【カーボンニュートラル推進企業紹介⑭】  厨房 花ごよみ~フードロス問題解決への取り組み。まずはやってみよう~

 カーボンニュートラル―。脱炭素への取り組みは国際レベルのものから個人での活動まで様々です。
 厚木市内で脱炭素の取り組みを進めている企業に、どのように「脱炭素への挑戦」をしているかをインタビューしました。取り組む理由や具体的な進め方、これから取り組む企業へのメッセージなど、1社ずつご紹介。取り組みを始める一歩に、また活動を促進させるヒントにしてはいかがでしょうか? 
 14社目は、厚木市金田にある「厨房 花ごよみ」。厚木市を中心に、県央地区や横浜、川崎、湘南、県西地区までを配達エリアにする仕出し・宅配弁当専門店です。和風、洋風弁当のほか、入学、卒業、七五三、誕生祝い向けの祝膳、法要、子ども用などシーンに合わせた多種多様なメニューを揃えています。
 たくさんのおかずを味わいたいという要望に応え、少しずつながら多種類のおかずを盛り込んでいる点が人気の秘密です。カーボンニュートラルの取り組みについて、長田隆穂社長に聞きました。


金田にある調理場


 
完全予約制で食品ロス問題解決へ貢献
 
 食材は100種類にも及びます。必要な食材を必要な量だけ仕入れ、スタッフが自社にある専用調理場で作り、箱詰めを行っています。
 最短で前日から2日前の注文で届けてくれます。食材によっては日持ちしないものや、味が落ちるのが早いものなどがあります。完全予約方式をとることで、より良い料理を届けることができるとともに、食材の廃棄をなくすことにもつながります。また、様々な理由から、食べることができない食材がある方には相談に応じることもしているそうです。
 お客様に届ける弁当箱の一部にプラスチック以外のもを使っているそうです。「以前、全て紙系のものに替えたことがあります。しかし、出汁などで染みが出ることがあったので、今は一部分を紙製品を使っています。今後技術が進み、良いものがでてきたら検討したいと考えています」と長田社長。
 


長田社長


 世界では食料生産量の3分の1に当たる約13億トンの食料が毎年廃棄(国際連合食糧農業機構報告書)されており、日本でも1年間に約612万トン(2017年度推計値)の食料が廃棄されています。長田社長は「使わなければ即廃棄の対象になるので、過剰な食材の仕入れは食品ロスを増やすことにつながります。私たちは、お客様に美味しいお弁当をお届けするとともに、環境にも配慮した取り組みを続けていくことが役割だと思っています」
 
配達車両、ストップアイドリングで環境に配慮
 国土交通省のデータによると、2021年度における二酸化炭素の排出量は10億6400万トン。そのうち自動車や船舶等の運輸部門は1億8500万トンになるそうです。運輸部門のなかでも営業用貨物車は4247万トンを排出しているそうです。
 配達に車は必要不可欠です。CO2の排出をできるだけ少なくするために、アイドリングストップはもちろん、最短ルートでの配達や法定速度での運転などを心がけているそうです。「荒い運転や急発進、急ブレーキはお届けするお弁当の中身が崩れたりする恐れがあります。私たちは、心を込め作った料理をお客様に美味しく食べて頂くためにも、安全運転を徹底しています。この気持ちが自然とCO2排出削減の取り組みの一環になっていると思います」と話します。
 
出来ることを続けていく
 

ここでスタッフが弁当などを詰める


 事務所や調理場で電気を使わないときは消し、エアコンは適正な温度に設定するなど節電にも取り組んでいます。「些細なことかもしれませんが、まずは自分たちが出来ることから取り組もうという気持ちです。電気代の節約にもつながりますし」と話します。
 
 カーボンニュートラルの取り組みは、決して難しいことではありません。誰にでも、どこでも取り組めることは必ずあります。その取り組みをやっても仕方ないと諦めるのではなく「まずはやってみよう」の気持ちが大切です。小さなことでも、ひとりひとりが長く続けていくことで大きなな成果につながります。
 
 
 

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