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「vol.7 職人さん100人数珠つなぎ」/石橋直樹(Naoki Ishibashi)さん/イグサデザインディレクター

福岡花ござ「掛川」(い草の産地として知られる筑後一帯で古くから生産されている織物@福岡県)

デザインディレクターとして2005年フロア畳 「TATAMIST」、2008年「IGSA series」でグッドデザイン賞を受賞している石橋さん。イグサの可能性を拡げるため、イグサをファブリックとして捉えた商品開発をしています。
新しい挑戦を続ける原動力は、国内の花ござ生産量の約9割を占める産地として、生産に携わる人たちの笑顔をこれからも残していきたいという強い想いです。

fb掲載pic coloful rush

1: Action //産地の構造を変える!//

「現在主力の織り手は70代〜80代。今のままでは5年後、10年後は高齢化、後継者不足で産地に明るい未来がない。福岡花ござの文化を受け継ぎ発展させるためには、イグサでご飯が食べられるようにし、後継者を育成できる環境を作ることが必要。そのためには、産地の構造を変えなければならない。」と語る石橋さん。
 実際に、卸から直販へ流通を変えることで、価格を上げずに利益率をアップさせています。更に、花ござをホテルなどの壁にかけて空間を彩るアートとして販売することで、畳として使われる建材からアートファブリックへとイグサを昇華させています。
 石橋さんがすごいのは、花ござだけではなく、木工業も盛んな福岡県大川市一帯がビジネスの街として活性化することを目的として、お互いの産業がお客様を共有するwin winの形を取れるように行政や他産業を巻き込んだ活動を進めていることです。具体的には、相互の産業理解を深めるための工場見学や、コラボレーション企画を実施しています。その他、ファクトリーツアーを開催し、材木やインテリアなどを扱うプロの方が大川市に訪れやすい機会を創出しています。

fb掲載pic tatami mat

2: Personality //人に喜ばれることをしたい//

 石橋さんのお祖母様は福岡花ござ掛川の福岡県無形文化財技術保持者、お父様は福岡県現代の名工に選ばれた福岡県特産工芸品掛川織りの職人、ご親戚の方は花ござを生産する会社を経営されていたそうで、まさに花ござの申し子という環境で生まれ育った石橋さん。
 人が好きで好奇心も旺盛な性格を活かした仕事がしたいとウェイターやコック、車や不動産の販売といったサービス業(売り手)を5年ほど経験されてから花ござの道(作り手)に入ったそうです。
 喜ばれることをしたいという気持ちに加えて、売り手と作り手の両方の気持ちがわかるからこそ、両者のジレンマを解消し、新しいことにチャレンジし続けることができるのだと思いました。これからも人を巻き込み、良いことに巻き込まれながら、多くの人がワクワクする商品やサービスを生み出して頂きたいです。

//石橋直樹さんの会社情報//
インスタイル株式会社





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