【スカイウォーカーの組織・人物について】20150712ver かすがまる+津幡(太字)



【スカイウォーカー】

 不死人(※1)の主流派であり雲上カタコンペ(※2)に住まう。敵味方を問わず「死」を厭う。人為による天使のような存在。総人口は数千万人から一億人だが大半は棺桶で眠りについており活動している者は少数。十数名の代表による合議が集団意思決定機関。議長は女性。総じて美形であり、性欲を恥とするなど俗な価値観から脱却した純理性的な存在として彼らの考える理想を「体現」している。それは「沈黙する神」になり代わり「公平な裁判官」たらんとする姿勢であるが、実のところは随所で破綻している。さりとて本人たちはそれを認めていないし、決して認めることもない。軍事行動の際は「聖杯騎士団」と名乗る。

  • 1:遺伝子工学が辿り着いた不死ウイルスに感染し、その抗体を身体に宿す人間。基本的には不老不死だが極端な肉体的損壊により死ぬこともある。ウイルスは二次感染により変移を繰り返して複数種類の型を生んでおり、その型ごとに不死性が強かったり特殊能力を有していたりする(不死性が弱いほど特殊能力は高い)。程度の差こそあれ共通して念力を有する。吸血行為がエネルギー源(聖杯の血>同胞の血>人間の血)の共食い種族。エネルギーが減少すると「乾き」に苦しみ、活動が鈍くなり、枯渇すると強制的な休眠状態に陥る。通常の睡眠欲はほぼなく二十四時間の活動が可能。女性に妊娠出産能力はなく、男性には辛うじて生殖能力が残っているが極めて受精率が低い。

  • 2:衛星軌道上に存在するスカイウォーカーの生活空間。人工的な天界。ナノテクノロジーにより永遠に真新しい天空の都市群。林立する高層建築は墓石のごとし。人気の少ないクリーンな空間は病院のごとし。下界からは蒼穹に孤を描く白い虹のように見える。地上からの昇天(スカイウォーカーによる死後の勧誘)で人口が増加し、ランドウォーカーへの堕天や、緩慢なる自殺装置「玉手箱」による死、肉体的損壊による死などで人口が減少する。

雲上カタコンベと地上をつなぐ軌道エレベーターは「雲の糸」と呼ばれて、雲から白く垂れ下がる糸のように見える。
雲の糸は伸縮自在かつ自由に移動可能。それゆえ神出鬼没であり、地上からの攻略は不可能に近い。雲の糸を掴むことは容易ではない。
多くは山の山頂などに垂れ下がっており、危険で困難な登攀が必要となる。


【十字軍】

 国連の防疫隊を母体とする対不死人組織。ゾンビ禍(※3)で活躍して台頭、地上を思想的にも軍事的にも支配している。旧来の宗教的価値観・倫理道徳を継承しており、不死を否定しスカイウォーカーは神でも天使でも非ずとの態度を示している。しかしそれは大衆向けの表の顔であり、裏においては幹部が不死人の血肉を摂取して不死化する、不死人の臓器売買についてマフィアと結託するなど腐敗している。聖母協定(※4)によりスカイウォーカーとは停戦しているものの、不完全な不死ウイルスで自作自演のクリーチャー騒ぎを起こしたりカマイタチを模した光の剣を生産配備したりと、スカイウォーカーとの戦争も辞さないという動きがある。

  • 3:およそ百年前、不死ウイルスの感染爆発を原因として勃発した大戦争の戦禍のこと。

  • 4:スカイウォーカーと国連の間で締結された協定。相互不可侵と聖母保護が内容の柱。

「ブラックホール爆弾」によってゾンビ禍は終焉をみる。重力を制御する不死人のテクノロジーによるもの。核を使用した国連軍に対する報復。

大都市のいくつかが同時多発的に消滅。直下型ミニブラックホール(のようなもの)に吸い込まれていった。実際は重力の歪み程度なのだが、話には尾ヒレがつく。
地獄の関門が口を開け、大都市を呑み込んだ。その中心は地下数キロにも及ぶ井戸のような大穴。その大穴をとり巻くすりばち上のクレーターは直径十数キロにも及び、放射状になぎ倒されたビルディング群がオブジェのように壮大な散華の図をかたちづくっている。
さながら巨大なアリ地獄にひきずり込まれる大都市の抽象画。シュールレアリズムの悪夢世界が現実となって眼前に現れ、訪れる者を圧倒する。

