並走カメラの撮る画角はどこが新鮮か
有難いことに最近、ランナーと並走して動画を撮るという機会が多い。
“動画を撮る”とカッコつけているが、素人に毛が生えたレベルです。
撮影したものを見返すとブレブレだ。
だけれど数打ちゃ当たるとはよく言ったもので、ごく稀にドンピシャ画角で撮れているものもある。
その動画を見てランナーが感想やレースの反省を語ってくれた時、ぼくはすごく嬉しい。
グラウンドレベルで陸上を見る機会は公式レースだとまずない。だけれどバーチャレは選手と同じ目線で動画を撮る、応援ができる、記録を測る、そして自分がランナーだったら隣でカメラを持ってる奴が死に物狂いで並走してくる、という非日常の体験をすることができる。
ランナー、サポートというどちらの立場でも新しい発見が沢山ある。とてもおもしろい。
ブルックリンマイルレースの時、館澤くんと並走して撮影する場面があった。あの館澤くんである。
速い。とにかく速い。
その時は900m過ぎぐらいから並走したんだけれど本当に900m走ってきたんか!というくらい速い。異次元だ。
もちろん日本選手権チャンプという輝かしい実績を持っていて、足が速いことなんて知っていたんだけれど、あんなに”風を切る”という言葉が当てはまるランナーはいない。
あと、とてつもなく後ろ足の回転が大きい。走るときにストライド、ピッチという言葉をよく使うのだが、彼は間違いなく”ストライドピッチ王子”だ。桁違いにストライドが広く足の回転が速い。とにかくパナイんですよ。
(仮にぼくがランナーで競い合うレベルだとしたら絶対に後ろに付きたくないと思った。
レース後少しだけお話ししたのだが気さくな青年でファンになりました。)
というように、単に並走して動画を撮影したという経験値だけではなくバーチャレという大会は、TV越しで観戦してる時には見つけられない発見をすることができる。おもしろい素材がゴロゴロと転がっている。
ここからは個人的な反省になるのだが、一つだけ動画を撮影していて思ったことがある。
それは「レーンの内側から動画を撮り損ねた」ということ。
というのも、これまでの動画はランナーの外側から撮っていた。臨場感溢れる動画を収められるので十分面白い。
だが欲を言えば応援している人も同じ画角に収めれるのではないか、と思った。
どうすれば新鮮な画角が撮れるかを考えたとき、”トラックの内側を走る”という手法があることに気づいた。
そうすれば、選手を撮影しつつバックに全力で応援するチームメイトがいる、という贅沢ボリューミー画角が完成する。たとえ応援を送る人がスタンドにいてもグラウンドレベルにいたとしてもトラックの内側から撮っている映像はとても新鮮で臨場感溢れると思う。
今度ぼくが撮影する時はチャレンジしてみよう。
ご時世柄、大学駅伝が中止になった、〇〇大会が中止になった、という悲しいニュースが飛び交う。陸上に限らず様々なスポーツで。
悲観的に考えても仕方がないので与えられている現状でどうすれば面白くなるかを日々考えるようにしている。今回はバーチャレに特化したことだが。
どのような画角で撮影すれば記憶に残る動画が取れるか、どんな応援を送れば選手がラストスパートをかけてくれるか、どんなタイム読みをすれば正確に選手に伝わるか、仲間の応援を受けて走ることがどれだけ楽しく幸せなことか。
ポジティブな妄想をしていったほうがおもしろい。「こういう画角で撮ると面白いっすよ」、とか「このレースはこの部分が見ていて胸熱だったわ」という感想戦もしたい。
楽しみ方は無限大だ。
そもそもバーチャレってなんだい、という方は以下のリンクより。
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