ハンググライダー日記 '24 5/3-4,18-19 信濃平

GW連休と先週に信濃平に行ってきました。

GWは信濃平Chanpionship 通称”シナチャン”
先週はFledgeという競技者養成イベントの練習会
 ハンググライディング 競技者育成プログラム Fledge (hangpara.or.jp)
  それぞれそんなイベントがありました。

 私にとって大学生の時に初めてソアリングした思い出のエリアです。


エリアの特徴

長野県飯山市にあります
湯滝温泉、野沢温泉をはじめ様々な温泉に恵まれ、のどかな田園風景が広がってます。
日本有数の豪雪地帯でもあって冬はかまくらで鍋を提供してくれます。

 ハンググライダー的には、北に鍋倉、東に野沢温泉、南東に木島平、南西に斑尾と目標にしやすい山に囲まれてます。
 このエリアは日本海から30㎞程度とほど近く、午後になると海風が入ってきてテイクオフがフォローになってしまい飛べなくなってしまう。
 しかも、あがりはじめるタイミングがそのフォローが入りはじめてから。
そういうエリアです。ですからテイクオフできない時間が比較的はやいので一日がはやく終わるエリアと言う人が多いです。しかしながら5/3-4は50人近く、5/18-19は30人以上飛ぶことができました。

 時にはランディングに西風が強く山から吹き下ろしてきてランディングが荒れてしまったり。でも電線のない広い田んぼなので安心。


なぜ強く山から吹き下ろすのか

それを説明してくれる論文があります。

 斉藤和雄先生の「山越え気流にっいて(おろし風を中心として)」です。

  強風の理由やフォローになり始めにあがり始める理由等、詳しいことはこの論文を読んでもらうとして。
 なんとなく概要を引用します。
  
①おろし風は興味ある局地気象現象の一つ。
 おろし風は極めて地形の影響の強い現象のため、発生する場所や強さがある程度決まっており、その地方に独特の局地風として名称がつけられている事が多い。

②地形に共通に見られる特徴
 山はある程度2次元性の良い山脈をなしている。斜面は風上側で緩やかで風下側で急になっている事が挙げられる。
 また風下側に湾や湖が存在している場合も多い。一般に強風に見舞われる場所は山脈風下側斜面から10km程度までの比較的限定された場所で、山脈に鞍部などの開けた場所がある所の風下側で特に風は強く吹きやすい。
 水などの流体が障害物を乗り越える時、障害物の上や後面で流速が増す事は古くから知られている。

③また障害物の高さと流体層の深さ・流速の組合せ
 組み合わせによっては、障害物の後面で増速した液面が上方に跳ね上がる場合がある事もhydraulic jump現象として知られている。

 ということが書いてあります。

跳ね水(Hydraulic Jump、One Jump Wave)を探そう

 信濃平がまさにそういう地形であると思ってます。
10㎞以内で強風が収まるのなら10㎞以内で跳ねている可能性が大。
 早い時間で飛べなくなっちゃうことも多いけど、飛んでいるうちに風向きが変わってテイクオフ正面で跳ね水が起きる。跳ね水のその下にはランディングが用意されている。
 躊躇なく跳ね水をさがせる、なんて素晴らしいエリアなんでしょう。

 また、斉藤先生はやまを超える時点での風よりも地表の方が強い。と、おっしゃってます。
 ランディングでド強風でもそれはおろし風が吹き下ろしているからで、上空ではさほど強風ではないのではないか。雲底高度が高ければ高いほど上空と地表の流速(ではなくて風速?)に差があるのではないか。

 つまり、ランディングの風が強いからといって斑尾高原、妙高高原へ向かうのをあきらめなくてよいのではないか。
 
 エリアのポテンシャルは思っているよりもずっと大きいかもしれません。

 

飛んでみて

 5/3
雲が湧く位置が北から南下して来ていたけど斑尾にGO。その後跳ね水を探したものの強い沈降帯にハマってランディング。

 5/4
タイミングが早すぎて、もがいたもののあっさりLD。

 5/18
野沢温泉が東から北東の風、対岸渡りも気になるけれど跳ね水探しにチェンジしてLD。
ずっと浮いていられるけれども期待するほど高度は稼げなかった。

 5/19
リッジで遊ぶ。TPまでの往路のL/Dが30だったので帰りも大丈夫だと思ったけど、意外と帰りはカツカツ。

 楽しみは先送り

 いまいち期待の飛びはできませんでした。
ですが、楽しみ方がいろいろあると思うのでちょいちょい飛びに行こうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?