極力、働きたくない。経営企画相澤がそれでもATOMicaで「働く」ワケ
相澤さんは、経営企画として人事制度構築や社内ツール整備、新拠点の立ち上げなど、あらゆるプロジェクトを推進しています。「できることなら労働したくない」と話す相澤さんが、なぜATOMicaにジョインし、経営企画として活動するのか。インタビューを通してお聞きしました。
相澤 飛翔|経営企画
新卒で大手企業向けERPシステム会社に入社し、首都圏法人営業に従事。ITスタートアップに転職後、BizdevとしてCSの立ち上げ、ハードウェアのODM開発、アライアンス営業、全社プロジェクトのPMO等幅広く経験。2022年7月にATOMicaへ入社し、事業開発や経営企画として組織から事業までさまざまなプロジェクトを牽引。
ATOMicaなら、人が変わるきっかけを提供できる
── ATOMicaと出会うまで、どのような人生を歩まれてきたのでしょうか?
「東大を出て医者になれ」という祖父の教えのもと幼少期を過ごしました。それに反して、「勉強しても社会に出たら使わなくない?」という、勉強へのネガティブな感情も抱いていましたね。
中学までは模試でいい成績をとることもありましたが、学問に興味がなかったので、高校以降は落第ギリギリで、大学も一年次に留年しました。大学生の頃は必死にアルバイトして、ファミレス勤務で学生ながら社会保険にも入って年間300万円くらい稼いでいました(笑)。
新卒でIT企業へ入社したあと、前職のスタートアップに転職しました。前職で知ったのは、「人と人を繋ぐ」ことの面白さです。
── 「人と人を繋ぐ」。
前職では、さまざまな部門を渡り歩きました。その中で「あの人とあの人を繋げたら良さそうだな」と、感覚的に分かるようになっていったんですね。
僕が間に入って話すきっかけを作ってあげることで、「以前より話しやすくなった」「あの人と話せてよかった」といった、ポジティブな反応をもらうようになって、人と人を繋ぐことの大切さを知りました。だからこそ、ATOMicaに魅力を感じたんです。
── ATOMicaに入社したきっかけを教えてください。
代表の嶋田瑞生さんのお誘いです。前職、前々職が一緒で、同じチームで働いたこともあります。自分の結婚式にもきてもらったのですが、親族よりも泣いていたのが印象的でした。誰の結婚式に行っても一番泣いているとの噂があります(笑)。「この人のためなら頑張りたい」と思わせてくれる、魅力溢れる人ですね。
元々転職を強く希望していたわけではなかったのですが、事業説明を聞いてATOMicaへの入社を決めました。人が変わるきっかけを提供できることに惹かれたんです。
僕は、世界には「シナリオ」があると思っています。自分が関わらなくても勝手に進んでいく、世の中の流れのことです。でも、そのシナリオに何かが加わったら、変化が生まれて、「人生」や「世の中」そのものが変わっていくと考えています。その「何か」を提供できるのが、ATOMicaだと思ったんです。出会いや繋がりを通して、人生をもっと輝かせるお手伝いができる。それが、ATOMicaに入社を決めた理由です。
経営企画とは、現場と経営を行き来するポジション
── 現在のポジションを教えてください。
経営企画として、現場と経営を行き来した動きをしています。どちらかの視点に偏ることなく、中立したスタンスで答えを導き出すことが大事なポジションです。
経営的な視点だけでビジネスをすると現場とのハレーションが起きてしまうし、現場の声だけを集めたら採算の合わない取り組みとなる可能性もあるからです。
── 経営企画としては、どういった仕事を担当していますか?
入社後に携わったプロジェクトが多すぎて、一言では言い表せないのですが……本当になんでも屋みたいな(笑)。一部を一覧化するとこんな感じです。
一つ具体例を挙げると、評価制度ですね。会社としてどうあるべきかを経営陣と握りつつ、メンバーに対しては「どのような項目だったら納得感があるか」を全員に1人づつヒアリングしました。メンバーの納得感を得るには、生の声を聞く必要があると考えたからです。
── 異なる意見をすべて反映するのは、難しいですよね。
たしかに、全員の意見をすべて反映するのは無理な話です。でも、最大限に意見を集めなくてはみんなが気持ちいいと感じる制度にはなりません。「絶対に反映できるとは限らないけれど、できるだけの限りのことをしたいから想いを教えてください」と伝え、意見を可能な限り反映するよう尽力しました。まさに、経営と現場を行き来した取り組みでしたね。
── 経営企画として初めて携わる業務も多いのではないでしょうか?正直なところ、大変ではないですか?