「不死の民に手を出すと同じことがまた起こるだろう」というメッセージに、全世界が沈黙。死の恐怖を前にした時、人々は静まり返る。
「砂上の楼閣が砂に沈むように、おまえたち砂の民の都市は地の底へ墜ちていったのだ」と不死の民は語った。神の裁きの実行者であるかのように。

不殺を旨とする彼らの最初で最後の反撃。このただ一度の実力行使によって「ゾンビ禍」はひとまずの終焉をみる。

百年ののち、これらすりばち状にすり潰された大都市のいくつかは巨大なクレーター湖となって生態系を育んでいる。
斜めに歪んだビルディング群に居住する人々もいて、舞台背景として面白く描ける。

これらは、かつてのカタストロフの描写に未見性が欲しいという観点から。ただの廃墟だとありがちなので。


【ランドウォーカー】

 不死人の異端であり地上に住まう。殺生を厭わないため通常の食事も摂れるが、血の方が満足感を得られるため秘密集会で互いに血を吸い合ったり通常の人間から吸血したりなどしている。闇に潜む悪魔的存在であるため総数は不明。不死人の正体を隠し、組織との関わりを避けて個々別箇に生きたい者たちであるが、各地に相互扶助的な地下組織が存在している。一部ではゾンビ狩り回避のため十字軍上層部との癒着もある。スカイウォーカーとは明確な敵対関係にあるものの、スカイウォーカーはそう積極的に探索を行わずランドウォーカーは基本的に隠れて生きているため接触や交戦は滅多に起こらない。


【エティエンヌ】

 17歳。女性。金髪紫眼で肉感的な身体。亡き兄の名を名乗る十字軍軍人(本名はセシル)。両親は「クリーチャー」に殺され、兄は十字軍軍人としての任務中に戦死したため、不死人を憎悪している。性格は気が強く男勝りで直情径行型。優れた戦闘センスを有する。物語の中盤で致命傷を負い、マリアの血を与えられて不死化することに。


【マリア】

 17歳。女性。黒髪赤眼で均整のとれた体。舞台となる都市とは別の地域で生まれるもそこが疫病で崩壊したため舞台都市へと流れてきた孤児で、教会の孤児院にて育つ。悲惨な現実や世の不条理を知るため敬虔ではあるが盲目的ではない。配慮と熟慮の人のため周囲に流されやすいが、芯が強く、これと決断すると梃子でも動かない。聖杯(※5)を処女受胎、受胎告知を受けて聖母(※6)となる。

  • 5:不死ウイルスの抗体産生細胞を持つ人間であり、未変異の不死ウイルスをその身に宿す不死人。12歳程度で成長が止まる。全員が同じ顔の日本人美少年。個人名あり。

  • 6:スカイウォーカーにより選定された、無自覚に聖杯を処女受胎させられた女性のこと。妊娠した時点で母子感染により不死人と化す。総じて一定水準以上の美貌。

聖杯の外見的特徴として「聖痕(スティグマ)」が両手両足脇腹に存在する。
両脇腹は槍で刺され、両手両足は釘で打ち抜かれたような傷口。そこから任意に血を流すことができる。
聖杯の細胞再生能力はあらゆる傷口をあっという間に閉じてしまう。注射器の針さえ、通した瞬間そこから肉芽が盛り上がるため、採血は難しい。そのため、聖痕は必要不可欠。
聖母もまた母子感染(この場合は子から母への子母感染というべきか)によって、「聖痕」が現れる。
ある日、身に覚えのない傷口から血が流れているのを見つけるマリアの衝撃は如何ばかりか。その後、受胎告知によって真相を知る。


【クラリス】

 15歳。女性。銀髪灰目で童顔・幼児体型・低身長。透視能力(※7)を有する。敬虔なる両親と姉思いな弟の四人家族。貧しい家を支えるべく、幼くから特殊能力を活かして十字軍軍人を勤めている。自らの性を強く意識しており、恋愛・結婚・出産・子育てといったものに幸福を求めているため己のいっかな女性らしくならない外見にコンプレックスあり。見た目と異なりクールでドライな性格をしているが物腰は丁寧。物語の中盤で十字軍により暗殺され、スカイウォーカーの勧誘により不死人と化す。

  • 7:第六感が強く、見えないものを見る能力。不確定かつ不安定な力だがスカイウォーカーの超常能力に対抗するため十字軍の重要保護対象。多くは大人になるにつれ消失していく。


