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偶然が必然に変わる時(37)・・NY編

ニューヨークと日本の時差は13時間なので、向こうは夜の9時過ぎだったがまぁ、良いか、、、」と、こっちの都合で電話を入れてみた。

「トゥー、トゥー、、トゥーー、」と海外電話独特の呼び出し音が何回か聞こえた後「hello?」と男の声が聞こえてきたので

「あっ、ハ、ハローッ!」と取り敢えず返事を返したが英語が話せないので、「こ、こんばんは、、」と挨拶をすると「日本の方ですか?」と日本語で返ってきた。

「はい、日本からです、、、どうも初めまして!夜分にすみません、、、」

「いえいえ、大丈夫ですよ!」

「実は先程会社の方にFAXが送られてきまして、、、」

「あーっ!さっき私が送ったFAXですね!」

「はい、それでご連絡をさせて頂いたのですが、、、
申し遅れましたが、わたくし和歌山県でお店をやっております○○○○の鈴木と申します!」

「はい、どうも、、、初めまして武藤と申します。」

「あ、あっ、、、ROYさんですか?」

「はい、そうですが、、、」

「失礼ですがROYさんは日系の方なんですか?」

「いえ、日本生まれの日本人ですが、、、」

「えーーっ!そうだったのですか?」

「はい、神奈川で生まれまして、、、」

 「えーっ!神奈川ですか?」

「はい、そうです、、、」

「じゃぁ、なぜROYさんなんですか?」

「あーっ!ROY(ロイ)ですか、、、これは勝手につけただけなんですよねー!」と笑いながらまさかの返事が返ってきた。

「えーっ!勝手に?」

「はい、こっちに来て7〜8年になるのですが、実は僕の名前は修(オサム)と言いまして、英語だと”オサム”がチョット分かりずらいみたいなので、何か他の名前が無いかな?とたまたま浮かんだのがROYだったんですよねー!」

「へーーっ!そうだったのですね?僕はてっきり二世の方とばかり思っていまして、、、」

「ハハハ、、、すみません!でも顔がハーフぽいっので良く二世の方ですか?って間違われますけどねー(笑」

「で、ROYさん、、、あっ、武藤さんでも良いですか?」

「はい、武藤で大丈夫ですよー!」

「で、武藤さん、今回うちの会社にFAXを送ってくれたのは何処かでBoonを見てくれたのですか?」

「はい、実は10日程前にマンハッタンにあるカフェでお茶を飲んでいましたら、隣の席に誰かが忘れていった雑誌がポツンと置いてありまして、、、」

「えーっ!それがBoonだったのですか?」

「はい、そうです!たぶん日本人の観光客かバイヤーさんが忘れていったのだと思うのですが、、、」

「へーーっ!それでうちのお店の広告を見てFAXを送ってくれたと言う訳ですか?」

「はい、そうです!」 

「それで、うちだけじゃなく他のお店にもFAXを送られたんでしょ?」

「はい、広告のイメージの良いところだけに絞って数件送らせて頂きました、、、」

「それで、他のお店からのオファーはあったのですか?」

「いえ、一件も無くってチョット落ち込んでいたら、今こうして鈴木さんからお電話を頂いたのでビックリしているところです!」

「えーーっ!そうだったのですか?」

「はい、全く知らないお店にFAXをこちらから一方的に送っても中々ビジネスに繫げていくって難しいじゃないですか、、、」・・・つづく。


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