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偶然が必然に変わる時(47)・・NY編

するとそこには一枚のマリア様の写真が飾られていて、その上には幾つかの天使のオブジェが糸で吊るされて飛んでいた。

それは、まるで祭壇のようにレイアウトされていて、その場所だけ全く空気感が違った。

そして、武藤くんの言う凄いエネルギーというのは、そのマリア様の写真から出ている波動で、さっきのショーウインドウの水晶よりも数段強いものだった。

「おーーっ!武藤くん、このマリア様凄いエネルギーだねー!」と思わず大きな声を出した。

「ねっ、社長!凄いでしょ、、、このマリア様の写真は何なんでしょうね?」と、武藤くんが興味を抱いたので

「すみませーん!このマリア様の写真の事でちょっとお聞きしたいのですが?」と先程まで話しをしていた女性スタッフを呼んだ。

「はい、何でしょうか?」と彼女は直ぐに来てくれたので
「このマリア様の写真ですが、何処で撮られたものですかね?」と聞くと

「このお写真はうちのオーナーが日本に戻った時に、撮られた時の写真です。」

「えっ?オーナーさんて日本人の方ですか?」

「はい、そうです、日本とニューヨークを行ったり来たりしておりまして、、、」

「えっ!そうなんですか?」

「はい、今はちょうどこちらに戻って来られておりますが、、、」

「えーーっ!そうなんですか、、、じゃ、このマリア様の事をもっとお聞きしたいのですが、良かったら聞いて貰える事は出来ますか?」

「あっ、は、はい、、、」と、女性スタッフは一瞬ためらったが、
「わかりました!これからお電話してみますね、、」と直ぐにオーナーに電話を入れてくれた。

「もしもし、、、◯◯です。今、お店に日本のお客様が来られておりまして、お店の奥に飾ってるマリア様の写真の件で色々とお聞きしたいらしいのですが、、」と、

オーナーに手短に用件を伝えると直ぐにOKが出たみたいで
「オーナーが良いとおっしゃって頂けましたので直接お話し下さいませ、、、」と、受話器を僕に渡してくれた。

「はじめまして、鈴木と申します。」とご挨拶をすると

「こんにちはー!わたくし○野と申しますが、、、」と、優しそうな女性の声が返ってきた。

「実は今こちらに飾られているマリア様と対面させて頂いてるところなんですが、マリア様の写真から凄いエネルギーを感じておりまして、、、」と事情を説明すると

「そうですか、あなた方も感性の鋭い方達なんですね!」と思わぬ返事が返ってきた。

そして「実は、そのマリア様は東京にいる私の友人が持ってるもので、この前帰った時に見せて貰ったモノなんですよね、、、」

「えーーっ!東京にあるのですか?」、、、つづく。


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