見出し画像

気がつけば虫好き その1

小さな頃から特に虫が好きだなんて思ったことはないのです。
今、客観的にみて自分はどうやら虫が好きなようだけど、、
確かに虫の世界は不思議。算数にもつながっていくのです。そんな虫の話。

子どもの頃、二人の弟たちはそれなりに虫採りをしていて、バッタやカマキリやカミキリムシ、カブトやクワガタ、セミ、トンボなんかをとっていたけど、別に私はそんなに興味があるわけではなかったと思います。

それでもバッタやトンボを触ることはできたし、セミを虫かごいっぱいにとったりもしたし、夜にクヌギの樹液に集まる虫を見に行ったこともあります。

でも、大人になってからはどちらかというと自分は虫嫌い、触るのは苦手になっていきました。

でも、娘が生まれて、ある日母が「子どもが虫を嫌いになるのは母親がキャーなんて言うからだよ。虫はね、親が怖がったら子どもも怖がって触らなくなるよ」と言いました。

そして、娘が1歳頃だったでしょうか、近所の神社でイチョウの木の幹を1匹のカマキリが歩いているのを娘が見つけました。私の頭にあの母の言葉がぐるぐる回り、
ここで怖がってはいけないと、意を決してカマキリをつまんでみました。「ほら、ここを後ろからそっと持てば大丈夫なんだよ」なんて平気なふりをして。

その後、虫に遭遇するたびに、触るのが嫌だなんていう素振りを見せないようにしていたら、気がつけば娘はバッタやカマキリを捕まえられるようになっていました。母の言った通りでした。頑張った甲斐ありです。

それまであまり食べるものを気にしていなかった私ですが、娘が生まれてからは自然栽培の野菜を買うようになりました。自然栽培の野菜は力強い。美味しい。でもそういった自然栽培の葉物には必ずと言っていいほど小さなミドリの芋虫が付いています。見つけてしまうと、そのまま捨てるわけにはいかない性分。イモちゃんの付いている葉っぱを取り、箱に入れて、成り行き上育てる感じになってしまいました。

最初に保護した小さなイモちゃん、かわいそうだからここに入れておこうねと箱に入れて菜っ葉をあげていました。ところが箱から脱走したのです。えー!どこにいるの?!絶対に踏んづけたりしたくない!もう必死です。探しに探したら、テーブルの裏側でまゆになっていました。小さくて、レースみたいに透けていて綺麗なまゆでした。娘と一緒に眺めました。

そして数日後、小さな茶色い蛾がカーテンにとまっていました。まゆを見ると、小さな穴が空いて、空っぽになっていました。調べたらコナガという蛾で、背中にはダイヤ型の模様があるのでした。

それ以来現在に至るまで葉っぱに付いてきたコナガのイモムシちゃんは何匹も私の家で羽化しています。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?