【聖杯王】

 外見12歳。男性。殺人禁忌を捨て地上支配と聖杯喰い(※8)を目論む聖杯。彼を孕んだ聖母が子供を略取されることを恐れ雲上カタコンペより逃亡、地方の村落で彼を生み落した。息子を救世主と狂信する優生思想により育てられたため歪んでおり、地上の王として物質的な世界支配を目論む。空中要塞「聖杯大神像」を有し、恐怖と力によって多数のランドウォーカーを従えている。スカイウォーカーを含む既存世界の全てを傲慢に見下しているが、母にさんざ呪縛されたにも関わらず母から捨てられたこと(※9)がトラウマとなっており、母性や愛情を渇望する心を秘めている。

  • 8:聖杯は己のみでよいという思想から己以外の聖杯を殺し食する。それは被食者の能力や経験を吸収する行為であり、聖体拝領を受けた数多のスカイウォーカーたちの経験や能力もまた間接的ながら吸収している?

  • 9:地上で理想に挫折し現実に疲弊した母親は死を望み、彼女を地上へと導き護衛していたスカイウォーカー男性(以後仮に守護者と呼ぶ)に頼んで「不死人が死ぬための村」へと去った。守護者も彼を置き去りにして東へと旅立った。


【灰色フードの男】

 外見34歳。男性。黒髪黒目? 無骨な男前。守護者と日本人女性との間に生まれたハーフであり不死人。不死人やそれにまつわる遺伝子工学を憎んでおり、父殺しの宿願を果たすべく旅すると共に各地でスカイウォーカーやランドウォーカー、十字軍のクリーチャーなどを討ち滅ぼしている。東より現れたサムライ。沈着とした人格の裏に狂猛な殺意を秘める。得物として振るうカマイタチ(※10)は守護者が残したもので日本刀風。

  • 10:不死人専用の携行武器。念力を集中および拡散する機構を内蔵する。形状は様々だが刃は見えず風のように目標を切り裂く。別名「無影剣」。盾のように扱うことも、遠くの目標をピンポイントで狙い撃つこともできる。熟達者ほど無音無風で切る。基本的には無機物に対してのみ効果を発揮し、生物は透過する。手元の安全装置で不殺設定を解除可能。

【メタコム/ゴーストダンス】

 年齢不詳(中年?)。男性。インディアン。スカイウォーカー。トマホーク型のカマイタチを所持。陽気で饒舌。マリアの通う女学院に農業顧問として潜入している。

いつも白シャツを着ている。土汚れが目立つが白以外は着ない。なんらかのこだわりがあるらしい。それはゴーストダンスの名の由来とともに明かされる。


【モイレイン】

 外見30代。女性。妖艶な風貌。ランドウォーカー。厭世観を持つ快楽主義者であり、生物としての濁りに心身を浸したような独自の価値観を有する。聖杯王には無理矢理従わされているに過ぎない。女学院にシスターとして潜入、マリアを監視している。


【サイモン】

 20代。男性。白人。十字軍下っ端兵。酒・金・女が好きというわかりやすい志向を持つも小度胸で根が真面目なためどれ一つまともに享受できていない。軽薄で明るい馬鹿。


【デヴィッド】

 20代。男性。黒人。十字軍下っ端兵。サイモンのボケに対して淡々とツッコミを入れる職業軍人。多くを望まない堅実な性格。常識人。


【老刑事】

 54歳。男性。ベテラン警部。子はなく妻には先立たれている。自らの職分、領分を弁えている一方で人情家として不器用なお節介焼きのところも。何かにつけ捜査現場で一緒になることの多いクラリスのことを自分の娘のように可愛がっている。

54歳はまだまだ若いような気がします。定年間近の60代ぐらい?


【黒衣紳士】

 外見30代。男性。英国紳士風。ランドウォーカー。聖杯王に忠誠を捧げており、王のエージェントとして活動している様はルシファーに仕えるメフィストフェレスのよう。高い戦闘能力を有する。王の意向に従いマリアを誘拐する。


【クラリス弟】

 12歳。男性。銀髪灰目? 礼拝よりもスポーツが好きといった風の活発な純粋少年。家族のために苦労している姉のためにも、自分もまた軍人になって家計を支えたいと考えている。特殊能力はない。物語終盤で死亡し、ランドウォーカーとして闇の道へ入る。


【マフィアボス】

 60代くらい? 男性。ゴッドファーザー的風格のある犯罪組織元締め。

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