僕は新しいものに触れるのが好きなので、「やったことがない」はむしろポジティブなんです。同じ業務を繰り返してるほうが、自分にとっては大変に感じると思います(笑)。
「できる?興味ある?」に対して、ほぼ全部「やってみます」と答えていますが、万能なわけではないので、いつもみなさんに助けてもらっています。
できることなら働きたくない僕が、ここにいる理由
── 相澤さんがキャリアに求めるものはなんでしょうか?
そもそも僕は極力働きたくない人間なので、「ない」が答えです(笑)。お金を得るだけなら、投資とか流行りのせどりとか色々な手段があるし、できるだけ労働はしたくないですね(笑)。
── それならば、なぜここで働く道を選んだのでしょうか?
誤解を恐れずに言うと、ATOMicaの仕事はあんまり仕事と思っていない、というのがあります。働いているというよりも、好きな人たちと一緒に楽しんでいるような感覚に近いです。部活とか文化祭準備みたいな。周囲と競争するようなギスギスした環境だったら選んでいないですね。
だからこそ、メンバーにとっても楽しくて心地いい場所にしたいです。働いている人たちが楽しくなきゃ、楽しいサービスなんて作れないと思うので。
そういえば、心地よい場所を作るための施策として、先日、みんなでいいところを褒め合うワークショップを実施しました。
── どんなワークショップですか?
「この人のここが良い」と感じるところを、自分自身にも周囲のメンバーにも書くという取り組みです。「好きなだけ書いてください」とお願いしたところ、たった2,30分で平均15個以上書いてくれて、自分の知らない強みを発見できたり、周囲の素晴らしさを再認識できた施策となりました。
これは、「褒める」「いいところを見つける」ことが得意なCMT(コワーキング運営スタッフ)から想起した施策でした。
僕は、CMTのみなさんに「感謝」と「尊敬」の念を抱いていて。なぜなら、みなさん「感情」を武器に戦っているからです。フランクな会話でも感情を込めてコミュニケーションをとっていて、相手の心地よさを生み出しています。僕にはできない技ですね。
── 業務上、関わることも多いのでしょうか?
すごく多いので、可能な限り現地に赴いて直接会ってコミュニケーションをとるようにしています。先日はATOMica宮崎でCMTの新入社員研修を一緒に受けて、内覧の練習などをさせてもらいました。身をもって正しく理解して、CMTのメンバーにどれだけ親近感を持ってもらえるか、信頼を得られるかも重要だと思っています。
ちなみに、いつかCMTを憧れの職業にすることが、僕の夢でもあります。
── 憧れの職業に?
CMTは、相談しにいったら一緒に考えて、解決策を一緒に探して解決してくれる、言わば人々を助ける「スーパーマン」なんです。ATOMicaを知っている人の間では、徐々にファンが増えていると感じます。投資家の方々も、実際にCMTの接客を受けて「この方々はすごいね」とおっしゃっていて。まだまだ「CMT」という職種の知名度は低いけれど、いずれ憧れの職業になると僕は確信しています。
── なぜそこまで思えるのでしょうか?
僕は、学校卒業後にほとんど当時の友人と会っていないんです。卒業後に会ったのは、小中高大合わせても数人程度かな。せっかくの繋がりだけど、卒業したら「もういいや」と思ってしまう自分がいて。
でも、CMTに対しては「会いたいな」と思うんですよ。多分僕自身もファンなんでしょうね(笑)。
自分の偏見で、他人の価値観を否定しない
── 人とコミュニケーションをとる上で、相澤さんが大事にしているのはどんなことでしょうか?
「他人を自分の偏見でジャッジしない」ということです。僕は、人の意見に対して「良い」とも「悪い」とも思わないんですよ。「この人はそう思うんだ」とありのままに受け止める感じです。
そう思うようになったのは、大学時代に出会ったダイビングインストラクターの影響が大きいです。海に潜る前に「海は地球の7割。これから、今まで見えてなかった7割を見に行くんだよ」と言われたんですね。
それを聞いて、ハッとしました。「もし海に潜っていなかったら、地球の3割しか見えていなかったんだ。自分が見えているものがすべてじゃないんだ」と感じたんです。
その人にしか分からない世界があって、それは他人には見えないんだな、と。アインシュタインの言葉に「常識とは 18 歳までに身につけた偏見のコレクションでしかない」というものがありますが、偏見というフィルターで物事を判断していたんだと気付かされたんです。
── 自身にある偏見を自覚した。
それから、自分と違うということで、誰かを否定するのを辞めました。
むしろ今はその人の持つ偏見に触れるのが好きです。偏見は今までの環境や経験に基づいて培われたものなので、たくさん会話をして、その人の偏見を知りたいなと思っています。
── 相澤さんのこれからの目標を教えてください。
「全社員をHAPPYにする」です。全員が胸を張って「毎日楽しい」と言える環境を作ることが僕の目標ですね。そのため、周りに頼りながらも、HAPPYを最大化できる方法を探し続けたいです。
取材・執筆/早坂みさと