上着です。
腕がほとんど上がりませんので、腕を回しての着脱が出来ません。
そこで、左右、別々に仕上げて、それを身体を横向けにして、左から(右から)着せ、寝返りを打つようにして反対側の服を着る。
これらの行動(手順)にはヘルパーさんの手助けが必要になります。
最後に礼服が厳かに納まるには、車いすとのバランスです。
座位(座れば)スラックス丈は上に上がって、靴下がにゅ~と覗いてしまいます。
コールパンツ(縞のスラックス)の裾から靴下がにゅ~っと覗いていたら、せっかくの礼服も台無しです。そのためにも、スラックス丈は長く作ります
10月初旬の善き日に間に合うように、なによりもヘルパーさんによる着せ付けのリハーサルをお願いしていただくためにも、ヘルパーさんの来宅にシフトに間に合うようにと9月25日送付いたしました。
超特急の仕事でした。
一見、普通の礼服のうわぎです。
左右が完全に分割した上着です。
ベストも背中部分をほとんど省略しています。
スラックスも脇を大きく開けてファスナーで開閉できるようにしました。
結婚式当日が、秋晴れの上天気で晴れの日を迎えられることをお祈り申し上げます。
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