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【カーボンニュートラル推進企業紹介⑰】レンブラントホテル ~CO2削減へ、宿泊者も参加できるホテル~

 カーボンニュートラル―。脱炭素への取り組みは国際レベルのものから個人での活動まで様々です。
 厚木市内で脱炭素の取り組みを進めている企業に、どのように「脱炭素への挑戦」をしているかをインタビューしました。取り組む理由や具体的な進め方、これから取り組む企業へのメッセージなど、1社ずつご紹介。取り組みを始める一歩に、また活動を促進させるヒントにしてはいかがでしょうか?

 17社目は、本厚木駅近くにあるレンブラントホテル厚木と、レンブラントスタイル本厚木です。どちらも厚木市民であれば知らない人はいない宿泊施設で、宿泊のほか、企業の式典や結婚式、セミナーなどの会場としても使われています。厚木のほかにも御殿場や海老名などでホテルやゴルフ場を展開するレンブラントグループ全体で、電力をはじめとする資源の有効利用や無駄の削減に取り組んでいます



 レンブラントホテル厚木の1階を歩いて見つけたのは、カフェダイニング・パームツリー。その入口に掲げられているのは「食品ロス削減にご協力ください」のお知らせでした。ビュッフェコーナーの食べ残しがないよう「食べられる分をお取りの上お召し上がりください」と呼び掛けています。料理は一品ずつ、食材を料理にするまで、電力や火力を必要とします。食べ残しをなくす事はすなわち、CO2削減に直結しているのです。


食品ロス削減を呼び掛ける表示とスタッフ

 「資源を大切に」という思いは、館内のトイレでも見て取れました。ホテル業界では清掃時にトイレットペーパーも新品に交換する所もありますが、レンブラントホテルではもう一本の新品を添えた上で、使い切った後の交換にしています。また、アメニティと呼ばれる歯ブラシやシャンプーなどのセットも、提供の仕方が少し違います。姉妹施設のレンブラントスタイル本厚木では利用者が必要なものだけを自由に選べる「アメニティバイキング」の仕組み。使わずに捨てられてしまう事がない、利用者にとっては心地よいスタイルかもしれません。


トイレットペーパーは使い切って交換


アメニティは必要なものを自由にチョイスする仕組み

 2つのホテルでは、連泊の利用者向けに「連泊ECOひいき」という特典つきプランも用意しています。連泊中に毎日の清掃はいらない、もしくはアメニティ、リネン交換が不要、という利用者にポイントやサービスが付与されるというものです。(タオル類やマット、歯ブラシは衛生上毎日交換)。必要のないアメニティ交換や清掃などを省くことで、資源を大切に使う、同時にCO2削減につなげているそうです。

連泊ECOひいきのお知らせ

 レンブラントホテル厚木には客室のほか大中小の宴会スペースがあり、中でも最大360人を受け入れる広大なグランドバンケット「相模」は、RGBカラーのLED照明システムが採用されています。電力消費を抑えつつ、生き生きとした色彩で会場を彩ることができます。現在館内では照明をLEDに切り替える計画も進行中。4ヵ年計画で157ある客室のエアコンも、より電力効率が良い機種に交換してゆくそうです。

エスカレーターなどの照明もすべてLEDに変える構想
客室

 客室だけでなく厨房での取り組みも進行中で、大型冷蔵庫は脱フロンガス化を実施。フロンは多くの業務用冷蔵庫で冷媒として使われていて、温室効果ガスとして知られる二酸化炭素よりも地球温暖化に影響するとされています。もちろん入れ替えに多額の費用がかかりますが、できる事はやるというスタンス。ちなみに業務で使われる水の約半分は、資源を大切にする一環で敷地内の地下水を使っており、市との協定で万が一の災害時には誰もが汲めるよう、水汲み場も用意されているそうです。

 多角的に取り組める理由を早嵜慶一郎総支配人に聞くと「地球の歴史という大きな視座に立てば、さまざまな気候変動や天災に見舞われながら、偶然も重なって今の暮らしを享受しているわけです。生かしてもらっているのかもしれません。だからこそ温暖化という危機に向き合い、できることをやる、力を合わせて取り組まねばと思うのです」と語っていました。

 取材を通じて感じたのは、様々な取り組みが実践できるのは、スタッフ一人ひとりがアイデアを出し合う機会が多いこと、それらを形にしやすい企業風土があってこそだと思います。SDGsという言葉も一般的になってきましたが、数々の取り組みに共感する宿泊利用者も多いのではないでしょうか。カーボンニュートラルという言葉が浸透するにつれて、選ばれる要素になる、と強く感じました。

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