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VUCA時代における自律した人の行動について

2019年は、富士通、東芝、アステラス製薬にキリンビールという、大手日本企業が相次いで早期退職募集を行いました。

これは「終身雇用」の終焉であり、「脱企業化」の現れであると、激震が走ったニュースでもあったと思います。

「脱企業化」になるということ。それは、より「個人」が重視されていくことが示唆されています。

タイトルにもある「VUCA時代」とは何か。VUCA(ブーカ)とは4つの単語から頭文字をとって作られた単語であり、現代のカオス化した経済環境を指す言葉です。一言でいうと「予測不能な状態」を意味します。

V olatility(変動性)
U ncertainty(不確実性)
C omplexity(複雑性)
A mbiguity(曖昧性)

VUCAはもともと1990年代にアメリカの軍事領域において用いられてきた言葉で、昨今、経済、企業組織、個人のキャリアにいたるまで、ありとあらゆるものを取り巻く環境が複雑さを増し、将来の予測が困難な状況にあります。そんな中、2010年代に入って以降、世界の経済界各所で「VUCAの時代」が到来したといわれるようになりました。

そもそも、社会自体が「予測不可能」であり、更に企業自体も「安定」は無くなってきた。そんな中で自律した個人が、どのように行動していく事が求められるのか。危機感を持って考えていかなければいけない。

今まで「優秀な人」というのは、同じ職場でじっくり経験とスキルをつけていくような人だったかもしれない。しかしながら、これだけ社会の流れが激しくなってきた時に、「10年以上も同じ職場で仕事をしている」ことへの価値はどれだけあるのだろうか。

前述したような「VUCAの時代=変化の時代」に耐え得るのは、変化に対しても柔軟に対応できる力であると考える。その中で変化のない職場の中で存在し続けることは、「変化に対応できるスキル」がある行為なのであろうか。

「変化に対応できるスキル」を付けるために「同じ職場にいるべきではない」と述べたが、では職場を転々と変えていくような「ジョブホッピング」をする事が正しいのかというと、それだけが良いわけではない。

では、自律した人材とは、どんな行動をとるのか、はたまた取るべきなのか。

それは、以下の3つの点がポイントになる。
ただのジョブホッパーと、自律的な人材の違いは、組織への貢献と、自分のキャリアを考えた上でその組織で達成したい事が明確かどうかである。

①長期的キャリアビジョンを持って、それを軸に行動しているか

②属する組織への貢献を常に考えて行動しているか

③この組織で達成したいことを明確に持っているか

④自分の達成目標と、ある程度の貢献をした(試みた)上で職場を離れる

こういった存在は、たとえその会社にいる期間が短かったとしても、なんらかその組織に対して良い貢献をする。

今後「脱企業化」が進んでいく中で、個人は自分のビジョンを持ちながら、その組織への貢献意欲を持つことにより、より自分の経験や人脈が増えて、次のステップに行く事ができる。

また組織は、このような人材を見極めて、共に組織のビジョンを達成する事で、常に良い人材が組織にいる状態と、人が入れ替わったとしても強固な組織が継続されるようになるのである。